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報告
第9回九州運輸コロキアム
Kyushu Transport Colloquium
 
地域交通事業の経営の現状について
 
日本政策投資銀行 地方開発部 企画調査課 課長
島 裕 氏
 
 
日時 平成15年11月7日(金)
場所 熊本交通センターホテル(熊本市)
主催 (財)九州運輸振興センター
 
[1]はじめに
 
 ただいまご紹介にあずかりました日本政策投資銀行の島と申します。今日お話いたします内容は「社会構造の変化」、それから「財務面から見た地域交通事業の実態」、銀行が何を考えているのかということと、キャッシュフローという観点から地域交通の経営モデルについて触れてみたいと考えております。
 それから、3つめのテーマとして「利用促進」。果たして本当に出来るのだろうか、輸送は伸びることがあり得るんだろうかというテーマを少し考えてみたいと思います。
 そして最後に「経営モデルのあり方」ですが、私論ということでこんなことを考えておりますが、皆さんどのように感じられるかということを皆さんと議論をしてまいりたいと考えております。
 
[2]社会構造の変化
 
(1)人口論
 この表(図1)は日本の人口の長期推移を示したものです。ちょうど、江戸時代までは日本の人口はほとんど伸びていないですね。江戸期になりまして生産能力が拡大した中で、人口が爆発的に伸びる。その後、農業本位の経済システムでございますから、人口が増えても養えない、という供給面での制約がありまして、江戸期を通じて人口はほぼ一定で推移しています。
 
図1 わが国の人口推移(長期時系列)
 
 その後、明治以降は人口が爆発的に増加しました。終戦時の人口が約8千万ということでございます。
 それから50年間で、今の1億3千万弱の人口まで急激に伸びてまいりました。
 今、ちょっと少子高齢化と言われて久しくなっておりますが、ちょうど私共はこの頂点におります。今後どうなるかというのはいろんな議論がなされておりますが、政府予測でも、今後50年間で増えてきた5千万人の人口を吐き出すという予測でございます。
 実は、人口が伸びなくなって今後急激に減少していくということが、経済変動において大きな影響を及ぼしてくるのではないかと考えられております。
 この表(図2)は、戦後生まれてきた子供の数を棒グラフにした表でございます。ちょうど戦後生まれられた方、団塊の世代ですね、この方たちが日本の中で一番の多数派を占めている、これは皆さんご案内のとおりです。
 
図2 戦後の出生者数推移







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