4.3 観測データのデータベース
4.3.1 データの様式
観測データのデータベースは、原則としてJODCの標準フォーマット(FETI)で作成するものとした。
このデータのフォーマットは付表−2に示すとおりであり、データ例を図4.5に示す。
図4.5 観測データベースのデータ例(JODCのFETIフォーマット)
第2章で収集・整理した観測データのうち、JODC保有のデータ及びKODCのデータは、既にFETIフォーマットで記録されている。
これ以外の種々の原データに対しては以下のとおりフォーマット変換等の処理を行い、FETI形式に統一した。
(1)WOD2001のデータ変換
WOD2001のフォーマットは付表−3に示すとおりであり、そのデータ例を図4.6に示す。
図4.6 WOD2001のデータ例
WOD2001のデータからJODCのFETIフォーマットへの変換項目及び方法は以下のとおりである。
〔HEADER部〕
(1)緯度:ddmmssNタイプに変換
(2)経度:ddmmssEタイプに変換
(3)年月日
(4)時間:hhmmssタイプに変換
(5)国コード:JODCコードとNODCコードは同じなのでそのまま転記
(6)観測機関コード:Variable-specific codeまたはSecondary Header codeが「4」の時、WODのコードに@を付けて出力(5バイト使用)。
(7)船舶コード:Secondary Header codeが「3」の時、WODのコードに@を付けて出力
(8)プロジェクトコード:Secondary Header codeが「2」の時、WODのコードに@を付けて出力
〔DATA部〕
(9)データタイプ(項目):WODのコードから付表−4に基づきコード変換
(10)測器コード:Variable-specific codeが「6」の時、WODのコード@を付けて出力(5バイト使用)。
(11)データ単位:データタイプに応じて、付表−4に示すJODCコードに準じて変換
(12)水深単位:Secondary Header codeが「95」、かつ、その値が「83」の時は「ft」、それ以外(Secondary Headerがない場合も含む)は「m」。但しCTDデータは「db」とする。
(13)データカラムの桁数
(14)指数(小数点以下の桁数)
(15)水深:書式をF6.1に統一して出力
(16)観測値:Valueを(13)(14)の書式で出力
〔その他〕
(17)航海番号:WODの航海番号はバイト数不定で3桁を超えることもあるため、そのまま変換できない。そこで、この欄は「WODからの変換である」という情報を記入するために利用することとし、コード「@」を付す。
(18)上記以外はスペースとする。
(2)報告書からの入力データ
収集した報告書に観測データが記録されていた下記の観測資料について、入力作業を行いデジタル化した。
・対馬海流域一斉観測結果(1951〜1952年観測)
・水産試験場の対馬暖流調査資料(1953〜1958年観測)
入力にあたっては、作業が容易なように一旦表計算ソフト(Excel)を用いて図4.7に示す様式で入力及びチェックを行い、その後FETIフォーマットに変換した。
図4.7 入力データの様式
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国 |
49 |
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機関 |
1204 |
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船 |
JGOK |
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St. |
A1 |
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Lat. |
372518 |
N |
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Long. |
1365412 |
E |
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date |
19510710 |
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time |
0628 |
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データタイプ |
dep |
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データタイプコード |
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temp |
sal |
cl |
pH |
DO |
P |
Si |
単位 |
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01 |
02 |
02 |
10 |
11 |
12 |
14 |
水深単位 |
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degC |
PPT |
PPT |
pH |
cc/L |
umol/L |
mg/L |
桁数
(総カラム) |
m |
m |
m |
m |
m |
m |
m |
mg/L |
指数
(小数点以下桁) |
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5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
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2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
3 |
|
0 |
21.40 |
|
18.95 |
8.30 |
4.86 |
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0.183 |
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5 |
21.39 |
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18.97 |
8.35 |
4.65 |
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0.150 |
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10 |
20.88 |
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19.03 |
8.35 |
5.38 |
|
0.150 |
|
25 |
20.29 |
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19.02 |
8.35 |
5.00 |
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0.141 |
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大和堆海域調査データのうち、栄養塩等の各層観測データも一旦同様の形式で整理した後、FETIフォーマットに変換した。
変換に際しては以下の処理を行った。
(1)時刻は、日本標準時(JST)から世界協定時(UTC)に変換した。
(2)塩分は、塩素量あるいはσ15(15℃における比重)で表記されているデータが多数あった。これらは以下の方法で塩分に換算し、単位は「PPT」とした。桁数、指数(小数点下の桁数)は元データの有効桁数に合わせた。
◆塩素量から塩分への換算
S=1.80655 Cl(UNESCO、1962)
◆σ15から塩分への換算
報告値(σ15)と温度t=15℃より反復収束計算により塩分を逆算して求めた。
(3)栄養塩データの単位は、必ずしも付表−4に示したものと一致していない場合があったが、FETIでは単位は数値コードでなく文字列で表記できるので、原典どおりに入力・変換した。
(4)栄養塩データで定量下限値未満の場合は以下のように処理した。
◆不等号表示の場合
“<0.01”のように不等号表示されている場合は、データは“0.01”とし、品質管理フラグを“L”とした。
◆記号表示の場合
“tr”(trace)のように記号表示されている場合は、欠測扱いとした。
(5)観測層が「底」あるいは「b.m」などの表記の場合、水深値があれば「観測深度=水深」として観測深度を入力した。水深値がない場合は、深度を「99999」とした。
(3)その他のフォーマットのデータ変換
デジタルデータが収集されている大和堆海域調査データのうち、CTDデータ及びXBTデータについてFETIフォーマットに変換した。
CTDデータ及びXBTデータは図4.8に示すような形式で収録されており、専用のプログラムを作成して変換を行った。なお、プロジェクトコードは便宜的に“YAMT”と付与した(付表−5)。
図4.8(1)大和堆調査のデータ例(CTDデータ)
図4.8(2)大和堆調査のデータ例(XBTデータ)
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