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平成15年度
「認定事業場の品質管理向上のための調査指導及び講習・研修」
事業報告書
 
(社)日本船舶品質管理協会
 
事業目標の達成状況
(1)認定事業場等の調査指導
a 製造認定事業場の継続調査指導
 舶用機器等の製造認定事業場39事業場の継続指導を計画し、事業場の再編等事業場の都合で3事業場を除いた計36事業場の指導を実施した。そのうち、10事業場については、製造に必要な施設や関係書類の継続調査指導に加え、当該事業場が認定を受けてから5年目に該当したため、更新申請のための指導、助言並びに関係書類の確認を行なった。これらのことから、認定事業場制度に基づく当該事業者の品質管理体制の維持、向上を図ることができた。
b 整備認定事業場等の巡回調査指導
 膨脹式救命いかだ整備事業場16事業場、GMDSS救命設備整備事業場16事業場の巡回指導を計画し、予定どおり実施した。この中で、整備に必要な施設、関係書類等について厳正な維持、管理に努めるよう指導するとともに、GMDSS救命設備の整備に必要なシールドルームの電波漏洩状況を測定調査し、電波遮蔽状況が規定値内にあることを確認した。これらのことから、整備認定事業場等の品質管理体制の維持、向上を図ることができた。
c 内燃機関整備事業場調査指導
 整備認定事業場取得を要望している内燃機関整備事業者のうち、その事業規模と必要度を勘案して、3事業場の指導を計画し、このうち2事業場に対し現地の実態調査を実施するとともに、整備認定事業場として必要な設備、技術・技量レベルの確保及び品質システム管理体制の構築等について指導した。現状においては、今後も引き続き指導する必要がある。
 なお、1事業場については、事業場の都合で実施できなかった。
d 防火用材製造事業場調査指導
 新たに製造認定物件となった防火用材について、認定事業場へ移行する可能性のある3事業場の調査指導を計画し、2事業場の調査指導を行なった。この中で、製造に必要な施設及び関係書類の管理の現状等を調査し、必要な指導を行った。現状においては、小規模事業者が多いため、今後とも調査指導を行なう必要がある。
 なお、1事業場については、事業場の都合で実施できなかった。
 
1)製造関係
a 舶用機器製造工事管理者講習会
 当初の目標45名に対し受講者数は29名であった。全員が受講後の試験に合格した。
 この結果、合格者には「製造工事管理者」の資格が本会から付与され、当該事業場の管理者(候補者)として品質管理の実務に従事することになった。
b 舶用機器製造工事管理者研修会
 対象となる舶用機器製造工事管理者に対し受講を要請したが、当初の目標60名に対し受講者数は45名であった。研修は2回に分け実施し、製造工事管理者に相応しい品質管理技術の維持、向上が図られた。
2)修繕関係
a 舶用機器修繕工事管理者研修会
 対象となる舶用機器修繕工事管理者に対し受講を要請したが、当初目標の50名に対し受講者数は29名であった。
 研修会は2回に分けて実施し、参加者全員が管理者更新試験に合格し、修繕工事管理者に相応しい品質管理技術の維持・向上を図ることができた。
3)整備関係
a 膨脹式救命いかだ整備技術講習会
 今年度からRFD Limited製いかだが教材として追加され、教材数は5社分となった。このため、講習期間を従来よりも1日長くして6日間とした。
 講習会には22事業場から34名(うち女性1名)が受講し、学科及び実技を含む講習5日、試験(学科及び実技)1日の講習会を実施した結果、全員が合格した。
 また、合格者の平均年齢は30.9歳と若く、今後、当該事業場の整備技術者として就業することとなる。
b 膨脹式救命いかだ整備技術研修会
 受講者数は当初予定の3地区80名に対し、3地区(青森、大阪、高知)81名となった。今年度も、教材は96SOLAS適合膨脹式救命いかだ6型式と83SOLAS適合いかだ2型式の計8型式を使用し、研修期間も2日間とした。この中で、RFD社のいかだ整備も近々実施されることを考慮し、点検整備要領のビデオを参加者に視聴させるとともに実技指導も行なった。新旧型式の教材を使用したことにより、整備技量の維持、向上はもとより、我が国における膨脹式救命いかだ整備体制の維持、強化を図ることができた。
c 降下式乗込装置整備技術講習会
 講習会には、22事業場から22名が受講し、最も新しい96SOLAS適合の製品を教材として、実技講習及び学科を含む5日間にわたる講習会を実施し、全員が合格した。
d 降下式乗込装置整備技術研修会
 全事業場の30名の技術者を対象に、メーカー2社3型式(74SOLAS、83SOLAS及び96SOLAS適合)の乗込装置のうち、96SOLAS適合品を教材にして、2日間にわたり点検、整備に関する技術指導を行った。96SOLAS適合品の整備が増加しており、整備に関する詳細な講師の実技指導に対して、質疑・応答も活発に行われる等整備技量の維持、向上を図ることができた。
e GMDSS救命設備整備技術研修会
 受講者数は当初予定の2地区60名に対し、2地区58名であった。
 研修受講者に対しては、整備にあたっての留意点、電波の誤発射防止に係る船舶乗組員に対する啓発事項並びに関連法規を周知するとともに、実機による指導を実施して整備技量の維持、向上を図ることができた。
 
