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設立準備
1. 設立発起人会
 昭和47年秋、わが国運輸関係コンサルティング企業界にあって、海外コンサルティング活動を振興するため、わが国運輸関係コンサルタントの育成・強化を図る実施機関として新団体の設立を要望し、関係有識者と相図り、運輸省(現「国土交通省」以下同じ。)ご当局のご指導のもとに、諸般の準備を進めるところとなった。一応準備が整ったところで設立発起人会を開催した。
 発起人会は、昭和47年11月27日午後3時から港区芝西久保明舟町20番地(株)日本空港コンサルタンツの会議室において開かれた。運輸省から今村計画官、久田港湾局建設課長等の臨席を得て、(株)日本空港コンサルタンツ秋山会長の議長によって予定の議事を終了した。
 設立準備事務所を(株)日本空港コンサルタンツ内に設け、創立総会へ向けての準備を始めた。
 
【日時】
昭和47年11月27日(15:00〜17:00)
 
【場所】
東京都港区芝西久保明舟町20番地(第18森ビル)
(株)日本空港コンサルタンツ会議室
 
【発起人の総数及び出席者数】
発起人総数 8名
出席者数 8名
(本人出席)
秋山龍 伊藤清一 河野康雄
柴田陽三 島秀雄 藤井松太郎
(委任状)
鮫島茂 好井宏海
(臨席者)
今村宏 久田安夫 嵯峨野福次
谷部純臣
 
【次第】
開会挨拶
 運輸大臣官房今村計画官より開発途上国に対する日本政府の経済援助の状況と本会の目的について、また本会に関する現在までの経過説明が行われた。
議長選出
 発起人会を始めるにあたり、設立事務局(以下「事務局」という)より議長の選任について議場に諮ったところ、河野発起人より秋山発起人にお願いしたい旨発言があり、満場一致で秋山発起人を議長に指名した。
議事
 次の各議案について議論した結果、いずれも満場一致で可決された。
第1号議案
 「社団法人海外運輸コンサルタンツ協会の設立についての議決について」
第2号議案
 「定款の議決について」
第3号議案
 「設立当初の純資産についての議決について」
 設立にあたり、純資産として300万円以上の資産を準備する必要があるため、発起人1社あたり40万円ずつ負担することが可決された。
第4号議案
 「設立後、2カ年間の事業計画及び収支予算の議決について」
第5号議案
 「設立発起人代表の選出について」
 秋山発起人が設立発起人代表に指名された。
附帯決議
 「本会設立に関する手続を設立発起人代表に委任する件について」
 本会の設立に関する手続を行う権限を設立発起人代表に任し、設立までの間、準備のための事務局を東京都港区芝西久保明舟町20番地(第18森ビル)(株)日本空港コンサルタンツに置くことが可決された。
 
 この議事録が正確なることを証するため、議長及び署名人は下記に記名捺印する。
 昭和47年11月27日
 (議長)
秋山龍
 (署名人)
伊藤清一 河野康雄 鮫島茂
柴田陽三 島秀雄 藤井松太郎
好井宏海
 
 設立発起人会において社団法人海外運輸コンサルタンツ協会設立について議決されたのち、創立総会を開催するまでの間、参加会員間において設立準備を行うため、担当者会議を開催し準備作業に万全を期することとした。
 
