敷と舳の接手は前図AやBがあり、乗盤はCやDがあります。
船梁
先の説明は大体の様子を書きましたが、具体的な寸法を思い出して再び説明を加えたいと存じます。断っておきますが之等は全て硬材であって、その重量も160〜180Kもあって(三伴船)4人でようやく足場の上を担ぎながら、取付けます。腰当船梁、三の間船梁以外はひと廻り小さくなりますし、下まさがい丈となりますので、作業は楽になって来ます。けあげ船梁は矢が無く、掛矢で打ちながら差込むので、なかなか大変な作業です。
三の間船梁(腰当は同様)
之は三伴船の例ですが、胴海船は船梁寸法はそれぞれに一寸宛小さくなり、7寸×6寸となり貫通部は3寸5分位となります。
矢を止めたりまさがいを止める釘は、亜鉛渡で鉄がなまっているので、すぐに曲って終い、大弱りでした。貫通部は上図の如く廻渕(防舷材兼網摺れ)で塞がれ、外部からは見えなくなります。船梁の差込には、嵌込んでから抜棚の外方から叩きながら矢を締め矢が緩い様ならば先を切って、きつくし充分に締めます。后は抜棚外面で切断します。
一の間〜二の間船梁
三の間、腰当船梁以外は下まさがい丈となります。資料表にある様、二の間、一の間船梁は船の大きさに依り、多少寸法が違って来ますが嵌込(貫通部)は3寸5分〜3寸です。上棚上縁から3寸というのは漕手の腰掛の高さであり、之から一尺2寸下がった所が板子上面となります。三の間と腰当は、この船梁より1寸5分高くなりますが、こゝは漕手が腰掛けない?所となりますので差支えないという事です。
盤の間船梁
この船梁は中心に曳立(ビット)が取付けられるので嵌込部は深さが4寸となります。数少い化粧が外部を図の様に面取りを行い、表面に対角線を引きますと、后で塗装掛りの方で白赤のZ旗様の模様を入れます。抜棚の外面には、この梁の后方2寸5分〜3寸の個所より廻り渕(防舷材)が取付けられ、この端末部も図の様に小さな切込みを入れて赤などの着色となります。
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