日本財団 図書館


3.7.5 種々の因子がスロッシング特性に及ぼす影響
 
 さらに, スロッシングに関連して, バラスト水交換のガイドライン作成を目的とした検討も行った。すなわち, ポンプ能力の関係からバラスト排水に最も時間がかかると考えられるハンディサイズのバルクキャリアを対象として, 有義波高(h1/3)と平均波周期()の種々の組合せのもとで, タンク内水位を一定とした状態で1時間のシミュレーションを行い, 得られた結果を検討した。
 タンク内水位は, 最もスロッシングが激しくなる45%水位とし, 横波状態を仮定した。また, 有義波高を5種類(1.0, 2.5, 4.0, 5.5, 7.0m), 平均波周期を9種類(6, 7, 8, 10, 11, 12, 14, 15, 16sec)変化させ, 合計45通りの組合せに対して解析を実施した。
 得られた結果の一部を, 図3.20に示す。図は, 衝撃圧力のピーク値の1時間当りの超過度数を表している。さらに, これらの図から, 超過度数が10回, 5回および2回の場合の圧力値を読み取り, 有義波高と平均波周期をパラメータとしたピーク圧力の等高線を描いて, 図3.21に示す。これらの等高線図は, バラスト水交換可能な海象条件を特定するためのチャートとして利用できる。
 
図3.20
 
衝撃圧力ピーク値の1時間当たり超過度数(ハンディサイズ;χ=90°)
(拡大画面:279KB)
 
図3.21 衝撃圧力ピーク値の応答曲面(ハンディサイズ;χ=90°)
Number of exceedance per hour Peak Pressure distribution
10
5
2







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION