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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1999/05/25 朝日新聞朝刊
新しい日米防衛協力のための指針に伴う周辺事態法<全文>
 
 二十四日に成立した新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に伴う周辺事態法の全文は次の通り。
◇目的・定義
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律
(目的)
 第一条 この法律は、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(以下「周辺事態」という)に対応して我が国が実施する措置、その実施の手続きその他の必要な事項を定め、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という)の効果的な運用に寄与し、我が国の平和及び安全の確保に資することを目的とする。
(周辺事態への対応の基本原則)
 第二条 政府は、周辺事態に際して、適切かつ迅速に、後方地域支援、後方地域捜索救助活動その他の周辺事態に対応するため必要な措置(以下「対応措置」という)を実施し、我が国の平和及び安全の確保に努めるものとする。
 2 対応措置の実施は、武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならない。
 3 内閣総理大臣は、対応措置の実施に当たり、第四条第一項に規定する基本計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
 4 関係行政機関の長は、前条の目的を達成するため、対応措置の実施に関し、相互に協力するものとする。
(定義等)
 第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 後方地域支援 周辺事態に際して日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っているアメリカ合衆国の軍隊(以下「合衆国軍隊」という)に対する物品及び役務の提供、便宜の供与その他の支援措置であって、後方地域において我が国が実施するものをいう。
 二 後方地域捜索救助活動 周辺事態において行われた戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為をいう。以下同じ)によって遭難した戦闘参加者について、その捜索または救助を行う活動(救助した者の輸送を含む)であって、後方地域において我が国が実施するものをいう。
 三 後方地域 我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。以下同じ)及びその上空の範囲をいう。
 四 関係行政機関 国家行政組織法(昭和二十三年法律第一二〇号)第三条第二項に規定する国の行政機関及び同法第八条の三に規定する特別の機関で、政令で定めるものをいう。
 2 後方地域支援として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供(次項後段に規定するものを除く)は、別表第一に掲げるものとする。
 3 後方地域捜索救助活動は、自衛隊の部隊等(自衛隊法〈昭和二十九年法律第一六五号〉第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ)が実施するものとする。この場合において、後方地域捜索救助活動を行う自衛隊の部隊等において、その実施に伴い、当該活動に相当する活動を行う合衆国軍隊の部隊に対して後方地域支援として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供は、別表第二に掲げるものとする。
◇国会の承認
(基本計画)
 第四条 内閣総理大臣は、周辺事態に際して次に掲げる措置のいずれかを実施することが必要であると認めるときは、当該措置を実施すること及び対応措置に関する基本計画(以下「基本計画」という)の案につき閣議の決定を求めなければならない。
 一 前条第二項の後方地域支援
 二 前号に掲げるもののほか、関係行政機関が後方地域支援として実施する措置であって特に内閣が関与することにより総合的かつ効果的に実施する必要があるもの
 三 後方地域捜索救助活動
 2 基本計画に定める事項は、次のとおりとする。
 一 対応措置に関する基本方針
 二 前項第一号または第二号に掲げる後方地域支援を実施する場合における次に掲げる事項
 イ 当該後方地域支援に係る基本的事項
 ロ 当該後方地域支援の種類及び内容
 ハ 当該後方地域支援を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項
 ニ その他当該後方地域支援の実施に関する重要事項
 三 後方地域捜索救助活動を実施する場合における次に掲げる事項
 イ 当該後方地域捜索救助活動に係る基本的事項
 ロ 当該後方地域捜索救助活動を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項
 ハ 当該後方地域捜索救助活動の実施に伴う前条第三項後段の後方地域支援の実施に関する重要事項
 (当該後方地域支援を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項を含む)
 ニ その他当該後方地域捜索救助活動の実施に関する重要事項
 四 前二号に掲げるもののほか、自衛隊が実施する対応措置のうち重要なものの種類及び内容並びにその実施に関する重要事項
 五 第三号に掲げるもののほか、関係行政機関が実施する対応措置のうち特に内閣が関与することにより総合的かつ効果的に実施する必要があるものの実施に関する重要事項
 六 対応措置の実施について地方公共団体その他の国以外の者に対して協力を求めまたは協力を依頼する場合におけるその協力の種類及び内容並びにその協力に関する重要事項
 七 対応措置の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項
 3 第一項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(国会の承認)
 第五条 基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する後方地域支援または後方地域捜索救助活動については、内閣総理大臣は、これらの対応措置の実施前に、これらの対応措置を実施することにつき国会の承認を得なければならない。ただし、緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで当該後方地域支援または後方地域捜索救助活動を実施することができる。
