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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2001/09/20 朝日新聞朝刊
小泉首相、自衛隊派遣を表明 米軍の後方支援に 米テロ報復
 
 小泉首相は19日夜、首相官邸で記者会見し、米国での同時多発テロを受けて(1)米軍等の報復攻撃に自衛隊が後方支援する(2)在日米軍施設警備を強化する(3)情報収集のため自衛艦を派遣する、など7項目の対応策を発表した。与党3党は今回のテロ対応に限定した新法制定と自衛隊法改正案づくりに入り、議員立法で27日召集の臨時国会に提出する。「目に見える参加」を求める米国の要望を受けて、自衛隊がインド洋などの米軍基地や部隊に燃料や食料などの輸送・補給にあたる。湾岸戦争では終結後に掃海艇を派遣したが、実施されれば、戦闘時の自衛隊の部隊派遣は初めてになる。首相は21日にも日米首脳会談をする方向で訪米日程の調整に入った。(2・4・7・9・38・39面に関係記事)
 首相は会見冒頭で、米国でのテロについて「米国に対する攻撃のみならず、世界人類、自由、平和、民主主義に対する攻撃だ。テロ根絶に向け、米国はじめ関係諸国と協力しながら、主体的に取り組みたい」と述べ、対応策はあくまでも日本の主体的な行動だと強調した。自衛隊の後方支援については国連安保理決議でテロが「国際の平和及び安全に対する脅威」と認定されたことを指摘。これに基づいて米軍などへの「医療、輸送・補給等の支援活動」にあたるため、新法制定を念頭に自衛隊派遣に必要な措置をとると説明した。
 ただ、新法制定には与党内でも慎重論があるため、「与党に検討してもらっている」と明言を避けた。武器・弾薬の輸送については「憲法の範囲内で何ができるか、与党に検討してもらいたい」と述べるにとどめた。
 国内での警備強化の対象としては、米軍施設のほか原子力発電所や国会などを想定して「我が国の重要施設」も挙げ、そのための「所要の措置を早急に講ずる」として自衛隊法を改正する考えだ。情報収集のための自衛隊のイージス艦も速やかに派遣する。そのほか、(1)テロリストの出入国管理をチェックするため情報交換など国際協力の強化(2)パキスタンとインドへの緊急経済支援(3)アフガニスタンなどからの避難民支援(4)経済システムに混乱が生じないための国際協調措置、を挙げている。
 首相はまた、必要があれば財政面などでの追加支援措置もありうると表明した。訪米については「状況をみて判断したい」と述べ、テロ対応策をブッシュ米大統領に直接伝えるために早急に訪米する考えを示した。
 会見に先立って首相は官邸で与党3党首らで会談し、対応策を説明。自衛隊の後方支援と在日米軍の警備強化は、新法と自衛隊法改正で対応することを確認した。公明党側は時限立法を求めたが、「今回のテロに限るとすれば、時限立法の性格をもつことになる」と新法を許容する意見も出た。また、後方支援の際の「武器・弾薬の輸送」を容認する意見もあったが、結論は出なかった。
○武器・弾薬提供 新法の原案調整難航も
 米国の報復攻撃に後方支援をするための新法「米国に対する協力法案」(仮称)の原案の全容が明らかになった。「国連安全保障理事会の決議に基づき、米国の行動に協力する」ことを目的に据えたうえで、後方地域支援活動として「武器・弾薬の提供」や「戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備」を盛り込むなど、現行の周辺事態法に定められた後方支援を大幅に拡大している。「武器・弾薬」の提供などは「武力行使との一体化」につながる恐れがあり、公明党を中心に与党内でも調整が難航するとみられ、国会審議が紛糾するのは必至だ。
 新法の名称は「米国において発生した国際テロリズムに対処するため国連安全保障理事会決議及び国連憲章25条の規定に基づく米国に対する協力に関する法律」。目的のなかで、今回の「国際テロ」への対処に支援対象を絞っている。
 焦点の後方支援の定義については「戦闘行為の行われていないことが認められる我が国の領域及び公海及びその上空の範囲」。周辺事態法では「我が国周辺の公海及びその上空」とされていた。
 政府が原案につけた説明資料では、「今回、かりにインド洋上に米軍を中心とする多国籍軍艦隊が展開した場合、周辺事態法を適用してこれに後方支援を行うことは相当に困難なものと考えられる」という項目がある。原案によると、支援活動の地域が日本周辺の外に大きく踏みだし、インド洋や中東などに及ぶ事態を想定していることが明らかになっている。
 原案では、周辺事態法の規定を準用されていることが記されているが、新たな後方地域支援活動としては、武器・弾薬の提供や戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油・整備を定めている。今後、議員立法の作業の過程でこうした点が調整の対象になるとみられる。
 ただ周辺事態法と異なり、物品提供に武器・弾薬が追加されるとなると今後、本格化する与党内調整で反発が起きるのは必至だ。新法に前向きな公明党にしても、基本的には周辺事態法の骨格に沿って時限性など追加的な「歯止め」が必要との立場だけに、自衛隊の活動拡大を意味するこの追加項目に反発するのは間違いない。
○護衛艦、輸送艦、P3Cなどによる支援艦隊編成へ 海上自衛隊
 同時多発テロへの米国の報復攻撃で小泉純一郎首相が支援策を発表したのを受け、防衛庁は、米軍支援のため、大型輸送艦と周辺を警戒する護衛艦などによる「海上自衛隊支援艦隊(仮称)」を編成する案の検討を始めた。P3C哨戒機を同行させることも視野に入れており、派遣部隊は戦闘能力も備えた、かなり大がかりなものになる可能性がでてきた。こうした部隊編成は、自衛隊では初めてとなる。
 輸送艦は、米軍が今回の報復行動で拠点のひとつとしているインド洋のディエゴガルシアへの物資輸送を行うと見られる。また、大型の輸送艦おおすみなどに医療ベッドなどを満載し、病院船として使用することも計画している。周辺海域の警戒のため、海上では同伴するミサイルなどを装備した護衛艦が護衛し、上空から数機のP3Cがかなり広い範囲の索敵行動を取ると見られる。
<テロ対応措置の骨子>
 (1)米軍等への医療、輸送・補給などを目的に自衛隊を派遣するために所要措置を講じる
 (2)国内の米軍施設や、わが国の重要施設の警備強化
 (3)情報収集のため自衛隊艦艇の派遣
 (4)出入国管理で国際的な情報交換の強化
 (5)パキスタンやインドへの緊急経済支援
 (6)自衛隊による人道支援の可能性も含めた避難民支援
 (7)経済システムの混乱を生じさせないための各国との協調
 
 
 
 
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