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国庫補助事業
1. コンサルタンツ研修事業
 この事業は、国際的に通用するレベルの高い運輸コンサルタントの養成をめざして幅の広い知識、技術及び語学力を習得するために、コンサルタントとして20年以上の経験を有する者、大学教授クラスレベルの高度の知識を有する者等を講師として招へいして、当協会の法人会員に属する海外プロジェクトの実務経験に乏しい者を対象とし国際運輸コンサルタントとして必要な知識、技術力及び語学力を短期間に習得させることを目的とした研修であった。
 研修コースは、Aコース(基礎コース)、Bコース(アドバンスコース)、Cコース(スペシャルコース)及び会話コースに区分して実施した。
 この研修事業は、昭和48年度から開始したが、予算、会員のニーズ等の都合から全体的に徐々に縮小し、昭和63年度で終了した。
 
Aコース
 国際コンサルタントとして必要な経済学概論、計量経済学、国際経済学、交通経済学、Technical Report Writing、地域一般事情、貿易実務等の科目を5及至6ヶ月間で履修した。また、海外研修旅行として東南アジアの開発途上国を1週間乃至10日間位で訪問し、鉄道、空港、港湾等海外プロジェクトの現場を視察し、訪問国の政府要人と意見交換を行った。更に、国内研修として国内の空港工事現場等の見学を行った。
 
挨拶する秋山会長
 
 
挨拶する藤野専務理事
 
 
挨拶する島研修委員長
 
 
国内研修旅行
於 種子島ロケット実験場
 
 
昭和55年度Aコース海外研修
於 インドネシア・アサハン
 
 
昭和61年度Aコース研修開講式における小田研修委員長挨拶
 
Bコース
 コンサルタントとして必要なややレベルの高い内容又は会員の要望の大きいテーマについて1回2時間程度で実施した。昭和48年度の例で挙げるとテーマは、「技術開発と環境問題」「都市複合交通問題」等がある。講師は、大学教授、法人役員を招へいして実施した。
 
Cコース
 コンサルタントとして専門的、実務的なテーマを採り上げて1回2時間程度で講師を招へいして研修を実施した。昭和49年度の例で挙げるとテーマは、「国際協力事業団について」「インドネシアの海運について」「円借款の手続について」等がある。講師は、ベテランの実務家が担当した。
 
会話コース
 渡航会話、技術会話、会議及びパーティー用会話を含む基礎会話を外人講師を招へいして実施した。初めは英語のみであったが、会員からの要望もあり、フランス語、スペイン語の会話コースも実施した。
 
 この事業は、民間ベースにより実施されている開発途上国からの運輸関係技術者に対する研修について、研修参加受け入れの拡充・強化を図るとともに、これら研修参加者に対するわが国からの技術移転をより一層促進し、もって国際協力の円滑な推進に寄与することを目的とするものである。
 この事業の内容としては、開発途上国の政府、これに準ずる機関又は民間企業に属する者で当該国において運輸関係プロジェクトに携わる技術者等をわが国に招へいして、民間ベースにより運輸関連施設の見学、各専門分野に係る講議、関係者との意見交換等を実施した。
 
 この事業は、昭和62年度から平成4年度まで実施したが、その実績は次のとおりであった。
 また、平成5年度からは国庫及び日本財団補助事業の開発途上国人材養成事業として実施した。
 昭和62年度は、中国、フィリピン、インドネシア及びマレーシアの4ヶ国から航空、港湾、海洋調査の技術者を12名招へいして研修を実施した。
 昭和63年度は、中国、スリランカ、ガーナ、メキシコ、トルコ、マレーシア及びウルグアイの7ヶ国から航空及び鉄道の技術者を29名招へいして研修を実施した。
 平成元年度は、中国、タイ、インドネシア、インド、トンガ及びコスタリカの6ヶ国から航空、鉄道、都市交通、気象及び観光の技術者を11名招へいして研修を実施した。
 平成2年度は、中国、マレーシア、インドネシア、ラオス及びパナマの5ヶ国から航空、都市交通及び港湾の技術者を7名招へいして研修を実施した。
 平成3年度は、中国、インドネシア、インド、ベネズエラ、グアテマラ及びポーランドの6ヶ国から航空、鉄道、港湾及び都市交通の技術者を11名招へいして研修を実施した。
 平成4年度は、ベトナム、タイ、フィリピン、キルギス及びグアテマラの5ヶ国から航空、港湾、都市交通、自動車及び観光の技術者を24名招へいして研修を実施した。
 
