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V 研究成果の普及
 
 
日時:平成15年9月21日(日)〜27日(土)(7)日間
場所:アメリカ合衆国サンディエゴ市(タウンアンドカントリーホテル)
日程:
 9/21 移動
 9/22 学会参加登録、Speakers Ready Room での事前準備、プレゼンテーション用パワーポイントファイルのサーバ登録
 9/23 講演者朝食会(セッション会合、議長・他の発表者との相互紹介)、本調査研究の発表、全体セッション、各分科セッション
 9/24-25
Exhibition
 9/26-27
移動
 
概要(研究発表):
 本調査研究の発表は、分科セッションの「Environmental Technology」に位置づけられている。セッション参加者が約40名ほど。日本からは、本調査研究関係者以外では、シップ・アンド・オーシャン財団からの1名のみであった。
 New Mexico State University の Prof. Joseph Wangより "Real-time Electrochemical Monitoring of Nitroaromatic Explosive in Marine" と題し、続いて、Neptune 社の Mr. Erik Rike より"Using Satellite Data to Calibrate In-situ Temperature Measurements and to Improve their Assimilation into MODAS" と題した、海洋環境観測の手法に関する2つの講演が行われた。
 続いて、本調査研究の発表に移った。"Research and Development of Biodegradation Disposal for SBS(Sugi Bark Sorbent)" と題し、杉樹皮製油吸着材の開発経緯と、環境負荷低減のための微生物分解処理方法についての研究成果を紹介した(写真−V.1.1)。
 参加者・議長からの質問、出張者の回答は以下のとおり。
Q1:他の国の杉は材料として使えるのか?
A1:実験したことはないが、樹皮の親油・疎水性と、繊維形状が似ているのであれば利用可能であると考えられる。
Q2:良いことずくめに見えるが、コスト面ではどうか?
A2:従来品であるポリプロピレン製品が約$20/kg、杉樹皮製品が約$18/kgである。
Q3:日本の国はこの研究をどう捉えているのか?
A3:国に準ずる公的機関、すなわち海上保安庁の法人である海上災害防止センターが、技術的、財政的にサポートしている研究である。研究成果である杉樹皮製油吸着材の製品は、全国の海上保安部で実際の油流出事故に使用されている。また、国土交通省はこの杉樹皮製油吸着材の性能試験に基づき、法令に定める「型式承認(P-577号)」を行った。
Q4:国から補助金を受けているか?
A4:国ではなく、日本財団からの助成により、研究開発が行われている。
 
写真−V.1.1 本調査研究成果の発表の様子
 
所感
 異分野、異業種の多くの人々が「海洋」という共通点で結集した多様性に富む学会であり、日頃、接点のない研究者・企業と交流する良い機会となった。環境保全、災害対応の視点と異なり、どちらかというと海洋開発系の機関が主流であり、関心の寄せ方も独特のものがある。
 また、専門性の高い身内のみの集まりではなく、参加者の国、機関もそれぞれ異なるので、表現や説明もより一般性の高さが求められた。
 
 次に発表原稿を掲載した。







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