 2 前項ただし書の規定により国会の承認を得ないで後方地域支援または後方地域捜索救助活動を実施した場合には、内閣総理大臣は、速やかに、これらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない。
 3 政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、速やかに、当該後方地域支援または後方地域捜索救助活動を終了させなければならない。
(自衛隊による後方地域支援としての物品及び役務の提供の実施)
 第六条 内閣総理大臣またはその委任を受けた者は、基本計画に従い、第三条第二項の後方地域支援としての自衛隊に属する物品の提供を実施するものとする。
 2 防衛庁長官は、基本計画に従い、第三条第二項の後方地域支援としての自衛隊による役務の提供について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、防衛庁本庁の機関または自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。
 3 防衛庁長官は、前項の実施要項において、当該後方地域支援を実施する区域(以下この条において「実施区域」という)を指定するものとする。
 4 防衛庁長官は、実施区域の全部または一部がこの法律または基本計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、またはそこで実施されている活動の中断を命じなければならない。
 5 第三条第二項の後方地域支援のうち公海またはその上空における輸送の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長またはその指定する者は、当該輸送を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合または付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該輸送の実施を一時休止するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、前項の規定による措置を待つものとする。
 6 第二項の規定は、同項の実施要項の変更(第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く)について準用する。
(後方地域捜索救助活動の実施等)
 第七条 防衛庁長官は、基本計画に従い、後方地域捜索救助活動について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとする。
 2 防衛庁長官は、前項の実施要項において、当該後方地域捜索救助活動を実施する区域(以下この条において「実施区域」という)を指定するものとする。
 3 後方地域捜索救助活動を実施する場合において、戦闘参加者以外の遭難者が在るときは、これを救助するものとする。
 4 後方地域捜索救助活動を実施する場合において、実施区域に隣接する外国の領海に在る遭難者を認めたときは、当該外国の同意を得て、当該遭難者の救助を行うことができる。ただし、当該海域において、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、当該活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる場合に限る。
 5 前条第四項の規定は実施区域の指定の変更及び活動の中断について、同条第五項の規定は後方地域捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長またはその指定する者について準用する。
 6 第一項の規定は、同項の実施要項の変更(前項において準用する前条第四項の規定により実施区域を縮小する変更を除く)について準用する。
 7 前条の規定は後方地域捜索救助活動の実施に伴う第三条第三項後段の後方地域支援について準用する。
(関係行政機関による対応措置の実施)
 第八条 前二条に定めるもののほか、防衛庁長官及びその他の関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施するものとする。
◇自治体・民間協力
(国以外の者による協力等)
 第九条 関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる。
 2 前項に定めるもののほか、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる。
 3 政府は、前二項の規定により協力を求められまたは協力を依頼された国以外の者が、その協力により損失を受けた場合には、その損失に関し、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(国会への報告)
 第一〇条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならない。
 一 基本計画の決定または変更があったときは、その内容
 二 基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果
(武器の使用)
 第一一条 第六条第二項(第七条第七項において準用する場合を含む)の規定により後方地域支援としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、その職務を行うに際し、自己または自己と共に当該職務に従事する者の生命または身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。
 2 第七条第一項の規定により後方地域捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、遭難者の救助の職務を行うに際し、自己または自己と共に当該職務に従事する者の生命または身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。
 3 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四五号)第三六条または第三七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。
(政令への委任)
 第一二条 この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続きその他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
付則
(施行期日)
 1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(自衛隊法の一部改正)
 2 自衛隊法の一部を次のように改正する。
 第一〇〇条の九の次に次の一条を加える。
(後方地域支援等)
