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5. 海上旅客輸送を利用する際の問題点
 海上旅客輸送利用時の問題点(気がかりな点)についてみると、全体の3割弱は、「(12)特にない」と回答している。一方、問題があると回答した人では、「(8)船酔いが心配である」が24.1%で最も多く、次いで、「(5)船の乗り降りが一人では大変である、できない」が20.5%となっている。このほか、「(1)港までの交通手段がない、不便である」も18.6%の回答があり、離島における交通手段の確保や、船との連携が問題となっている。
 
 図5-5-1 海上旅客輸送を利用する際の問題点(複数回答 n=928)
 
 年齢別に海上旅客輸送を利用する際の問題点をみると、64歳以下では「(1)港までの交通手段がない、不便である」や「(11)船の遅れや目的地の情報がわかりにくい」が比較的多くあげられている。一方、65〜74歳や75歳以上の高齢者では、「(5)船の乗り降りが一人では大変である、できない」や「(9)途中で体調が悪くならないか心配である」といった項目への回答が多くなっている。また、「(8)船酔いが心配」は、各年齢層とも、共通して高い割合を示している。
 
図5-5-2
海上旅客輸送を利用する際の問題点(年齢別)
(拡大画面:10KB)
 
 次に、歩行や階段の昇り降り、聴覚、視覚の障害別に、海上旅客輸送を利用する際の問題点をまとめたものが、図5-5-3である。各障害において、「特に差し支えない」人を除き、何らかの障害を有する人の回答を合計したものでは、全般的に、歩行や階段の昇り降りに障害がある人で割合が高くなっており、次いで視覚、聴覚の順となっている。
 また、障害の程度の異なる人を種類別にみると、歩行や階段の昇降については、「車いすを使用している」人や、「一人での歩行は困難(介助者が必要)」といった障害の重い人においては、「(5)船の乗り降りが一人では大変である、できない」「(7)船内は歩きにくい、移動しにくい」といった移動に関する項目と、「(10)乗船中のトイレが心配である」が多くあげられている。
 聴覚については、「ほとんど聞こえない」人では、「(1)港までの交通手段がない、不便である」や「(3)切符が一人で買えるか心配である」、「(11)船の遅れや目的地の情報がわかりにくい」をあげる人が多い。また「聞き取りにくい、よく聞こえないときがある」人では、「(5)乗下船が困難」や「(9)体調への不安感」、「(10)乗船中のトイレ」への回答が多い。
 視覚については、「ほとんどみえない(外出できる・介助者が必要)」人において、「(5)乗下船が困難」や「(2)港のまわりは歩きにくい、移動しにくい」、「(7)船内は移動が困難」といった移動に関する項目が多くあげられている。また、「(6)船内に困ったときに頼れる係員がいない」も、割合が高い。
 
図5-5-3
海上旅客輸送を利用する際の問題点(障害別)
 
【障害の種類別】
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【歩行や階段の昇降】
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【聴覚】
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【視覚】
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