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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/03/02 朝日新聞朝刊
ともに汗を流す貴重さ 自衛隊PKO(社説)
 
 東ティモールでの国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊の先発隊約20人がきょう、日本を出発する。
 今月下旬から来月上旬にかけて、陸上自衛隊の施設部隊を中心に総勢680人が派遣される。西ティモール(インドネシア)との国境付近を中心に4カ所に分かれて、長引いた争乱で破壊された道路や橋の補修などの後方支援任務に当たる予定だ。
 カンボジア、モザンビーク、ルワンダ、ゴラン高原と、92年にPKO協力法が施行されて以来、自衛隊のPKO参加は機会を追うようにして広がってきた。
 今回の派遣要員の数は、カンボジアPKOの600人を上回る過去最大級となる。衛生、文書整理などの分野の活動で、7人の女性隊員も含まれている。
 東ティモールは5月に独立するが、疲弊した国土の復興や統治機構の整備、民生の安定には国際社会の支援が欠かせない。PKOには、1月末現在で47カ国から部隊要員約6200人を中心に、文民警察要員、軍事監視要員など、合わせて約7600人が参加する見通しだ。
 日本は経済再生への道筋が描けずに苦闘中だ。こんな時期だからこそ内向きにならず、新生東ティモールの船出にできる限り支援の手を差し伸べたい。それはアジアの一員としての責務でもある。派遣される自衛隊員は任務の重さを自覚して国際社会の期待にこたえてほしい。
 今度の自衛隊派遣で特筆すべきは、オエクシという地区で、韓国の歩兵部隊約400人と自衛隊の約120人が共同でPKO活動に携わることである。
 韓国軍と自衛隊が国際協力でともに汗を流すようなことは前例がない。こうした試みの積み重ねが、相互理解を増し、日韓間に重く横たわる「過去の歴史」の克服にもつながることを願わずにはおられない。
 「現地の治安は安定しており、戦闘に巻き込まれる危険は極めて薄い」と政府の当局者は話す。しかし、カンボジアPKOでは日本人の犠牲者も出た。不測の事態に際し、撤退時期などの判断を誤らないためにも、状況をつぶさに把握し、各国間で緊密に対応策を練っておくべきだろう。
 「武装解除の監視」など凍結されていたいわゆる本体業務への参加が、昨秋の臨時国会で解除された。そうした参加は東ティモールでは想定されていないが、将来、日本が求められる可能性はある。
 自衛隊PKOは、すでに9年の経験がある。とはいえ、北欧やカナダなどのPKO大国と比べると、まだまだ「若葉マーク」だ。彼らの体験に学び、訓練を積みながら日本の特性にも合った協力を慎重に探るべきだろう。性急さは禁物である。
 東ティモールの国づくりへの協力は、PKOでこと足れり、とはいかない。学校建設や医師、医薬品の供給などの多様な分野で、息の長い支援が欠かせない。
 
 
 
 
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