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平成15年度 船舶設備関係法令及び規則〔資格更新研修用テキスト(弱電用)〕

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・9・3 航行上の条件等
 船舶安全法に基づき、定期検査を受け、これに合格した船舶に対しては、航行上遵守しなければならない航行区域(漁船にあっては従業制限)、最大とう載人員、制限気圧、満載喫水線、その他の条件が定められ、航行上の条件として船舶検査証書に記載される。
(1)航行区域
 船舶の航行し得る区域の限度を示すため、船舶(漁船を除く。)には、航行区域が定められている。
 航行区域は、下記の4種に区分される。
(a)平水区域
・・・湖、川及び港内並びに特定の水域。
(b)沿海区域
・・・北海道、本州、九州、四国及びそれに属する特定の島、朝鮮半島並びに樺太本島(北緯50度以北の区域を除く。)の海岸から20海里以内の水域及び特定の水域。
(c)近海区域
・・・東は東経175度、西は同94度、南は南緯11度、北は北緯63度の線により囲まれた水域。
(d)遠洋区域
・・・すべての水域。
 航行区域は、技術基準に対する船体、機関、設備等の適合状況によるほか、船舶の長さ及び最高速力等を標準として定められる。
 更に、GMDSSに関し、船舶の航行する水域(以下航行水域という。)をA1からA4の4つの水域に分け、それぞれの水域に応じ、とう載すべきGMDSS設備の要件が定められている。
 したがって、GMDSS設備義務船舶には、航行上の条件として前述の航行区域のほか、次のいずれかの航行水域が定められ、その旨船舶検査証書に記載される。
 漁船についても同様、次項の従業制限のほか、次のいずれかの航行水域が定められる。航行水域の区分は次のとおりである。
 なお、航行水域の詳細については、2・2船舶安全施行規則(定義)第1条を参照のこと。
(1)A1水域(日本ではA1水域を定めていない)
(2)A2水域
(3)A3水域
(4)A4水域
(2)従業制限
 漁船は、その業態が各港間の輸送を建前としている一般船と異なり、港を出ると漁場に直行し漁場において漁ろうするという特殊性を有するので、漁船に航行区域という一定の区域制限をすることは漁船本来の性格上不合理であるという観点から、漁船に対しては一般の航行区域に代えて漁業形態に応じた従業制限が指定される。従業制限は総トン数20トン以上の漁船については、第1種、第2種及び第3種の3種に、総トン数20トン未満の漁船については小型第1種及び小型第2種の2種に区別されているが、これは、従業区域と漁業の種類とを併せ考慮したもので、次のとおりである。
第1種
・・・主として沿岸の漁業(例えば一本釣漁業、延縄漁業、流網漁業、旋網漁業等)
第2種
・・・主として遠洋の漁業(例えば鮪及び鰹竿釣漁業、鮪、旗魚及び鮫浮延縄漁業、真鱈延縄漁業、鮭・鱈及び蟹漁業等)
第3種
・・・特殊の漁業(例えば、母船式漁業、トロール漁業、捕鯨業、漁獲物の運搬業務、漁業に関する試験・調査・指導・練習及び取締りの業務)
小型第1種
・・・定置漁業、旋網漁業、曳網漁業等を主体として本邦の海岸から100海里以内の海域において行う漁業
小型第2種
・・・鮭・鱒流網漁業、鮪延縄漁業、鰹竿釣漁業等を主として本邦の海岸から100海里を超える海域において行う漁業
注:上記については、若干の例外があるので、詳細については、漁船特殊規則第6条及び第7条を参照のこと。
(3)最大とう載人員
 船舶にとう載を許される人員を最大とう載人員といい、船舶の航行区域、居住設備、救命設備等に応じ、旅客、船員及びその他の乗船者(旅客でも船員でもない者をいう。)別に定員を定めている。
(4)制限気圧
 ボイラーを備える船舶については、ボイラーの現状に応じ、その使用圧力の最大限度、すなわち、制限気圧を定めることになっている。なお、制限気圧に適応するよう安全弁を調節し、逃気試験を行った上、安全弁を封鎖している。
(5)満載喫水線
 船舶安全法第3条により満載喫水線の標示をすることを要する船舶は満載喫水線規則又は船舶区画規程の定めるところにより標示することになっている。
(6)その他の航行上の条件等
 その他船舶の航行上特に必要と認められる条件は、個々の船舶毎に定められる。
 
2・9・4 船級協会の検査
 船舶安全法では、日本に国籍を有する船舶は、国(管海官庁)又は日本小型船舶検査機構の検査を受けなければならないが、日本海事協会(以下「NK」という。)の検査を受け、その船級を有している間は管海官庁の検査を受け、これに合格したものと見做されている。(法第8条)
 この内容は平成10年3月25日の運輸省令第10号に基づく改正により、NKの検査範囲が拡大され、救命設備、居住設備、衛生設備及び航海用具(無線電信又は無線電話を除く。)はすべてその対象となった。
 また、NKにおいては、新たに「安全設備規則及び同検査要領:H10.7.1付け」を定め、以下の航海用具等の設備については、国土交通省「船舶検査の方法・附属書H」の規定に基づき管海官庁が承認したGMDSS設備サービス・ステーション等が行った場合は、NKの検査員の立会を省略する旨の規定がなされている。
 
【航海用具】
(1)ナブテックス受信機
(2)高機能グループ呼出受信機
(3)VHFデジタル選択呼出装置
(4)VHFデジタル選択呼出聴守装置
(5)デジタル選択呼出装置
(6)デジタル選択呼出聴守装置
(7)航海用レーダー
(8)自動衝突予防援助装置
 
【救命設備】
(9)浮揚型極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置及び非浮揚型極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置
(10)レーダー・トランスポンダー
(11)持運び式双方向無線電話装置及び固定式双方向無線電話装置
 
2・9・5 型式承認と検定
 型式承認対象物件のプロトタイプに対して詳細な試験(型式承認試験)を行い、その設計、性能、工作精度等が十分であることが確認され型式承認された場合には、以後製造される同一型式の物件の検査は、簡易化された検査(検定)のみとなる。(法第6条の4)
 船舶用品の製造者は、必要な書類を付した型式承認の申請書を管海官庁経由で国土交通大臣に提出すれば国土交通大臣は、型式承認試験を実施して、適当と認めたものに対しては、型式承認書を申請者に交付し、かつ、これを告示する。こうして型式承認を受けた者は、承認を受けた船舶用品と同一品質のものを製造するのであるが、この場合には、その個々の船舶用品について、管海官庁、日本小型船舶検査機構又は指定検定機関(日本舶用品検定協会)の検定を受ける必要がある。この場合、その船舶用品が承認した型式に適合すると認める場合は、現品に証印を付し、かつ、検定に合格した物件については申請により検定合格証明書が交付される。GMDSS設備、航海用レーダーは型式承認対象物件となっており、原則的には型式承認と検定を受けたものが船舶に装備される。
 
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