中期防衛力整備計画(91―95年度)は、76年に決定した「防衛計画の大綱」に定める水準がおおむね達成される状況を踏まえ、国際情勢の変化等を勘案しつつ、大綱の基本的な考え方の下、これに定める防衛力の水準の維持に配意し、効率的で節度ある防衛力の整備に努めるとしている。
国際情勢は、安定化に向けて各般の努力が継続されている中で、なお各種の不安定要因が存在しているが、特にソ連の解体により東西冷戦が終結した結果として、総じて、好ましい方向への流れが計画策定時よりもさらに進行しつつある。また、財政事情は、一段と厳しさを増している。
主要装備については、大綱に定める水準を全体として適切に維持することに重点を置きつつ、防衛力の在り方の検討を行っていることをも念頭に置いて、より緩やかな形で整備を進めるとの観点から、一部任務の遂行態勢の緩和等に留意し、事業の実施を一部見送るとともに、諸外国の技術水準への対応に配意し、老朽装備の更新・近代化及び欠落機能の是正に努める。
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