表II.2.3.4-25(7)排水時処理ケースにおける病原菌の変化
(第2航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
実験日
時刻
実験港
対象タンク |
2004/1/7
9:20
Los Angeles
No.7DBWBT(S) |
太平洋上海水の排水時
処理前 |
太平洋上海水の排水時
処理後 |
水 |
大腸菌(CFU/100ml) |
N.D. |
N.D. |
腸球菌(CFU/100ml) |
N.D. |
N.D. |
コレラO1(CFU/100ml) |
N.D. |
N.D. |
コレラO139(CFU/100ml) |
N.D. |
N.D. |
プランクトン |
コレラO1(CFU/全量) |
N.D. |
N.D. |
コレラO139(CFU/全量) |
N.D. |
N.D. |
|
“N.D.”とは検出されなかったことを示す
表II.2.3.4-26及び図II.3.4-23には、漲水時と排水時の2回処理したケース、表II.2.3.4-27及び図II.3.4-24には、排水時処理ケースにおける全菌数と従属栄養鞭毛虫の実験結果を示した。
なお、全菌数(全バクテリア数)は、バラスト水条約の基準対象生物とはなっていないが、病原菌に対する処理効果の参考にするために実施した。 また、従属栄養鞭毛虫もサイズが10μm未満で、基準対象外生物であるが、米国ワシントン州の処理技術暫定承認プログラムの対象生物の範囲に入る可能性があるため実施した。 さらに、両生物群は、前記した原生動物とともに、生物の死骸を餌としてバラストタンク等の暗黒環境下でも繁殖する可能性がある。 今後、このような生物の取り扱いに関する国際的議論の参考資料にするためにも実施した。
両生物群に対する処理効果は、処理によって減少するケースと、反対に処理後及び航海中に増加するケースがあり判定はできなかった。 つまり、効果は認められなかった。 この理由は、細菌が1μm前後、従属栄養鞭毛虫が10μm未満とともに極微小な生物で、今回の実験に使用したプロトタイプのスリット幅(500μm)等の物理条件では明瞭な殺滅効果を得られないこと、さらに、前記、b. 動物プランクトン(原生動物)と同様に、両生物群が生物の死骸を餌としてバラストタンク内でも増殖するためであると考えられる。
表II.2.3.4-26(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
全菌数と従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:シアトル→東京)
実験港 |
Seattle |
Tokyo |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.15 |
分析検体数 |
3 |
3 |
試料名 |
シアトル原水 |
シアトル漲水時処理後 |
東京排水時処理前 |
東京排水時処理後 |
全菌数(cells/ml) |
247467 |
261381 |
396213 |
392900 |
従属栄養鞭毛虫(cells/ml) |
53 |
58 |
257 |
1622 |
|
図II.2.3.4-23(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
全菌数と従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:シアトル→東京)
|
全菌数(cells/ml)
従属栄養鞭毛虫(cells/ml)
表II.2.3.4-26(2)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
全菌数と従属栄養鞭毛虫の変化
(第2航海:シアトル→名古屋)
実験港 |
Seattle |
Nagoya |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.15 |
分析検体数 |
3 |
3 |
試料名 |
シアトル原水 |
シアトル漲水時処理後 |
名古屋排水時処理前 |
Nagoya排水時処理後 |
全菌数(cells/ml) |
197112 |
212572 |
181653 |
148524 |
従属栄養鞭毛虫(cells/ml) |
28 |
27 |
1097 |
485 |
|
図II.2.3.4-23(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
全菌数と従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
|
全菌数(cells/ml)
従属栄養鞭毛虫(cells/ml)
表II.2.3.4-27(1)排水時処理ケースにおける全菌数と
従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
|
実験港 |
Vancouver |
実験日 |
Dec.5 |
分析検体数 |
2 |
試料名 |
ロサンゼルス海水の 排水時処理前 |
ロサンゼルス海水の 排水時処理後 |
全菌数(cells/ml) |
418408 |
501891 |
従属栄養鞭毛虫(cells/ml) |
139 |
185 |
|
|
図II.2.3.4-24(1)排水時処理ケースの全菌数と
従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
|
全菌数(cells/ml)
従属栄養鞭毛虫(cells/ml)
表II.2.3.4-27(2)排水時処理ケースにおける
全菌数と従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
|
実験港 |
Seattle |
Nagoya |
実験日 |
Dec.6 |
Dec.16 |
分析検体数 |
3 |
1 |
試料名 |
シアトル原水 |
名古屋排水時処理前 |
名古屋排水時処理後 |
全菌数(cells/ml) |
247467 |
251443 |
218646 |
従属栄養鞭毛虫(cells/ml) |
53 |
199 |
135 |
|
|
図II.2.3.4-24(2)排水時処理ケースにおける
従属栄養鞭毛虫の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
|
全菌数(cells/ml)
従属栄養鞭毛虫(cells/ml)
|