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教えられた斜肋骨配置の算式
1. 肋骨止りより甲板線(D. L)で規定の心巨(500)をマークする。
2. Lの巨を測る。
3. D. Lの長さ(1〜6)
=3,000から、Lの巨を引く(L=2,300mとして)
3,000m−2,300m=.700m
4. 肋骨間をプラスする=1+2+3+4+5+6=21となります
5. 700÷21=33.3m/mを得ます。
6. 各肋骨間の心巨(根元)は次の通りです(a〜b中心線に添った寸法)
A 500 -33.3=466.7
B 466.7-33.3=433.4
C 433.4-33.3=400.1
D 400.1-33.3=366.8
E 366.8-33.3=333.5
F 333.5-33.3=300.2
(コンマ以下333と続くので多少違いますが)
 以上で右の心巨で6に到達します。
 問題はこの先3本のフレームは各々33.33m/mづゝを差引いた寸法で配置する訳です。この様にしますと先々のフレームは急激に傾斜が強くなり、端のフレームは断面が菱形の極端な型となり付根も極めて薄くなります。之を防ぐ為にも各水線の型状とフレーム交差状況を見て、根元の心巨も図の様にフレームに直角に見て処理する訳です。又レールライン上のフレーム心巨も前者では極端に開いて終うのを修正する事としました。之等の正肋骨や斜肋骨の外面の削る角度をどの様にして表すかを説明します。この造船場では各肋骨には定板と云って、各肋骨の各位置毎の角度を表したのが有ります。小さな町工場では肋骨型に削り角度を表し、定板が無い所もあると聞いております。肋骨型は現図場の断面図に表示され、下図の様に各フレームの次のフレーム迄の差が訳ります。中央部が一番狭く、・に行くに従い大きくなりますから、全て、中央部より・に対して狭角となります。(斜肋骨は別に説明します)この差を読んで下図の盤で角度を出し定板に写します。
 
 
 例を#6とすれば根、1B、2B、1W、2W、3W、4Wの各位置で#7までの外板直角の寸法を読み、定盤上でその寸法を定規で合せ、定板に写します。之が下図の様な形となります。肋骨型板に合せて挽いた材料は鉞、ちようなで角度を仕上げます。
 
 
 
 型板は現図から写して作られますが、それぞれの肋骨は曲線が多く、之を写す方法は、現図の曲線上に丸釘(洋釘)を図の様に並べて、その上に材料を置き、上から足で踏みます。すると釘頭の皿部が板面に凹入部を作り、之がミシン目の様になりますので之を鋸で挽き鉋で、現図のラインに合せながら仕上げます。(私等は釘の頭部を墨壷に浸してから並べました。板面の凹部は黒いミシン目の様になり、見易くなります。)
 
 この釘並べの方法は手元に有る「フェロセメント船工作法」というアメリカの本も同様の事が書いてありますから、向こうから教えられた方法?かも知れません。后で現図に合せ鉋仕上げをしますが、ほゞどの様な曲線でも簡単に写せる方法です。







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