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2003年度 国際協力事業団集団研修 都市交通コロキウムII 国別報告書(翻訳)

 事業名 基盤整備
 団体名 海外運輸協力協会 注目度注目度5


1. バングラデシュ
バングラデシュ道路運輸法人(BRTC)
Mr. Mohammed Nayeb ALI
 
集団研修
都市公共交通コロキウムII
 
開催期間:2003年5月19日〜7月12日
開催地:東京
 
作成:Md. Nayeb Ali
バングラデシュ道路運輸法人(BRTC)
21 Rajuk通り、ダッカ、バングラデシュ
 
1. 背景
1.1 バングラデシュは、南アジア北東部にある1971年に独立した主権国で、北緯20度34分から26度38分にわたり、東経88度01分から92度41分の間に位置する。バングラデシュは、人口1億2350万(男:6300万、女:6050万)、約147,570km2の面積を有する国家で、世界で最大級の2つの河川(ガンジス川とブラマプトラ川)によって形成されるデルタ地域にある。ガンジス川とブラマプトラ川は、バングラデシュ国内のヒマラヤ山脈に始まり、ベンガル湾に注ぎ込む1000マイルの旅を終える。これらの河川は、川辺の美しさとコックスバザールの広大な岸辺でよく知られ、世界最長の河川の1つで、川はゆっくりと流れ、牛が広大な平野で牧草を食べ、船頭が「Vatiali」の民謡を口ずさみ船をこぐ。威風堂々のベンガルトラがShunderhansで吠え、まだら模様の鹿が無心に歩きまわり、丘陵の森を象が行列して通る。
 
1.2 ほとんどの発展途上国と同様、バングラデシュの経済は農業に基盤を置く。母なる自然は、この地域に非常に肥沃な土地を与えてくれたが、時には、怒りの形相をむき出しにして洪水やサイクロンでこの国土を破壊する。この国の経済は、あるときは雨季のタイミングが良く洪水も起こらず、あるときは雨季のタイミングが悪く洪水が起こるといった、とても不安定なバランスの上に成り立っている。バングラデシュは、世界で最も高密度(人口密度:1km2当たり834人)の人口を有する国であり、工業ベースの経済は、始まったばかりで、また軌道に乗るまでにはほど遠い。大多数の人々(約78%)は、まだ地方に住んでいるが、ほとんどの発展途上国と同様に大きな都市も存在する。ダッカ市の人口は、約1000万である。バングラデシュの都市の1つであるチッタゴン市の人口は320万で、ラジシャヒ市は70万、クルナ市は120万である。過剰人口の影響と人々のより良い生活への変わらぬ欲求が、何百万という人々を都市へ引きつけている。現在、都市人口と農村人口は、それぞれ3000万と1億である。年平均降雨量は1194ミリから3454ミリである。識字能力は36%で、1人当たりの国内総生産(GDP)は370米国ドルである。
 
(注)1マイル=約1.61km
 
2. バングラデシュの輸送業界
 バングラデシュは人口が非常に多く、多数の都市や準都市などに、農村から人々が集中し、国中を多くの人や物が移動することで、年率約8%の増加を続けている。物の輸送に関しては、この膨大な人口に必要な物やサービスを、国の隅から隅まで行き渡らせる必要があり、農村からの農産物の出荷と農村への物の移動が、貨物輸送の大きな要因の1つとなっている。その上、従来から必要としている輸出と輸入を達成するためには、約20億ドルの衣類産業の取り扱いが必要となる。つまり、輸送部門は、国のGDPに対し11%以上貢献する唯一最大のサービス部門であり、全人口の約4%、都市労働力の11%を雇用している。このことを背景として、バングラデシュにおける輸送システムとその管理について、ここで手短かに論じることにする。
 
3. 各種輸送インフラとその貢献度
 輸送産業は、道路、鉄道、内陸水路輸送、航空輸送など、すべてがバングラデシュにとって非常に重要な複合的部門である。これらインフラの状況、管理方法、輸送システムおよび国の経済への貢献度について説明する。
 
3.1 バングラデシュの鉄道
 
3.1.1 鉄道インフラの大部分は、当時の英領インドの鉄道システムとして19世紀に建設されたものである。広軌が901km、メートルゲージの軌道が1,832.42kmである。過去、鉄道インフラは、重要な役割を担った輸送のサブセクターであったが、道路網のキロ数が増えるごとに、モーダルシフトが起こっている。これまでの約30年間に、新たな軌道が追加されることはなく、過去10年間、鉄道は停滞し、毎年大きな損失を計上してきた。鉄道では提供できない戸口直送サービスが、固定された2地点サービスに優先しつつある。1960年代までは、旅客と貨物の約70%を輸送していた主要な輸送モードであった鉄道が、今ではその輸送部門のシェアは、それぞれ旅客が約12%、貨物が約28%である。
 
3.2 水上輸送
 
3.2.1 この輸送モードはここ数年にわたり大きく変化している。機械力で推進する船舶が出現する前は、河川のルートによる旅客輸送と貨物輸送の責任を負ったのは、カントリーボートとその船頭たちであった。その後、堂々たる蒸気船が到来して帆船やその船頭たちを背後へと押しやった。進化の過程で、発動機艇が旅客と貨物を運んでいた小船にとって代わり、蒸気船の衰退を招いた。大変興味深いことに、生き残りをかけた船頭たちの創意工夫や改革は消えることがなかった。在来の小さな帆船は、動力付きの船と入れ替わった。今日では、カントリーボートのほとんどが多目的のディーゼルエンジン付きである。これは水上輸送部門における静かな革命を告げるものであった。
 
3.2.2 バングラデシュにおける行路の距離は河床の状態のために減少し続けている。行路の距離は乾季と雨季とで大きく変化する。雨季では約16,000kmで、乾季では5000kmである。この年間を通じて使用できる5000kmの水路を、公的部門と民間部門の約2500の機械力推進の船と、旅客と貨物を輸送するための無数の個人所有のエンジン付カントリーボートが運航している。現在、そのモーダルシェアは、貨物および旅客ともにそれぞれ約30%である。チッタゴンはバングラデシュの主要な港であり、モングラは第2の港とみなされている。
 
3.3 主要な空港
 
3.3.1 バングラデシュの航空輸送システムは規模が非常に小さいため、今日まであまり発展していない。民間航空輸送システムの全般的な管理は、民間航空観光省が行なっている。航空輸送に対応している法的機関は2つある。それは、バングラデシュ民間航空局(CAAB)とビーマンバングラデシュ航空(BB)である。CAABは、国際法および規則に基づく航空輸送に関する規制機能、国の空港の建設・管理・保守に関する業務を行なっている。ビーマンは国を代表する航空会社で、公的企業として、国内の6つの目的地への輸送を行なっている。ビーマンの国内旅行ニーズへの影響力は極めてわずかであるが、国際線については急速に拡大しつつあり、現在、29の国際線の運航を行なっている。ビーマンは、国際航空旅行市場分野の厳しい競争を十分に乗り切っている。この航空会社は、国際線網をしだいに拡大しつつあり、常にサービスの質を改善している。ジア国際空港はバングラデシュの主要空港である。この他に、国際空港は2つあり、チッタゴン空港とシレット空港である。
 
3.4 道路輸送
 
3.4.1 丘陵地帯を除き、およそ全国土が海抜数メートルの高さにある。平野の勾配は、北から南に、キロメートル当たり僅か1mである。国土を横切るように走る無数の河川と、年間の大部分が激しい雨季であるために、洪水の発生とは無関係に、国土の約80%が水中に沈んでいる。バングラデシュの道路建設は、最も費用のかかる投機的事業の1つである。ほとんどすべて道路が最大洪水レベルより高くなるように建設されている。現在、22フィート(約6.7m)である。
 
 その上、各道路も多数の橋を建設する必要である。たとえば、ダッカ・チッタゴン高速道路の例があげられる。この高速道路の1区間60kmの間に、長さ1〜3kmの大きな橋が3つある。壮大なガンジス川に架かる非常に重要な「ジャムナ橋」の建設はすでに完成している。この橋の完成は輸送システムに革命的な影響を与え、さらにこの国の全般的な社会経済的、経済的解放に影響を及ぼした。
 
3.4.2 道路網は、国道、地方道、支線道路、地方の道路で構成されている。国道と地方道は主要な道路と考えられているが、支線道路は補助的な道路とみなされている。支線道路は、ターナ行政地区などの重要な発展途上にある地方同士を連結している。通信省管轄の道路局(RHD)は、国道と地方道の建設・保守を担当している。地方自治開発省(LGRD)管轄の地方自治省土木事業局(LGED)は、地方の支線道路の建設・保守を担当している。
 
3.4.3 道路輸送には、しばしば、河川を渡るための輸送モードとしてフェリーが多用されている。このため、道路輸送は小型バスまたは中型バス、および5〜7トンの積載能力をもつ頑丈なフレームの2軸台車に限定されている。また、これにより旅行時間が長くなり、車両の稼働率が低下している。ただし、この状況は、主要幹線道路に関しては、橋の完成に伴い過去のものになると予想される。現在のカデラジア(Begun Khadela Zia)首相の民主政権は、道路網と輸送インフラの建設を全国規模の社会経済的発展のための優先部門と考えている。
 
 また、バングラデシュは、今後数年間で、国内のほとんどの大都市や町を連結する国際基準を満たす道路網を有するようになるものと予想される。服飾産業が必要とする港からコンテナ輸送方式で行なうドア・ツー・ドア・サービスは、道路の輸送容量の拡大と運行コストの削減により、間もなく達成されることになる。
 
3.5 バングラデシュ道路運輸法人(BRTC)
 
3.5.1 60年代初頭、道路インフラの建設が開始されたとき、政府は、信頼性のある効率的、経済的、組織的、近代的、また効果的な道路輸送サービスを提供するBRTC(前EPRTC)を設立した。その目的は、(a)乗車料金、貨物運賃、サービス基準の管理、(b)民間企業の助成、(c)戦略的な調停者の役割、(d)有益なサービスをともなった福祉の提供、であった。昼夜間運航の都市間長距離バスサービスを開始したのもBRTCであった。
 
 この法人は、先駆的な役割を果たすことに成功し、このサブセクターに対する民間部門の投資を誘致することができた。しかし、過去数年に及ぶ誤った経営の結果、不健全な公的法人となった。現在の政府は、この法人の改革と再構築に積極的な対策を講じ、すでにその結果が出始めている。
 
 BRTCは、公共の道路輸送機関として、組織化した近代的な研修所と、2つの中心的なワークショップを所有しており、そこには、運転手や機械修理工用と交通に関連する活動用の研修施設がある。この研修所は、BRTCの社員に加え、外部の人たちにも開放されている。
 
3.5.2 民間部門の道路輸送事業者
 
 現在は、民間部門がバスやトラックのサービスの約95〜97%を支配している。民間部門は、このサブセクターにおいて支配的ではあるが、多数の車両を保有したり、企業ベースの運営は行なっていない。輸送会社のオーナーのほとんどは、1〜2台のバスを所有しているだけで、自社のバス発着場や作業場のようなインフラを持っていない。その上、民間部門は専門的な経営ができず、結果として適切な運行スケジュールやルートを確実に提供することもできない。現在は、多数の車両やバスのオーナーが、時刻表に基づき、ルートごとのスケジュールで運行しているが、バス、特に都市間バスは非常に旧式であり、近代的なバスの基準を満たしていない。これらのバスは、通常、小型のコースターかミニバスで、都市のほとんどの道路を占領している。
 
3.6 バングラデシュ道路運輸局(BRTA)
 
