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12. 国別特設「エジプト・持続可能な観光開発」セミナー
 エジプトは、世界でも有数な歴史遺産という観光資源に恵まれた国であるが、歴史遺産だけに頼る観光から脱却し、豊かな自然資源のある紅海沿岸に大規模なリゾートを開発することにより、歴史と自然資源を複合した観光国への展開を図ってきた。
 このような過程の中で環境に配慮した持続可能な観光開発は同国にとって大きな課題であった。このため平成14年度、同国の観光開発及びプロモーションにたずさわっている中堅行政官を対象に研修を行った。
 研修内容は次のとおり。
 
日本の観光事情の理解
・観光行政
・ホテルの人材育成
・観光地の観光行政、その他。
観光開発と環境
・自然環境保全と観光
・エジプトの観光開発と環境保全
・ホテルの環境対策、その他。
マーケティングとプロモーション
・日本での観光ビジネス
・航空会社のプロモーション
・ビーチリゾートのマーケティング、その他。
視察・研修旅行
・箱根、熱海、初島、金沢、加賀温泉、京都
 このセミナーには、観光開発庁及びエジプト観光庁から7名が参加した。
 
「エジプト・持続可能な観光開発」セミナー
閉講式終了後
 
 メルコスール(MERCOSUR=Mercado Comun Del Sur)は、南部南米諸国4ヶ国をメンバーとして、域内の関税及び非関税障壁の撤廃などによる財、サービス、生産要素の自由な流通を目標として1995年1月に設立されたものである。
 メルコスールが発足した翌年の1996年に中南米を歴訪した橋本総理(当時)の提案に基づきメルコスール側の関心のある分野に対し、日本側としてどのような技術協力が可能かを検討するため毎年日本・メルコスール高級事務レベル協議が開催されてきた。この協議の結果の一つとして、今回の研修が実施されることになったものである。
 
 この研修は、観光資源が豊富で、観光開発も相当進んでいるアルゼンチンとブラジル、この2ヶ国とは相当開きのあるウルグァイとパラグァイの観光開発レベルに差のある4ヶ国の要望をメルコスール技術支援委員会を通して取りまとめ、ネットワーク作りを行い、プロジェクトの実施に対する共通認識を形成・実施していくことを支援することを目的としたのもである。
 平成14年度に実施した研修内容は次のとおり。
 
日本の観光事情の理解
・日本の観光行政
・JNTO、JATAの役割
・ホテルの人材育成、その他。
日本における観光マーケティングとプロモーション
・旅行会社・航空会社のマーケティングとプロモーション
・外国政府観光局日本事務所の活動、その他。
持続的観光開発
・地方自治体での観光開発
・環境に配慮した観光開発、その他。
視察・研修旅行
・石垣島、西表島、大分、別府、湯布院、京都、東京
・日本ホテルスクール、その他。
 
 この研修には、4ヶ国から12名が参加した。また、このセミナーは、14年度を初年度とし、5年間実施されることとなっている。
 
「メルコスール観光振興」セミナー
於 日本ホテルスクール
 
 当協会は、ジョルダン王国観光・遺跡省から要請を受けたJICAからの委託により研修員を受け入れ、研修を実施した。
 この研修員は、JICAからジョルダン王国に派遣された観光専門家のカウンター・パート研修員として来日したもので、日本の観光開発・振興についての現状を把握し、以後のジョルダンの観光開発・振興業務に資することを目的としたものである。
 平成14年度に実施した研修期間中、研修員は、国土交通省、JICA、環境省等を訪問し、意見・情報交換等を行うほか、京都、箱根及び初島を視察・研修旅行した。
 
 「東方政策」は、マハティール首相が1981年首相就任後に、日本(及び韓国)の成功と発展の秘訣は国民の労働倫理、勤労意欲、経営能力、国民性としての道徳、教育・学習意欲にあるとして、これらを若いマレーシア人に学ばせることが自国の経済社会の発展と産業基盤の確立に必要と考え、日本側の協力を得て実施されたものである。
 
 (財)国際観光開発研究センターは、第8陣(1988年)より観光分野の研修員の受入れを開始し、第18陣(1998年)まで総勢174名の研修員に対して研修を行った。第19陣〜第21陣まで3年間の空白(この間本研修は実施されていたが、観光分野の研彦員の応募がなかった。)があったが、平成14年度は、13名の研修員が来日した。
 当協会は、上記センターの研修方法を継承し、協会での1ヶ月間の集団研修、2ヶ月間の受け入れ企業での個別実務研修を行った。研修員は、集団研修においては日本の観光に関する基礎知識を吸収するとともに研修員の専門分野である実務研修においても企業側の懇切な対応を受け、それぞれの目標を十分に達成した。
 
集団研修における主な講義項目
・日本の観光行政
・日本のホテル業・旅行業
・日本のホテル教育、その他。
主な視察先
・日本ホテルスクール
・日本の主要旅行会社
研修旅行行先
・熱海、初島、箱根、大阪、姫路
 
ルック・イースト研修
於 日本ホテルスクール
 
 また、企業別個別実務研修では、ホテル希望10名、旅行会社希望3名をそれぞれ小グループに分け、研修員は各自の専門分野における知識・経験を深めるとともに、労働倫理の理解、日本語の能力の向上に務めた。
 
1. フィリピン・ミンダナオコンテナ埠頭建設事業に係る調達実施支援調査
 この事業は、特別円借款供与が予定されているフィリピン、ミンダナオコンテナ埠頭建設事業に関して、その供与趣旨に基づき、速やかに事業実施を図り、経済の活性化に寄与するため、国際協力銀行が実施機関に対し調達手続の支援をするため実施されたものである。
 平成11年度に実施されたこの事業では、実施機関であるフィビディック工業公社に対して以下の書類作成の支援を行った。
・借款で雇用するコンサルタントの選定書類及び評価クライテリアの作成
・土木工事/資機材調達に係る評価クライテリアを含むP/Q書類の作成
 
 1980年以降、航空セクターにおける国際協力銀行の協力はアジア地域を中心として、バンコク国際空港(タイ)、北京首都空港(中国)、クアラルンプール国際空港(マレーシア)、上海浦東国際空港(中国)、第2バンコク国際空港(タイ)といった対象国の大規模空港を中心に実施してきた。
 アジア・大平洋地域の航空需要は、ICAOによる世界航空輸送需要予測(1992年)によれば、1988〜2000年に世界平均6%を上回る年平均9%の伸びを示しており、2000年〜2010年には、世界平均を上回る年平均7%で増大していくと予想された。
 今後アジア域内の航空需要に対応するインフラ整備の方向性を探るためには、アジアを地域的な観点から概観し、航空セクターの現状をより効果的な航空ネットワーク実現に向け、必要なインフラ整備がどのようなものであるのかの調査を行う必要があった。
 
 平成14年度に実施されたこの調査は、この観点からアジア地域の航空セクターの現状と問題点を把握し、航空セクターにおける将来の協力のあり方を検討したものである。
 この調査においては、(1)アジア地域の主要空港における人流・物流の変化(2)円借款による空港整備の効果(人流・物流の増加)と当該空港を利用する民間航空会社の戦略(3)アジア地域内空港・航空路の抱える問題点と課題の指摘及び(4)航空セクターにおける今後の国際協力の可能性について、考察と分析を行った。







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