4.4.2 日本海に関連するその他の情報
本業務では資料収集の対象としなかった種々のデータについて、その所在情報等を以下に列挙した。
(1)潮汐データ
(2)波浪データ
・港湾空港技術研究所海象情報研究室:
(3)海流データ
(4)漂流ブイデータ
(5)リモートセンシングデータ
・東北大学 大気海洋変動観測研究センター:
・北海道大学大学院水産科学研究科 資源計測学講座 衛星資源計測学分野
・NRL(Naval Research Laboratory):
(6)海況・水温分布
(海洋速報)
・第一管区海上保安本部海洋情報部:
・第二管区海上保安本部海洋情報部:
・第七管区海上保安本部海洋情報部:
・第八管区海上保安本部海洋情報部:
・第九管区海上保安本部海洋情報部:
(7)公共用水域の水質測定結果
国立環境研究所に全国の公共用水域の水質測定結果が集められ、そのデータはJODCにも送付されている。
(8)NEAR-GOOSデータベース
日本海を含むNEAR-GOOS(North-East Asian Regional Global Ocean Observing System)対象領域の海洋/海上気象データは、最終的に地域遅延モードデータベース(Regional Delayed Mode Data Base: RDMDB)で管理され、その運用は、日本海洋データセンター(JODC)が行っている。
なお、地域リアルタイムデータベース(Regional Real Time Data Base: RRTDB)は気象庁で運用している。
また、他の参加国(中国、韓国、ロシア)でもそれぞれ、下記のとおりリアルタイムデータベースと遅延モードデータベースが運用されている。
(9)Argoフロートデータ
日本のアルゴ計画におけるデータ提供は、アルゴフロートデータを即時的に公開する目的で気象庁が運用するリアルタイムデータベースと、高度な品質管理を施したデータを公開する目的で海洋科学技術センター/地球観測フロンティア研究システムが運用する高品質データベースによって行われている。但し、日本の機関では日本海には投入していない。現在、日本海ではアメリカ、ロシア、韓国により投入されたフロートが観測中である。
(10)海外の海洋観測機関のWebサイト
5.1 研究成果のまとめ
5.1.1 観測資料の収集・整理
(1)国内沿岸域の観測資料として、その大半を占める水産試験研究機関の観測情報及びデータを整理した。1995年頃までの観測データはJODCで保管しており、これより延べ6,421クルーズのインベントリー情報が得られた。また、それ以降については「日本海海洋調査技術連絡会議事録」を整理し、1,274クルーズの情報を整理した。
(2)1950年代に対馬暖流域で行われた観測結果を収集し、入力作業を行った。
(3)沿岸域だけでなく、日本海全域を対象とした観測情報についても追加収集した。
(4)観測データの収集・整理を行い、JODCのデータベースで公開されているデータのほか、KODCから送付された最近のデータ、WOD2001に収録されたデータを整理した。これらのデータセットより日本海で行われた観測データを抽出した。
(1)収集した観測データからインベントリー情報を抽出した。この結果、日本のデータからは9,952クルーズ、KODCデータからは1,056クルーズ、WOD2001の各層観測データからは534クルーズのインベントリー情報が得られた。
(2)今年度新たに収集した文献・報告書等からインベントリー情報を整理し、昨年度作成したインベントリー情報ファイルに属性情報を追加入力した。
(3)観測データから抽出できるインベントリー情報と文献等から得られる情報では内容、表記方法に相違がある。このため、両者の項目を合わせてインベントリー情報項目を拡張し、昨年度設定した項目に加え、船舶コード、観測機関コード、プロジェクトコード及び国コード、経緯度範囲を追加した。
(1)インベントリー情報のデータベース及び観測データのデータベースを構築した。このほか、観測・研究プロジェクトに関する情報をプロジェクト別にhtml形式で整理し、ブラウザで閲覧できるようにした。
(2)インベントリー情報のデータベースは、csv形式で作成した。また、観測データとの関連付け情報として、観測データベースの該当ファイル名を付加した。
(3)観測データのデータベースは、JODCの標準フォーマット(FETI)で収録した。WOD2001など異なるフォーマットで収集したデータは全てフォーマット変換を行いFETI形式に統一した。
(4)観測データベースは各層観測データとその他の測器によるデータを分け、各層観測データは年代別(10年毎)・船舶別・クルーズ別の階層構造で整理した。
(5)インベントリー情報及び観測データに対し、条件検索の可能なプログラムを作成した。
(6)各層観測データベースに基づき、年代別、月別、項目別などの観測点数の集計を行い、データの概要を把握した。全観測点数は316,395測点であり、日本側沿岸の観測が多い傾向にあった。なお、このうち844測点分が本業務で新たに加えた観測データである。
(7)年代別変化では1960年代から観測点数が増加しており、1980年代が最も多くなっていた。また、月別には夏季に多く冬季に少ない傾向にあった。
(8)水温はほとんどの測点で観測されているが、塩分はおよそ半数、DOは約1/10の観測点数であった。
(1)今後、本業務で構築したデータベースに基づいて統計解析を行うにあたり、収集した観測データの時空間分布を考慮し、日本海の環境変動を把握するための解析項目及び方法を検討する。
(2)また、適切なメッシュ区分、層区分、時間区分等を検討する。
(3)CTD、XBT、MBTなどで測定された水温・塩分と各層観測の水温・塩分データを解析時にどのように処理・利用するか検討する。
(4)最近JODCのデータベースに加えられた旧日本海軍のデータ、ONRのデータなど、今年度はデータベースに収録できなかったデータもある。これらは極力データベースに追加し、データの充実を図る。
(5)オンラインで公開する情報の内容、方法について検討・整理する。
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