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(2)御願(ウグヮン)
 
龍神碑(リュウグウ)への御願
写真提供:坂井和夫氏
 
 ハーレー当日の朝七時頃に東長嶺家に集合し、拝所にハーレー開催の報告と御願(うぐゎん)を行います。その後、鐘打ちを先頭に漁協組合長、区長、船の漕ぎ手、漁協の役員・組合員が列をなして、東長嶺家、南ヌ御嶽(ヘーヌウタキ)、龍神碑、唐ヌ船(トーヌフニ)御嶽、北ヌ御嶽(ニシヌウタキ)、西長嶺家を廻ります。それぞれの拝所では、「ハーレーが盛大に、無事故で終えることができますように」と祈るとともに、大漁祈願、海上安全、港川区民の繁栄等を祈願します。昭和30年頃まで、集落の南側(ヘーンバラ)と北側(ニシンバラ)に分かれてそれぞれで御願を行なっていましたが、現在は漁協組合長、区長、ウミンチュ(漁師)を中心にムラの有志が参集して御願を行なっています。
 
(3)全島奉納角力大会
 ハーレーの後、港川青年会主催の全島奉納角力大会が行なわれます。角力はシマ、あるいはシマズモウと呼ばれ、本土の大相撲とはルールが異なる沖縄独自の競技です。
 全島奉納角力大会は、戦前から戦後しばらくまでは、長毛の青年会が主催していました。当時を知る人によれば、昔の角力大会は大変盛んであり、波之上、糸満、長毛が、沖縄の三大角力大会であったといいます。例えば、戦後間もない混乱の時期にも長毛青年会は角力大会を行ない、当時知念村にあった民政府の幹部を来賓に招いて角力大会を開いたこともあったといいます。1952(昭和27)年頃から長毛青年会から港川青年会に主催者が変わり、現在に至っています。
 
2003(平成15)年の全島奉納角力大会
写真提供:上原文一氏







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