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2. 漁法
 
(1)パヤオ(浮魚礁)
 沖縄県では1982年からパヤオを設置しはじめ、パヤオ漁が盛んになりました。パヤオ利用によって、漁場探索の時間、労力が軽減され、回遊魚を効率よく獲ることができるようになりました。
 港川では1984年に独自にパヤオ(浮魚礁)が設置され、水揚げの増加が効果的な形で現れました。港川のパヤオ漁では石巻落し漁法が盛んで、実績を上げています。またパヤオ振興会が組織されており、水揚げの1%負担により運営しています。現在港川漁協が設置したパヤオは8基あります。
 
(写真提供:坂井和夫氏)
 
『平成6年度調査旅行(漁業調査)報告書』
東京水産大学海洋生産学科より
 
パヤオ図解
 
 パヤオとは沖合いに魚を寄せつけるために人工的に設置した漁具で、浮魚礁とも言います。海に落とされたロープに付着した海藻類を食べに小魚が集まり、その小魚を食べに中型魚がやってきて、その中型魚を食べる大型魚が集まり、パヤオの周辺には魚が回遊する漁場ができます。
 
金城武光、上地昭弘
1991年「パヤオ漁場調査」『平成元年度 沖縄県水産試験場事業報告書』沖縄県水産試験場より
 
石巻漁法の図
 
 パヤオ漁には曳縄、流し釣、タル流し、石巻落としなどの漁法がありますが、港川では石巻落としが主な漁法です。
 まず針にかけた餌を石に巻き付けて、海底に落とします。海底に着いたら手元を強く引っ張って石をはずします。石で餌を落下させるので、途中で目的以外の魚に餌を食べられません。







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