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5・1・3 構成と性能
(1)構成
 GPS受信機の構成は機能的にはGPS信号を受信するアンテナ部、受信した信号を処理し緯度経度を計算する演算部、データを表示する表示部、制御及びデータ出力をするインタフェース部が考えられるが、実際にはアンテナ部と、それ以外の部分を1ユニットにした指示部(含受信演算部)の2ユニットで構成されているものが多い。ディファレンシャルGPSの場合は、DGPSビーコン受信部がGPS受信機本体に内蔵されているものと、外付きのDGPSビーコン受信機をGPS受信機本体に外部接続するものがある。
 図5・4にGPS受信機のシステム構成の一例を示す。
 
図5・4 GPS受信機のシステム構成例
*1: ビーコンセット付きの場合(内蔵)
*2: ビーコン受信基板を内蔵していない場合(外付け)
 
(2)性能
 以下にGPS受信機の仕様一例を示す。
(A)GPS受信部
(a)受信チャンネル:12チャンネル(注)、12衛星追尾
(注:周波数は1つだが、12個の衛星電波を同時に受信する能力を持っている。)
(b)受信周波数:1575.42MHz
(c)受信コード:C/Aコード
(d)追尾方式:パラレル
(e)測位方式:オールインビュー、8ステートカルマンフィルター
(f)測位精度:約10m(確率95%時間、HDOP≦4)
注)測位精度は、米国DODのシステム運用計画により劣化する可能性がある。
DGPSの測位精度:約5m以下(確率95%時間)[オプション]
(g)追尾速度:900kts
(h)捕捉時間:ウォームスタート12秒、コールドスタート90秒
(i)測位更新周期:1秒
 
(B)表示部
(a)LCD: 122×92mm(320×240ドットマトリクス)
(b)表示モード:プロッタ画面1、プロッタ画面2、ハイウェイ画面、航法画面、データ画面
(c)航跡画面:
メルカトール図法
航跡・マーク合わせて記憶点数2000点、灯台・ブイ表示(オプション)
(d)目的地登録:999点、コメント付き(12桁)
(e)ルート登録:
30ルート(30目的地/ルート)、
簡易ルート(1ルート/30目的地)
(f)警報機能:到着、離脱、コースずれ、船速、航程、水温、水深
 
(C)データ入出力部
(a)入出力ポート数:入出力ポート4個
(b)データフォーマット:IEC61162-1/NMEA0183(Ver.1.5)/NMEA0183(Ver.2-0)
(c)入力データ:
DBT、DPT、MTW、TLL
DGPS; RTCM SC104 Ver.2.1(注)
(注:外部ディファレンシャル受信機(使用する場合)からの補正値データ入力用)
(d)出力データ:NMEA 0183; AAM、APA、APB、BOD、BWC、BWR、BWW、GGA、GLL、RMB、RMC、VTG、WCV、WNC、WNR、WPL、XTE、ZDA、ZLZ、ZTG、Rnn、RTE、DTM(IEC61162選択時のみ)
 
(D)電源および環境条件
(a)電源電圧:DC10.2〜31.2V、10W以下
(b)動作温度範囲:
空中線部 -25℃〜+70℃
受信演算部 -15℃〜+55℃
ビーコンアンテナ -40℃〜+70℃
(c)相対湿度:95%(40℃において)
(d)防水性:
空中線部IEC60529 IPX6
受信演算部IEC60529 IPX5(USCG CFR-46)
(e)耐振性:
1〜12.5Hz 3.2mmpp
12.5〜25Hz 0.8mmpp
25〜50Hz 0.2mmpp
 
5・1・4 機器外観及び表示例
(1)機器外観一例
 
図5・5 GPS受信機の外観一例
 
(2)表示例
 
図5・6 GPS受信機の表示例
 
 新造船に対する搭載要件は、第2章 図2・1 衛星航法装置等のとおりである。
 ただし、2002年7月1日より前に建造された船舶及び建造に着手された船舶に対する搭載要件は、次のとおりである。
 2002年7月1日以降の最初の検査の日までに設置すること。(すでに設置されているGPSについては、検査時に動作確認を行う。測地系はWGS-84であること、またAISの搭載が義務である船の場合はGPSの信号がAISに正常に入力されていること等も併せて確認する。)







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