日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2001/10/19 朝日新聞朝刊
医療支援の内容は?(Q&A テロ特措法案)
 
 Q 政府は自衛隊のどんな医療活動を考えているの?
 A 難民キャンプでの診療所開設や外国軍の傷病兵を治療する野戦病院の運営だね。新法では、危険な地域でも自衛隊が活動しやすいように、日本周辺の有事の際の米軍に対する後方支援を定めた周辺事態法よりも武器使用の要件を緩めて、攻撃を受けた時は傷病兵や診療所の難民も守れるようにしている。
 Q 野戦病院での自衛隊の活動をめぐる議論は前にもあったよね。
 A そうなんだ。戦闘地域の医療部隊に組み込まれる形で自衛隊が医療活動することは、武力行使と一体化する恐れがあるから、集団的自衛権の行使を禁じる憲法から見て問題だ、というのが政府の立場だった。外務省幹部らは「ナイチンゲールも違憲なのか」なんて反発していたね。
 この議論は、99年に成立した周辺事態法をめぐる国会審議の時だった。そのとき政府は、自衛隊の活動範囲は現在も将来の活動期間中も戦闘行為がないと認められる「後方地域」だと法律で縛られているから、武力行使と一体化するおそれはない、と説明した。
 Q 新法も前線での活動は想定していないの。
 A 日本の活動をアピールしようと、「前線での医療活動を盛り込もう」という動きが政府内にはあった。でも、憲法との整合性が問題になり、早期法案成立を優先して、活動範囲は事実上、後方に限られた。
 Q 実際に、自衛隊は活躍できそうなの?
 A 小泉首相が「野戦病院の地域ではまさに戦闘行為が行われている」と国会で答弁するぐらい、野戦病院は戦闘の前線や、それに近い後方にあるのが普通だ。ところが、新法による活動はさらに後方とみられ、受け入れ国の同意も必要になる。
 米国がアフガニスタンに地上軍を投入したら、パキスタンとの国境付近に野戦病院が必要になることが考えられる。そういう場所では、野戦病院が攻撃にあう可能性もあるし、自衛隊が活動することはかなり難しいだろうね。「パキスタン南部のカラチ沖に病院船を浮かべるぐらいが落としどころだろう」(外務省幹部)という声もある。
 Q 国会での野戦病院の議論はどうなの?
 A まだ現実味がないからか、深まっていないね。政府内にも「傷病兵治療は軍事行動の根幹。米軍が他国にゆだねると思えない」(防衛庁幹部)と冷めた見方がある。小規模で隠密行動する特殊部隊が中心となれば、なおさら必要はなさそうだ。米国が地上軍を投入した場合に、要請があれば設置を検討することになるんだろう。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。








サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
14位
(28,901成果物中)

成果物アクセス数
432,318

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年6月10日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【北朝鮮について】
2.私はこう考える【中国について】
3.私はこう考える【ダム建設について】
4.私はこう考える【死刑廃止について】
5.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
6.私はこう考える【天皇制について】
7.私はこう考える【国連について】
8.私はこう考える【憲法改正について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から