日本財団 図書館


3 Scope
 
 ISO 10303のこのパートは、プロセスプラント、プラントシステム、シップシステムの構成情報交換の適用範囲、情報要件に必要な統合リソースの使用を規定する。構成情報は、システム構成部品の形状と配置を対象とする。構成情報は主にエンジニアリング、加工、据付けのライフサイクルに渡りサポートするものであるが、その下流段階の運用および保守といったライフサイクルでも有用であろう。このパートはプラント設計、システム設計、加工、検査、設置、導入の規約に対応する。
注1 Annex.Fのアプリケーション活動モデルはプロセスのグラフィカルな表現やISO10303の定義の基礎となる情報の流れを提供している。
注2 図2はプロセスプラントの基本ライフサイクルを表している。'AP 227 ed2'とラベルのついた長方形で囲まれている範囲がAP227で有効なプラントライフサイクルである。
 
Figure 2 - Process plant life cycle activity coverage
 
 次に挙げるものはISO10303のこの分野の適用範囲である。
−プロセスプラント、シップシステム部品の形状と配置
−システム及び構成部品の3D形状の表現
−系統構成部品および機器の3D形状の表現。表面、概略や詳細な表現、同時に外形のパラメトリックな表現も含む。
−HVAC、配管系統の機能的構成と物理的なシステム設計と機能的構成との関係
−設計、解析、配管部品製作と検査、配管系統のための情報要件
−製作した配管の検査情報
注3 機能構成は、接続性、順序性、構成部品サイズ、スケジュールを必要とし、機器タグ番号、機能的、物理的設計表現間の一貫性チェックを行うための要求事項などといったその他の情報も含まれている。
−系統の構成や空間的レイアウトに必要な基礎設計データ
−流れデータや運用特性といった、プラントシステムの機能要件参照
−系統設計で要求される要素部品と接続される機器の機能的特性の参照あるいは指定。
−プラントの確保された領域、体積、空間を占有する要素の方向、位置、形状、識別、
−系統、機器の機能特性、性能特性を規定する場合の系統、要素部品、接続される機器の仕様、規格、ガイドライン、規則への参照
 
例1 材質と溶接の要求事項を含む物理的特性
例2 ISO 10303-221 [3]、ISO 13584 [13]を含む規格を参照
 
−構成部品に関連したカタログ情報の識別
−構成部品定義を含むカタログ識別
−構成部品と接続される機器およびそれらの空間配置状態
 
注4 状態のラベルはプロジェクトの実行を制御、監視するためのプロジェクト管理に使われる。「preliminary」「in-work」「released for fabrication」といったラベルはラベルが適用されている設計やレイアウトの次の行動の適切性や完成度合いを決定するために使われる。
 
−電線、HVAC、配管の要素部品、機器のための接続や接続のための要求事項
−要素部品の入手をサポートするために十分詳細な要素部品定義
−系統情報の異なるバージョン間での変更要求承認、通知、確認、追跡およびplant itemの変更と属性の追跡
 
注5 ISO10303のこの分野では、特定の変更情報のみが記述され適用範囲に入っている。変更プロセスそのものは適用範囲外である。
 
−要求されるプロセスに対する要素部品の適合性を評価するために十分詳細な配管、HVAC系統が運ぶ流体の化学的組成の仕様
−データ交換
−規格システムへの外部参照
−標準部品への外部参照
−標準部品表現への外部参照
 
 次に挙げるものはISO10303本パートの適用範囲外である
−図式表現
例3 P&IDやプロセスフローダイヤグラム(PFDs)を含む図式表現
仕様、標準、ガイドライン、規則の中身
配管仕様の準備
輸送(logistics)と材料(material)管理
プロセスフロー設計のための十分詳細な配管系統が運ぶ流体の科学的組成の仕様
プロセス設計と概念設計
例4 プロセス設計にはプロセスの流体とヒートバランス、プロセスフロー図の設計、機器のサイズ決定といった活動などを含む。
−プラントの試験、発注、引渡し、メンテナンス、廃棄
−プラント運営手順
−購買や契約といった商業的な部分
例5 商業的側面とは、価格、期間、条件、支払いスケジュールなどを含む
−変更や承認の指示以外での、製品やプロジェクトのライフサイクルにわたって変化し増加するデータを管理するために必要な情報
−履歴データ
−機器内部の設計やメンテナンス
 
 平成13年度報告書参照のこと







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION