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4. 国際観光開発促進協力調査(べトナム)を実施
<調査団名>国際観光開発協力促進調査
<対象国>ベトナム北部地域
<調査分野>観光
<調査期間(日数)>平成15年9月15日〜10月4日(20日間)
<調査の概要>
(現況)ベトナムヘの外客数が200万人(2000年)を超えた現状において、北部地域への入り込みは有望な観光資源があるにもかかわらず、ホーチミンシテイを中心にした南部地域に片寄っている。
(1)南部地域
 南部はホーチミン市を中心に観光産業は著しい発展を見せている。
(2)中部地域
 中部にはフエの王宮、ホイアン町並保存地区、チャム文化遺産のミーソン遺跡の世界遺産が三カ所あり、良好なビーチなどの自然を有しながらインフラや観光施設の遅れから資源を活かし切れていない。この状況下、ベトナム政府の要請により平成12年度に国際協力事業団(JICA)による中部地域観光総合開発計画調査がなされた。
(3)北部地域
 北部地域には28の省があり、各省が特有の観光資源を有している。代表的な観光地としてハノイ、ハロン湾は一般に良く知られているが、他の観光資源について知られていない。中国とラオスとの国境に接する広域な山岳地帯には、古来より異なった少数民族が居住しており、多様な生活文化を保持している。徐々に観光客が北部地域の少数民族集落を訪れる機会が増えており、海岸部にはハロン湾などの海の景勝地もあり中国からの観光客をはじめ、多くの観光客が訪れており、どちらも環境保全などで懸念がある。
(調査の目的)
(1)自然環境の保全、キャリングキャパシテイーへの配慮、少数民族の参加型観光開発による地域経済の活性化などを主たる視点として、ゲートウエイになるハノイ等の役割も含めて北部地域に特化した開発調査の前段として、当地域に対する開発協力促進調査を行う。
(2)ベトナム国家観光総局(VNAT)が要望した地域の観光資源地を訪れ、観光関連インフラ・施設などのクオリテイ、環境保全状況などについてファクトファインデイングを行う。少数民族居住地のサパ、カットバ国立公園、クックフーン国立公園他
(3)平成12年度に国際協力事業団(JICA)が実施した中部地域観光開発計画調査について、策定された計画の官による実施状況を把握する。
(訪問機関)
 日本大使館、JICAベトナム事務所、ベトナム国家観光総局(VNAT)、ハノイ市観光部、ベトナムツーリズム社、バクニン省観光部、ハイズン省商工観光部、ハイフォン市観光部、カンニン省観光部、カンニン省港湾局、ラオカイ省観光商工部、ハタイ省観光部、フンイエン省観光商工部、ニンビン商工観光部、カイラン港五洋建設事務所
(今後の協力の方向)
(1)北部地域は広大(28省)であることから、ハノイ(首都圏)を中心(ハブ)とし、ハロン湾・カットバ島及びラオカイ(サパ)をサブとする観光クラスターを優先開発地域とすることが考えられる。
(2)協力に当たっては、観光開発及び振興計画の策定のみならず計画実施の組織・制度・方法及び官民の人材養成のための支援協力が必要と思える。
(3)平成12年度に実施された中部地域観光総合開発計画調査について、適切なフォローアップが必要と考える。
(4)北部地域の案件促進及び中部のフォローアップのため専門家の派遣が望まれる。
 
ラオカイ省サパ。赤ザオ族の子供達。
 
5. 要人招へい
 標記事業に対し、以下の要人を我が国に招へいしました。本邦滞在中、被招へい者は国土交通省をはじめとする関係機関を訪問し、運輸関連プロジェクトを中心に国際協力全般にわたって、意見・情報交換を行うとともに、各専門分野に関わる関連施設の視察を行いました。
 
国名 分野 氏名 所属機関・役職 期間(日数)
タイ 鉄道 Mr.Chitsanti Dhanasobhon タイ国鉄総裁 15.8.7〜8.12(6)
インドネシア 鉄道 Mr.Ir. Suharuto 運輸省陸運総局鉄道局電気信号通信部次長 15.9.15〜9.21(7)
 
6. 研修事業
 開発途上国の技術者を招へいし研修を行う事業に、以下の参加者があり、期間中それぞれの専門分野に関わる講義を受けると共に関連施設の見学を行いました。
 
国名 分野 氏名 所属機関・役職 期間(日数)
インドネシア 海上保安 Mr.Piter Andreas 海運総局航海局設標船船長 15.8.18〜15.9.5(19)
Cap.Surono.MM 海運総局航海局設標船船長
ベトナム 港湾 Mr.Bui An Loc ベトナム南部運輸技術設計公社港湾海岸技術コンサルタント河川・海岸技術課課長代理 15.9.16〜9.25(10)
スリランカ 港湾 Mr.G.G.W.Pnaditha スリランカ港湾庁契約・設計部土木技師 15.9.16〜9.25(10)
インドネシア 観光 Mr.Ricardo Simatupang インドネシア国立観光大学学生 15.9.10〜16.2.10(154)
Mr.Made Kresna Pitara Prana
Ms.Zevina Septriani
Ms.Anditha Fitri Rahayu
エジプト 鉄道 Eng.Ahmed Singer カイロ地下鉄公団1号線担当部長 15.11.10〜15.11.17(8)
 
7. 海外調査ニュース
 当協会が、7月から11月にかけて実施した調査は、次のとおりです。
 
●国土交通省受託事業
事業名 調査対象国 主な調査分野 期間(日数)
地球環境問題解決のためのクリーン開発
メカニズム(CDM)推進支援事業
タイ 都市交通 15.9.7〜9.28(22)
国際観光開発促進協力調査 ベトナム 観光 15.9.15〜104(20)
国際観光開発促進協力調査 スリランカ 観光 15.10.13〜11.3(21)
航空分野安全性向上支援事業 タイ 航空 15.11.9〜11.16(8)
ラオス 航空 15.11.23〜11.30(8)
 
●海外情報収集事業
チーム団 調査対象国 主な調査分野 期間(日数)
アジア・大洋州A班 インドネシア 港湾 15.7.6〜7.17(12)
アジア・大洋州B班 インド 鉄道 15.8.17〜8.29(13)
アジア・大洋州C班 タジキスタン 鉄道 15.9.23〜10.4(12)
中近東・アフリカA班 アンゴラ 港湾 15.8.31〜9.13(14)
欧州A班 ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア 港湾・鉄道 15.8.5〜8.15(11)
 
途上国版 “例の店”(3)「祇園」
 
(東チモール ディリ)
 東チモール国は、2002年5月20日にインドネシアから独立しました。面積は約14,600km2(四国ほどの広さ)、国の総人口は約74万人(2001年現在)で、首都であるディリは約13万人です。日本から東チモールへの行き方はインドネシア国バリ島を経由し、バリ島からは直行便が毎日1便(B737)出ています。東チモール国は、サバナ気候に属しており、11月から4月まで雨季であり、年間を通して気温が高くなっています。また、ポルトガル領であったため、現在でも、ポルトガルとの結びつきが強い国です。
 現在、東チモール国は、国連を始め各国の支援を受けており、日本の自衛隊、各国の大使館、NPO関係者など多くの方々が駐在又は滞在しています。またアジア各国から、東チモール国を新たな市場と見なし、出稼ぎに来る者も散見されます。最近では、2002年12月にディリにて暴動が起き、治安が一時悪化しましたが、現在のところほぼ正常な状態に戻っています。
 カトリック教徒が大勢を占めるこの国では、外国人をターゲットにし、シンガポール、中国、台湾、タイ、インドネシア、チモール料理など様々な飲食店が街に点在しています。東チモール国で、唯一の本格派日本食レストランである「祇園」は2002年11月にオープンして以来、日本人に限らず、各国の人々からも好評を得ています。熟練した料理人により、日本から取り寄せた食材をふんだんに使用しながら、現地で取れる新鮮な食材を取り混ぜており、例えば、刺身・寿司・てんぷら・鍋物等の代表的な日本料理から、ラーメンやお好み焼きまで多種多様なメニューがあります。特にディリ近海で水揚げされる新鮮なマグロの刺身は、日本とは一味違ったものがあります。チモール人によるサービスも良く、年末には、チモールに滞在している邦人が集まり、忘年会も行われました。最大70名程度のパーティーも可能とのことで、ディリでは欠かせない店となっています。
 
電話:+670-390-322-038
住所:Orchard Apartment & Office Rua Belamino Lobo 2-E Ailelehun, Dili, East Timor
営業時間
・月〜土曜日 昼12:00〜14:00 夜17:00〜22:00
・日曜日 12:00〜22:00







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