3.6.1 1987年まで、道路輸送部門の管理や規制は著しく細分化されていた。組織ごとに責任が細分化されていた。このため、協調や計画が欠如し、データベースもまったく欠落するという結果になった。したがって、中心的な規制機関の創設と、道路輸送管理の近代的方式を導入することにより、現在普及しているシステムを改善することが極めて急務となった。そのため1987年、BRTAが通信省管轄の法定機関として創設され、1990年から完全に機能し、主要な任務として次の業務を実施している。
 
a. あらゆる型式の自動車の登録
b. 自動車の運転免許証の発行
c. 自動車の道路運行許可書の発行と更新
d. 全種類の商業車および使用車の運行ルート許可証の発行と更新
e. 整備不良認定のための政府による車両の検査
f. 自動車税と諸費用の徴収の管理
g. 道路運送業者と労働者間の問題と、労働者の福利厚生対策に関する問題への対応
 
3.6.2 BRTAには会長と8人の役員がいる。会長は、上級の国家公務員で、そのメンバーも道路運送システムの管理に係わる各省、各局によって指名された国家公務員である。
 
 上述の業務に加え、BRTAは各種の業務に関与する。たとえば、国家輸送計画、「1983年自動車条例」(Motor Vehicles Ordinance, 1983)に基づく道路輸送のサブセクターに関わる法律・規則・規定の策定、道路の安全、政策の立案・策定、およびその施行に関する調整策の策定などである。今日BRTAは、国内道路輸送の立案・管理のための中心的機関となっている。
 
3.7 道路局(RHD)による道路建設状況の比較
Year High type paved road (km) Low type paved road (Km) Total road (Km) Growth indices
1979 1389 1165 2554 100%
1985 6215 6259 10374 406.19%
1990 7914 5713 13627 533.56%
N.B.: The bituminous roads constructed and maintained by local Govt. institutions and district board in excluded.
 
3.8 道路事故の統計
Year No. of Accident No. of Death No. of injured
1983 3369 955 2184
1984 3790 1220 2477
1985 4130 1415 3223
1986 4300 1984 4127
1987 3563 1443 2696
1988 3510 1431 2571
1989 2990 1301 1626
1990 2547 1296 1724
1991 2070 1007 1378
 
3.9 援助国リスト
 
 主な援助国と援助機関は、日本、デンマーク、スエーデン、カナダ、世界銀行(WB)、アジア開発銀行(ADB)、国際協力事業団(JICA)などである。
 
3.10 都市の現状
 
背景
 ダッカは、ベンガルのムガール帝国の勝利の中心地として1608年に創設され、最高級のシルクとモスリンで数世紀にわたり世界中に知られ、人口約500万の多忙な都市へと成長したバングラデシュの首都である。
 
 新旧の建築様式がうまく融合したダッカは、近代都市として1971年の独立から急速に発展し、産業・商業・文化・政治など、あらゆる生活分野で活気に溢れている。
 
 BRTCやその他のバスがダッカの市街地を走っている。運行距離は約30kmで、約3000の車両が、市中やその周辺を走り回っている。現在都市部では、車両数に対し道路幅が狭いため、混雑し交通渋滞も起きている。
 
面積:815.85km2
人口:約1000万
 
3.11 都市地域交通に関する既存の問題
 
 都市の交通システムには極めて多くの問題がある。一般的に、都市の全面積の25%を道路とする計画が良い都市計画とされる。しかし、当市の道路スペースは、車両数に対して極めて少ない。
 
3.12 都市の公共輸送に関する将来計画(道路や鉄道などの輸送に関する計画)
 
 現時点では、鉄道プロジェクトに関するマスタープランがない。唯一検討されているのはダッカ市周辺の環状鉄道のみで、地下鉄プロジェクトは調達段階にある。ダッカ輸送調整局(DTCB)とダッカ都市交通プロジェクト(DUTP)が共同で、ダッカ市の輸送計画改善のために作業を進めている。
 
道路局(RHD)版バングラデシュ道路地図(2000年)
 
鉄道組織







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