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甲板梁、木甲板など
 内部の縦通材類は大部分が甲板梁の取付以前に施行されます。(甲板梁を取付けて終うと搬入する入口が無くなる。)
 又は・の斜肋骨を2〜3本外してここから搬入后復旧する方法もあります。(主機台別項)外部の舷側厚板(シヤーストレーキ)と弯曲部厚板、竜骨翼板(ガーボード)の取付けが終った頃、甲板梁の取付けが行われます。機関室の前后、艙口の前后などの端梁を先に取付け主要部を押さえて、その后に普通梁、縦梁、半梁を后に施行します。
 端梁を入れ縦梁を入れると梁上に板を敷いて通行が出来る様になり、始めて甲板上の部分工事も出来る姿となります。梁の要領を説明しますが、今の様にクレーン設備が有りませんので、取付けの為に並べる作業も仲々大変な事です。
 梁受材の様子は図としてAとBを入れましたが、Bは現在国内では見ることが無理の様で、戦中の大型木造機帆船では若干あった様な気がします。憶えているのは木製パイプの排水孔丈です。私の居た頃の造船場では排水管は鉛管を使っております。戦后はこの排水管(上甲板)も無くなりました。之はC図に見る様に梁圧材と木甲板の上面を、船体中央辺前后では同一面とする工夫に依り段付部へ水が溜る事なく舷外へ流れてしまう様な構造に依る所が大きいと思います。梁の架け方は、その造船場に依り、少し違うと思いますが憶えている事を記します。
 
(A)
 
(B)
 
(C)
 
(D)
 
(E)
 
(F)







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