 第一〇〇条の一〇 内閣総理大臣またはその委任を受けた者は、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、後方地域支援としての物品の提供(前条第一項の適用があるものを除く)を実施することができる。
 2 長官は、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の定めるところにより、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、防衛庁本庁の機関及び部隊等に後方地域支援としての役務の提供(前条第二項の適用があるものを除く)を、部隊等に後方地域捜索救助活動を行わせることができる。
◆別表第一(第三条関係)
種類・内容
〈補給〉 給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈輸送〉 人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈修理及び整備〉 修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈医療〉 傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈通信〉 通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈空港及び港湾業務〉 航空機の離発着及び船舶の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈基地業務〉 廃棄物の収集及び処理、給電並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈備考〉 物品の提供には、武器(弾薬を含む)の提供を含まないものとする。
物品及び役務の提供には、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含まないものとする。
物品及び役務の提供は、公海及びその上空で行われる輸送(傷病者の輸送中に行われる医療を含む)を除き、我が国領域において行われるものとする。
◆別表第二(第三条関係)
種類・内容
〈補給〉 給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈輸送〉 人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈修理及び整備〉 修理及び整備、修理及び整備用機器並びに部品及び構成品の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈医療〉 傷病者に対する医療、衛生機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈通信〉 通信設備の利用、通信機器の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈宿泊〉 宿泊設備の利用、寝具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈消毒〉 消毒、消毒機具の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供
〈備考〉 物品の提供には、武器(弾薬を含む)の提供を含まないものとする。
物品及び役務の提供には、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を含まないものとする。
<安保政策巡るキーワード>
●湾岸戦争
 1990年8月、イラク軍のクウェート侵攻で湾岸危機が始まり、翌91年1月、米軍主力の多国籍軍がイラクへの空爆を開始した。
 日本は当初、支援策として食料品の輸送や医療団を派遣。戦争が始まってからは、多国籍軍への90億ドルの資金援助などを追加した。
 戦争後、ペルシャ湾の機雷除去のため、自衛隊の掃海艇を派遣した。
●PKO協力法
 国連が地域紛争の沈静化や再発防止のために加盟各国から提供された要員を派遣する国連平和維持活動(PKO)への自衛隊の参加を可能にする法律。
 憲法が禁じた自衛隊の海外派兵につながるとして社会党などが反対したが、92年6月、自民、公明、民社3党の賛成多数で成立。92年9月、カンボジアPKOに自衛隊を派遣した。
●北朝鮮危機
 国際原子力機関(IAEA)が93年2月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に未申告の核廃棄物処理・貯蔵施設があるとみて特別査察を要求したが、北朝鮮が拒否。3月に核不拡散条約(NPT)脱退の意向を表明して一時期、武力衝突の危機感が高まった。
 同年6、7月の米朝高官会談で北朝鮮はNPT脱退を留保、北朝鮮への軽水炉技術導入を支援するための会談を開催することで合意した。94年7月から第3次会談を開始。金日成主席の死去で一時中断したが、同年10月、米朝両国は包括的な枠組みで合意し調印した。
●安保再定義
 旧ソ連の崩壊で、日米両国は旧ソ連封じ込めを主な目的とした日米安保条約の意義を「再定義」する必要に迫られ、ジョセフ・ナイ国防次官補の提唱で95年から作業を始めた。
 95年2月、米国はアジア・太平洋地域の展開兵力約10万人の維持をうたった東アジア戦略報告を発表。同年11月、日本は日米安保の意義を再確認した新防衛計画の大綱を作成した。96年4月の日米首脳会談で日米安保共同宣言を発表。日米安保の新たな役割を「アジア・太平洋地域の平和と安定の維持」として、同盟関係の重要性は変わらないことを確認、一通りの作業を終えた。
●沖縄の基地問題
 在日米軍専用施設の約75%が集中する沖縄県では、95年9月の米兵による少女暴行事件をきっかけに反基地運動が広がった。大田昌秀県知事は駐留軍用地特別措置法に基づく代理署名を拒否。同年11月、政府は米国との間に日米特別行動委員会(SACO)を設置。96年4月の中間報告で、普天間飛行場の返還を盛り込んだ。
 代替施設としてキャンプ・シュワブ沖の海上ヘリポートを検討したが、地元の名護市の市民投票で反対派が多数を占め、大田知事も受け入れを拒否。その後も政府と沖縄県との交渉は難航。98年11月の知事選で、代替施設の県内移設を容認する稲嶺恵一氏が当選したが、目標の2003年までの移転完了は不可能とみられる。
●テポドン発射
 北朝鮮が98年8月、「テポドン」を発射し、日本列島を飛び越えて三陸沖の太平洋上まで到達した。北朝鮮は「人工衛星の打ち上げ」と主張し、米国も「人工衛星打ち上げの失敗」との見解を発表したが、日本は「弾道ミサイル発射の可能性が高い」と結論づけた。
 発射後、日本は北朝鮮との国交正常化交渉や食糧などの人道支援の凍結を表明、情報収集衛星の導入を決めた。さらに99年度から戦域ミサイル防衛(TMD)の日米共同技術研究を始めるために約10億円の予算を計上した。
 
 
 
 
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