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(3)唐ヌ船御嶽(とーぬふにうたき)
 
 
 トーヌフニ御嶽は、港川・長毛地域に漂着(ひょうちゃく)した中国人が航海の守護神(しゅごしん)である媽祖(まそ)を祀ったのが起源だといわれています(『具志頭村史第1巻』)。媽祖は、特に中国東南部や台湾で最も信仰を集めている神の一つであり、沖縄では、那覇市の天妃(てんぴ)小学校(天妃は媽祖の別称)と現在の西消防署、東町郵便局付近に、それぞれ上天妃宮と下天妃宮がありました。現在は、天妃小学校の東南角に石門が残されており、また、下天妃宮の神像は、現在、波之上宮に祀られています。
 
(4)海難事故遭難者慰霊之碑(かいなんじこそうなんしゃいれいのひ)
 
 
 旧暦11月10日に、海での遭難者慰霊祭を行なっています。区長を中心にして海難事故で亡くなった人の家族が参加します。龍神碑、南ヌ御嶽(ヘーぬうたき)、海上遭難者慰霊之碑の順番で拝みます。海上遭難者慰霊之碑では、お菓子とみかんをお供えして遭難者を慰霊します。昔はミカンをたくさん持ってゆき、ピクニックのような感じでした。
 戦前のサバニの動力は手漕ぎ、戦後しばらくはアメリカ製のガソリンエンジン、本土復帰前後からはディーゼルエンジンと漁船は変化してきました。ディーゼルエンジンになってから船はかなり安定し遭難が少なくなりましたが、それ以前は遭難事故が多く発生していました。







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