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 最後に、交通運輸産業の発展も重要な課題と考えております。
 規制緩和により、特に、タクシー事業では遠距離割引等多様な割引運賃が設定されておりますが、今後も、制度の適切な運用に努め、事業者の経営判断を生かした取り組みを進めてまいります。また、昨年11月にはJR西日本がICカードを導入し、スルッとKANSAIでも本年夏頃には一部鉄道から導入が始まる予定となっております。近畿運輸局としましては、これらを積極的に支援し、また、両者の相互利用の実現について努力してまいります。
 
■遠距離割引(5000円超5割引)
 
 この他の分野においても、事業者の創意工夫が大いに発揮され、利便性の高い輸送サービスが提供されることを期待しております。
 
■JR西日本のICカード「ICOCA」
 
 また、我が国経済にとっては国際物流の競争力強化が大きな課題となっております。このため、港湾の24時間フルオープン化、メガターミナルオペレーターの育成等港湾物流の効率化を強力に推進する必要があります。また、フェリーの活性化やクルーズの振興、内航海運における活性化対策や静脈物流システムの構築、船員の安定的確保対策等にも積極的に取り組んでまいります。さらに、造船業・舶用工業においては世界的な造船ブームの到来により、生産高は上昇しておりますが、これにあわせ経営改善を進めるための一層のコストダウンを行うとともに、新たな技術開発の支援等を行い、海事産業の発展を図ってまいります。
 
■スルッとKANSAIのICカード「PiTaPa」
 
 以上、新年度にあたっての近畿運輸局の主な取り組みについて、その概要をご紹介いたしましたが、近年、急速な少子高齢化の進行や地球環境及び地域環境問題の深刻化、情報技術の飛躍的進展等により、社会の構造的変化がより一層鮮明になってきております。このような構造的変化の中では、産業構造の転換、都市再生等に資する施策の展開により、地域の活性化に向けた取り組みが強く求められることとなってまいります。近畿運輸局におきましても、交通運輸・観光の分野における様々な課題を近畿圏全体の課題として捉え、各主体が連携を図りつつ、人と環境に優しい交通体系を構築することにより、豊かで快適な生活や活力ある経済社会の実現になお一層寄与していきたいと考えております。
 今後も、ただ今ご紹介しました主な取り組みを中心に、近畿運輸局一丸となって種々の課題の解決に邁進していく所存でありますので、皆様方からのご支援ご協力を心からお願いいたします。
 
■コンテナ荷役







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