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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1998/06/23 朝日新聞夕刊
同盟強化、乏しい根拠 「敵不在」、苦しい説明 防衛白書<解説>
 
 一九九八年版「防衛白書」は、日米同盟を強化する意義と「新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の具体化への努力をうたい上げた。しかし、それはどのような脅威、いかなる危機に備えるものなのか。同盟強化には、どういう効用があるのか。白書は冷戦後の「敵不在」のなかで、苦しい説明に終始している。
 なぜ、新ガイドラインか。白書は、その根拠となる情勢について、アジア太平洋地域でも、不安定性と不確実性が依然として存在しているとして、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態が発生する可能性は否定できない」としている。
 ところが、極東ロシア軍や中国については、これまで以上に不安定性を感じさせない記述になっている。極東ロシア軍は昨年同様、「ピーク時に比べ、大幅に削減された。訓練は依然として低調。充足率も低下」としており、北方領土の部隊については、昨年の「縮小」から「大幅に縮小」に格下げされた。中国も、軍事力近代化のペースはゆるやかだという従来の見方に加え、昨年の白書で「台湾海峡の状況などについて、今後とも注目が必要」としていた「台湾有事」への警戒感が削られた。日米防衛協力が、台湾海峡を含まないよう求めている中国に配慮したという。
 そうしたなか、「不安定性と不確実性」は、主として朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が引き受けている格好だ。白書では、弾道ミサイル「ノドン」について、開発完了の可能性に触れ、「国際社会全体に不安定をもたらす」と指摘。「米国が『開発を完了』と言っているのに、日本がいつまでも『開発中』というのはいかがなものか」(防衛庁幹部)との判断からだが、日本が独自に開発を確認できているわけではない。
 たしかに、東西対立がなくなったからといって、国際紛争がなくなるわけではない。「低強度の紛争に備える」というのも一つの考え方だが、それならば「何に、どう備えるのか」、十分な説明が必要だ。懸念される紛争とは何か。そのために、現在の自衛隊や在日米軍の規模や配置は適正なのか。日米協力はどんな場合でも日本の国益に合うのか。そうした疑問に正面から答えることを避けていては、安全保障政策に対する不信感を生み、ひいては日米同盟に対する信頼も損なってしまうだろう。
(政治部・有田哲文)
 
 
 
 
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