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参考7. 廃棄物処理法の改正(平成15年)
(1)廃棄物処理法の改正
 青森県・岩手県境不法投棄事件のような不適正処理が依然として問題になっており、更なる不適正処理への対応が必要なこと、併せて効率的な廃棄物処理を確保するための制度の合理化が必要であるとして、平成15年12月廃棄物処理法が改正された。
 
(2)不適正処理への対応等のための措置
(1)都道府県等の調査権限の拡充
 廃棄物であることの疑いがある物の処理について、地方公共団体の長は、報告徴収又は立入検査ができることとする。
(2)不法投棄等に係る罰則の強化
a 不法投棄等の未遂罪の創設
 不法投棄又は不法焼却の未遂行為を罰することとする。
b 一般廃棄物の不法投棄に係る罰則の強化
 法人が一般廃棄物の不法投棄に関与した場合に対する罰則を、産業廃棄物に係る罰則と同様、1億円以下の罰金に引き上げることとする。
(3)国の関与の強化
a 緊急時の国の調査権限の創設
 産業廃棄物に関し、緊急時には、環境大臣が報告徴収及び立入検査を行えることとする。
b 国の責務の明確化
 国は、広域的な見地から地方公共団体の事務について調整を行うこととするとともに、都道府県の産業廃棄物に関する事務が円滑に実施されるよう、職員の派遣等の必要な措置を講ずることとする。
(4)悪質な処理業者への対応のさらなる厳格化等
a 特に悪質な業者の許可の取消しの義務化
 特に悪質な業者(欠格要件等に該当することとなった廃棄物処理業者等)について、許可権者は、必ず許可を取り消さなければならないこととする。
b 廃棄物処理業の許可に係る欠格要件の追加
 廃棄物処理業の許可に係る欠格要件として、許可取消処分に係る聴聞通知のあった日から当該処分がなされる日までに廃業の届出をした者(いわゆる「許可の取消し逃れをした者」)で、当該届出のあった日から5年を経過しないこと等を追加することとする。
c 都道府県等による適切な更新手続の確保
 廃棄物処理業の許可の更新の申請がなされた場合において、従前の許可の有効期間の満了の日までに更新申請に対する処分がなされないときは、従前の許可の有効期間の満了後も、当該更新申請に対する処分がなされるまでの間、従前の許可は効力を有することとする。
(5)事業者が一般廃棄物の処理を委託する場合の基準等の創設
 事業者が一般廃棄物の処理を委託する場合の基準を定めるとともに、措置命令の対象者として、基準に違反した委託事業者を加えることとする。
 
(3)効率的な廃棄物処理の確保等のための措置
(1)広域的なリサイクル等の推進のための環境大臣の認定による特例
 広域的なリサイクル等を推進するため、環境大臣が認定した者は、廃棄物処理業の許可を要しないこととする等の特例制度を整備することとする(参考7参照)。
(2)同様の性状を有する廃棄物の処理施設の設置許可の合理化
 同様の性状を有する一般廃棄物を産業廃棄物と同様の方法で処理する産業廃棄物処理施設については、届出により、一般廃棄物処理施設の設置許可を不要とすることとする。
(3)課題に的確に対応した廃棄物処理施設整備計画の策定
 環境大臣は、廃棄物処理施設整備事業の計画的な実施に資するため、5年ごとに、廃棄物処理施設整備事業の実施の目標等を定めた廃棄物処理施設整備計画を作成する。
 
参考8. 宇部港・徳山下松港における廃棄物取扱状況
(1)公共埠頭での廃棄物の取扱
・宇部港、徳山下松港では、公共埠頭での廃棄物を取り扱うことができる。ただし、どのようなものでも取り扱えるわけではなく、港湾管理者が個別に判断し、取り扱えるかどうかを決定している。特に判断基準は設定されていない。
・宇部港では、沖の山埠頭等において、石炭灰(移入)、スラグ(移入)が取り扱われている。
・徳山下松港では、晴海埠頭等において、ペットボトル(移入)、スラグ(移出)が取り扱われている。
・両港は、リサイクルポートに指定されており、今後はさらに多くの廃棄物を、公共埠頭において取り扱うことが計画されている。
 
(2)私設埠頭での廃棄物の取扱
・宇部港、徳山下松港では、リサイクル産業であるセメント工場等が立地しており、以前から多くの廃棄物が取り扱われてきた。
・今後は、さらに多くのリサイクル事業が計画されており、併せて多くの廃棄物を、私設埠頭において取り扱うことが計画されている。
 
表−参8.1 宇部港・徳山下松港背後のリサイクル事業計画
港名 リサイクル企業等 リサイクル事業名
宇部港 UMG ABS(株) ABSリサイクル
(株)宇部スチール 鉄屑リサイクル
(株)イーピーユー 廃プラスチックの化学工業原料化リサイクル
宇部興産(株) 石炭灰等のセメント原燃料化
宇部市 一般廃棄物の溶融スラグ化
徳山下松港 帝人ファイバー(株) ペットボトルリサイクル
山口エコテック(株) 焼却灰のセメント原料化リサイクル
(株)トクヤマ 廃プラスチック等のセメント原料化リサイクル 廃プラスチック発電 等
(株)東ソー 汚泥等のセメント原燃料化
新南陽市 一般廃棄物のごみ固形燃料化
注:一部実施されている。
資料:山口県資料等
 
参考9. 東大阪ブランド推進機構の事例
(1)概要
 東大阪ブランド推進機構は、東大阪市が進める「メードイン東大阪ブランド」CI運動展開事業を積極展開するため、東大阪商工会議所、東大阪市商店会連合会、東大阪市小売市場連合会、(財)東大阪市中小企業振興会、東大阪市工業協会、東大阪ケーブルテレビ(株)、東大阪市の方々が発起人となり、設立された団体である。
 平成15年3月現在、正会員(東大阪ブランド認定製品保有企業)42会員、特別会員7会員により組織されている。
 
(2)活動内容
・東大阪ブランド認定製品のPR活動
・会員企業の資質向上を目的とした研究会運営等
・東大阪ブランド製品の認定、東大阪市が保有する商標(東大阪ブランドシンボルマーク)の使用権設定契約に関する東大阪市への副申
 
(3)東大阪ブランド製品について
 東大阪ブランド製品には、「ナンバーワン製品」(特定の市場で第1位を記録する製品)、「オンリーワン製品」(全国で唯一、自社のみが製造している製品)、「プラスアルファ製品」(従来製品にない付加機能、付加価値を有する商品)の3種類がある。
 認定されるには、すべて客観的なデータが必要な他、最終製品であること、PL保険に加入していること、製品の主要部分、コア部分を自社で製造している、あるいは企画・設計等オリジナルな部分を東大阪市内の自社で行っていることなどの基準がある。
 
(4)シンボルマーク
 シンボルマークは、東大阪の頭文字『H』と『O』、「オンリーワン」「ナンバーワン」「プラスアルファ」の『1』をシンボライズしており、東大阪市の登録商標である。
 このマークは「オンリーワン」「ナンバーワン」「プラスアルファ」の製品として東大阪ブランド推進機構の認定を受けた製品にのみ使用が認められており、その一つ一つが「東大阪」のイメージを具体化した製品でとなっている。
 
図−参9.1 シンボルマーク







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