 この事業は、わが国の港湾管理者、民間企業等の職員を対象として国際協力を行う上で必要とされる知識を国内で修得せしめるとともに、海外において実施研修を体験させ国際協力に相応しい人材養成を図ることを目的とした事業である。
 国内研修は、座学により研修時間は54時間行い、海外研修は、フィリピンを選択して実施した。参加者は国内研修9名、海外研修は8名であった。
 
 国内研修の科目は次のとおりであった。
・開発途上国における港湾活動の実態
・開発途上国における港湾管理運営の状況
・先進国における港湾活動の実態及び管理運営の状況
・港湾分野国際協力の実施事例
・港湾分野国際協力に必要な専門知識
 
 フィリピンにおける海外研修においては、専門家より次の内容の講議を受講させた。
・フィリピンの港湾事情
・アジア開発銀行の活動
・フィリピン経済の一般事情
・セブ港の開発戦
・マニラ港の開発戦略
・マニラコンテナ埠頭の概要
 
 また、海外研修においては研修参加者を3班のグループに分け、グループ毎に研究テーマを設けて、それに基づいて現地でのフィールドワークを行った。
 
 この事業は、開発途上国からのハード面のみではなく、ソフト面における技術に関する協力要請に的確に応えるため、わが国の民間及び地方自治体の運輸分野実務者、技術者等を対象に研修を実施し、運輸分野の人材養成を図ることにより、開発途上国における運輸分野の発展に寄与することを目的としたものである。
 また、この事業は、国内研修及び海外研修で構成されており、平成5年度以降実施した。平成5年度より平成10年度までは、海運、鉄道、港湾及び観光の各分野を対象として、また平成11年度は、港湾及び観光の分野を対象として行い、参加者は延べ511名に及んでいる。
 更に、海外研修を実施した開発途上国は、フィリピン、インドネシア、タイ、ネパール、マレーシア、ベトナムの6ヶ国に及んだ。
 
5. 要人招へい事業
 この事業は、開発途上国の運輸関係プロジェクトの開発計画担当者等政府要人をわが国に招へいして、わが国関係者との意見交換、運輸関係施設の視察等を行うものである。これによりわが国の運輸部門における技術を紹介し、併せて運輸コンサルタントの技術と実績を積極的にPRし、運輸関係プロジェクトの発掘、推進等わが国運輸コンサルタントの海外活動の促進と円滑を図るものであった。
 
 この事業は、昭和57年度から平成7年度までは、国庫及び日本財団補助事業の海外技術広報普及事業(要人招へい)として実施していた。平成8年度以降は国庫補助事業として実施し、その実績は次のとおりであり、延べ65ケ国から招へい者111名に達した。
 
【平成8年度】
 8カ国から12名を招へいした。
 その内訳は、フィリピンから3名、インドネシア、エジプトから各2名、中国、カンボジア、スリランカ、ガーナ、マダガスカルから各1名を招へいした。
 
【平成9年度】
 10カ国から15名を招へいした。
 その内訳は、ベトナムから4名、スリランカ、エジプトから各2名、タイ、インドネシア、象牙海岸、エチオピア、グアテマラ、バルバドス、ペルーから各1名を招へいした。
 
【平成10年度】
 9カ国から16名を招へいした。
 その内訳は、ベトナムから4名、インドネシアから3名、インド、ウズベキスタンから各2名、マレーシア、ミャンマー、シリア、ジンバブエ、ニカラグアから各1名を招へいした。
 
【平成11年度】
 12カ国から21名を招へいした。
 その内訳は、ベトナムから5名、タイから4名、イラン、タンザニアから各2名、キルギス、スリランカ、ネパール、フィリピン、ボリビア、ミャンマー、ルーマニア、中国から各1名を招へいした。
 
【平成12年度】
 9カ国から17名を招へいした。
 その内訳は、ベトナムから4名、ウズベキスタン、カンボジア、中国、フィリピン、ミャンマーから各2名、ブラジル、エジプト、ルーマニアから各1名を招へいした。
 
【平成13年度】
 9カ国から12名を招へいした。
 その内訳は、インドネシアから3名、ベトナムから各2名、モンゴル、バングラデシュ、フィリピン、シリア、パキスタン、トルコ、マラウイから各1名を招へいした。
 
【平成14年度】
 8カ国から18名を招へいした。
 その内訳は、フィリピンから6名、インドネシア及びカンボジアから各3名、ベトナムから2名、タイ、スリランカ、イラン、ブルガリアから各1名を招へいした。







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