3-1 第1回担当者会議(昭和47年12月1日に開催)
 事業費と運営費の規模について次のとおり事務局案を提案し意見を求めたものである。
 
・開発途上国における開発プロジェクトの実施にかかわる契約前予備調査のため、運輸関係コンサルタントの海外派遣に対する8割補助の計画について、派遣人員は年間30チーム、1チームの期間は約3週間とし、人員構成は各々5人とする計画で予算計上する。
・コンサルティング需要開発のための海外情報収集として、海外調査員の派遣に対する3分の2補助計画。
  派遣予定国20ヶ国を予定し、この派遣予定国は、従来わが国が経済協力を行ってきた国であり、これからも積極的に調査員を派遣し、プロジェクトに関する情報を収集し、更には適切なアドバイスを行い市場を開拓するためのものである。調査は毎月1回、期間は1ヶ国の場合は約10日間、2ヶ国以上の場合は2週間とする計画で予算計上する。
・開発途上国に対するアドバイザーの長期派遣計画については、先に政府調査団を派遣したブラジル、パラオ州へ総合的な輸送、交通の整備計画を作成し、その実現に努力している、このパラオ州政府に対し、長期アドバイザーを派遣し、計画の作成と実施を援助すると同時にわが国の技術を導入するよう勧告する。このため派遣期間を6ヶ月間とし、これに8割補助を行う計画で予算を計上する。
 
・運輸関係コンサルタントの海外活動のために必要な知識、技能の研修及び再教育を目的にコンサルタンツ研修を行う計画。
  コースは次の3コース。英語による研修を原則とする。
(1)計画立案コース(開発計画の目的及び機構、交通予測の方法等についての研修)
(2)派遣専門家育成コース(現地事情等について研修)
(3)プロジェクトリーダーコース(フィジビリティー・スタディーの方法、プロジェクトの管理及びコントロールの方法等について研修)
  以上についてスケジュールは午前、午後それぞれ3時間ずつとし、実質6ヶ月間行う、8割補助の予算を計上する。
・海外先進国から招請した外国人開発専門家による各運輸関係コンサルタントに対する実地研修を行う。さし当たって、米国から2人招請を予定し、会員会社より講師派遣希望4社を選定し、1人の講師が2社を受け持ち、1年間実地研修を行う、これに8割補助の予算を計上する。
・広報宣伝のため、パンフレットを作成配付し、わが国の技術を内外に紹介する広報予算を計上する。
  以上の初年度事業計画案をもとに、政府への補助金の交付申請並びに日本船舶振興会(以下「日本財団」という。)に対し助成金及び補助金の交付申請を行うため検討を行った。
・定款草案の検討と事業内容に関する要望事項等について検討した。
 
3-2 第2回担当者会議(昭和48年1月12日に開催)
 検討内容は次のとおりであった。
・本法人は社団であるため、会員の最終決定が法人の意思である。ついては、創立総会を開催し、所定の手続をふむため必要な事項についての資料の作成に関する詳細な打ち合わせ。
・運輸省管理下の法人としてすでにIDC(国際開発センター)があるが、この団体との比較、相違点について、同一の事業を行う団体でないことの説明資料の作成。
・公益法人であることの証明、即ち、特定団体だけを利するものではないという理由を明確にする資料の作成。
・調査団派遣を行う必要性、相手政府からの要請方法、プロジェクトの概要、緊急性等補助を受けようとする理由を明確にする資料の作成。
・政府の補助並びに日本財団の助成金及び補助金が得られない場合、協会設立についていかに対処すべきか。
  以上の検討を行うとともに、更に問題点をふまえ次の点についての検討を加えた。
・現状にいたる間の政府並びに日本財団との交渉の結果をふまえた、新しい資金計画に基づく予算の算定。
 
3-3 第3回担当者会議(昭和48年2月2日に開催)
 設立趣意書及び定款等草案文の字句の修正について最終調整を図るとともに、定款第8章資産及び会計に一般基金に関する規定の追加を行った。また、政府補助金が確定したことによる資金計画の立て直しを図ることとした。政府補助金は、海外情報収集費として約1,075万円、研修事業費として約777万円の補助が認められる見通しがついたので、日本財団に対する助成金及び補助金の申請予定額、並びに全体の資金計画についても再検討することとなり、次回最終決定することとした。
 
3-4 第4回担当者会議(昭和48年3月1日に開催)
特別分担金について
 
 設立発起人会を終え約3ヶ月の間に4回にわたり担当者会議を開催し、諸般の準備を整え創立総会開催への最後の仕上げに努めた。







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