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グリーンカレッジ
 私たちはその後、グリーンカレッジヘ案内された。このカレッジは40あるオックスフォード大学のカレッジの中でもいちばん新しいもので、おもに医学、農学を専攻する学生が所属している。構内には、かつての馬小屋を改造した建物がオスラーハウスと名づけられた学生クラブになっており、私たちはここでグリーン学長の歓迎を受け、その後昼食の接待をいただいた。このカレッジは以前、天文学部があったところで、庭の一角にはマグニフィカート・ラドクリフ天体観測所の塔がそびえている。現在は使われていないということであるが、周囲に12星座を配した塔には螺旋階段を伝って3階の最上階まで登ることができる。ここからオックスフォード市街の眺めを楽しんだ。
 また、グリーンカレッジには、文字通りの美しいイングリッシュガーデンが広がっている。旅行スケジュールの最後の日を、気持ちのよい青空のもと、寝転んだり、花の香りを楽しんだりしてくつろいだひとときをもつことができた。
おわりに
 5月から6月にかけて13日にも及ぶ長期間、日本を留守にするスケジュールを無事に終え、予定通り6月3日午後、成田に帰着した。
 今回の研修旅行の成果の一端は、すでに現地からファックスで送った朝日新聞の記事(「be」面、6月21日、28日)に報告したが、エジンバラ市での日・米・英のジョイントオスラー協会総会に参加し、しかも4名の日本人会員が発表するまでにいたったことは私の大きな喜びであった。オスラー博士のわが国へ与えた影響は数限りなくあると思われるが、それをこのような機会に米・英など諸外国に知らしめることも私たち日本人会員の大きな役割のひとつではないかと考える。今回は、都合により弘前大学の松木知明会員の参加がならなかったが、松木先生の貴重なオスラーコレクションについてはぜひ詳しく紹介していただきたいと思うし、また、日本でも多方面からのオスラー研究が盛んになされることを期待したい。
 
オスラーのポートレイトとオープンアームズの展示から







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