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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1995/12/15 朝日新聞朝刊
新たな防衛像示せず 安保の論議乏しく 中期防衛力整備計画<解説>
 
 十四日夜の安全保障会議で決まった新しい中期防衛力整備計画(中期防)は、冷戦終結に伴う国際情勢などの変化に対応して約二十年ぶりに見直された「防衛計画の大綱」を、装備などの面から具体化するものだ。戦車や戦闘機などの正面装備の契約額を現行中期防(九一―九五年度)と同水準にするなど、「軍縮」を思わせる部分もある。しかし、全体では陸、海、空各自衛隊の要求を総花的に盛り込みつつ、与党各党の主張を部分的につなぎ合わせたとの印象はぬぐえない。
 防衛庁は次期中期防について、「新大綱に盛られた防衛力のコンパクト化を念頭におき、必要最小限の内容にした」(幹部)と説明する。総額は現行中期防より増えたとはいえ、正面装備の契約額はほぼ据え置かれた。自衛隊の縮小についても、二〇〇〇年度末に陸上自衛隊の実員を現在の約十五万人から十四万七千人程度に縮減するなどの削減目標も掲げた。
 一方で、新しい装備の導入もしっかりと盛り込まれている。
 次期中期防の「目玉」のひとつといえる次期支援戦闘機(FSX)は、平均価格約八十億円と高額な装備。機数は減らされたものの、量産化の方向が確認された。戦車や護衛艦という正面装備の中核部分もほぼ現行中期防の水準を維持している。将来の防衛技術の維持・向上を図るため、量産を前提としないで戦闘機の開発研究を行う「技術実証型研究」の実施なども打ち出された。
 空中給油機(一機当たり価格二百億円)の導入を当初見合わせたことなどは一応、政治の側がブレーキをかけた形だが、与党内の調整の実態をみると、中期防の総額やFSXの機数などで防衛庁の要求を大目にみることと、「取引材料」になった面は否めない。
 年平均実質伸び率についても、表向きは現行中期防の二・一%を踏襲しているが、実質的には「調整枠」の一千百億円と合わせて二・二五%の伸びを確保するなど、防衛当局による「からくり」が隠されてもいる。
 次期中期防の検討過程の中では、「どうしてその装備が必要なのか」「周辺諸国にどんな印象を与えるか」など日本の安全保障を多角的に踏み込んで議論する場面は少なかった。「軍事的に積み上げた結果だ」という防衛庁側の通り一遍の説明が素通りしていたのが実態だ。日本の安全をどう確保していくか、国民にも外国からも分かりやすい防衛力の姿を政治の議論のなかで作り上げていく努力が求められている。
(吉田貴文)
◇中期防の骨子
 ●総額は二十五兆一千五百億円(別枠として一千百億円)
 ●次期支援戦闘機(FSX)四十七機を導入
 ●空中給油機は初年度は導入せず、なお検討
 ●戦域ミサイル防衛(TMD)は有用性、費用対効果などを総合的見地から十分検討のうえ結論を得る
 ●三年後に総額の範囲内で必要に応じて見直す
 
 
 
 
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