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(3)進貢貿易とフカ漁
 近世の糸満漁民による沖合漁は、フカヒレを目的としたフカ釣りとイカ釣りが中心だったといわれています。このことは、首里王府と中国との間の進貢貿易が深く関係していたと考えられます。琉球から中国に輸出されたフカヒレは特に19世紀後半に急増し、1861年には1万7400斤、1862年には2万6000斤に達しています。これは、長崎貿易の約2〜3倍の量が琉球から中国福州に送られたことになります(真栄平房昭2000)。糸満と中国貿易を結びつける直接的な資料は現在のところほとんど見つかっていませんが、近世期の糸満漁民の漁業の背景には進貢貿易があったと思われます。フカ漁は最近まで行なわれていました。
 
フカヒレの加工作業の様子(写真提供:長嶺豊氏)







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