 講習会等の実施手段として次の図書を作成した。
舶用機器製造工事管理者研修テキスト(A4版 17ページ)
グループ討論のまとめ(A4版 27ページ)
品質管理指導書
第1分冊 品質管理編(A4版 127ページ)
第2分冊 法令編(A4版 192ページ)
舶用機器修繕工事管理者指導書
第1章 修繕事業場における品質管理(A4版 82ページ)
第2章 修繕事業場における環境管理(A4版 84ページ)
第3章 修繕に関する安全法規(A3〜4版 92ページ)
膨脹式救命いかだ整備技術指導書(A4版 214ページ)
降下式乗込装置整備技術指導書(A4版 214ページ)
各講習会、研修会記録写真
 
a 製造認定事業場の継続調査指導
 全国に点在する36の製造認定事業場について、製造に係る施設の現状、品質管理システム全般の継続的な調査指導を実施し、必要な指導を行なった。これは、5年に3回の周期で実施されているもので、実施にあたっては地方の監督官庁と事前に十分調整のうえ実施し、製造認定事業場制度の維持、向上に努めた。
b 整備認定事業場等の巡回調査指導
 全国に点在する膨脹式救命いかだ整備認定事業場のうち3地区16個所、GMDSS救命設備整備証明事業場16箇所を巡回し、整備に必要な施設の現状、関係書類の整備・管理状況等を調査し、必要な指導を行った。これは、各事業場を5年の周期で実施しているもので、実施にあたっては地方の監督官庁と事前に十分調整のうえ実施し、整備認定(証明)事業場制度の維持、向上に努めた。
c 内燃機関整備事業場調査指導
 従前からの継続調査指導として、標準化された調査票にもとづき、整備設備の現状、整備に係る品質管理について、聴き取り調査及び実地調査を実施した。
d 防火用材製造事業場調査指導
 防火用材の製造認定事業場に移行する可能性のある全国に点在する2事業場について、製造に必要な施設の現状、関係書類の管理状況等を調査し、必要な指導、助言を行った。
 
1)製造関係 
a 舶用機器製造工事管理者講習会
場所 東京都
受講者 29名
期間 11月10日(月)〜13日(木)
試験の結果 全員合格
b 舶用機器製造工事管理者研修会
場所 伊東市
受講者 45名(前期28名、後期17名)
期間 10月1日(水)〜3日(金)、10月15日(水)〜17日(金)
試験の結果 全員合格
2)修繕関係
a 舶用機器修繕工事管理者研修会
場所 東京都、広島市
受講者 29名(東京都10名、広島市19名)
期間 東京都(9月11日(木)〜12日(金))
広島市(10月22日(水)〜23日(木))
試験の結果 全員合格
3)整備関係
 膨脹式救命いかだ、降下式乗込装置及びGMDSS救命設備の整備事業場における整備技術者の養成と整備技量の維持向上を図るため、次のとおり講習会及び研修会を実施した。
a 膨脹式救命いかだ整備技術講習会
場所:第2電波ビル(秋葉原)
受講者:34名
期間:平成15年9月28日(日)〜10月3日(金)
 本講習会においては、教材は96SOLAS適合及び83SOLAS改正の膨脹式救命いかだに加えRFD Limited製いかだを教材として使用した。
b 膨脹式救命いかだ整備技術研修会
ア 東北地区(青森市) :平成15年9月9日(火)〜10日(水)
受講者:17名
イ 近畿地区(大阪市) :平成15年10月22日(水)〜23日(木)
受講者:42名
ウ 四国地区(高知市) :平成15年11月17日(月)〜18日(火)
受講者:22名
 本研修会においては、従来の膨脹式救命いかだに加え、96SOLAS適合の新型式のいかだ及びRFD Limited製いかだの研修を行い、整備技術の周知、整備技量の維持、向上に努めた。
c 降下式乗込装置整備技術講習会
ア 実技:平成15年8月18日〜9月19日
場所:藤倉ゴム工業(株)岩槻工場(2回)
RFD Limited 横浜工場(1回)
受講者:22名
イ 学科:平成15年10月14日(火)〜15日(水)
場所:第7東ビル1F会議室
受験者:22名
試験の結果、全員が合格した。
d 降下式乗込装置整備技術研修会
場所:尾道市
期間:平成15年8月26日(火)〜27日(水)
受講者:28名
 本研修会では、各メーカー講師による講義及び実技の指導を受け、整備技術の収得に努め、整備技量の維持・向上を図った。
e GMDSS救命設備整備技術研修会
ア 東京地区
場所:東京都
期間:平成15年10月6日(月)
受講者:29名
イ 大阪地区
場所:大阪市
期間:平成15年10月8日(水)
受講者:29名
 本研修会においては、関係法令の改正事項等、整備上の留意事項のほか、EPIRB、SART及び双方向無線電話装置の整備上の注意等について、実機を使用して各メーカー講師による指導を行い、新しい知識の習得と整備技量の維持、向上に努めた。







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