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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1991/01/24 朝日新聞夕刊
多国籍軍へ90億ドル 自衛隊機、難民輸送に派遣 湾岸支援策決定
 
 政府・自民党は24日午前、首相官邸で海部首相、小沢幹事長らによる首脳会議を開き、湾岸支援策として、(1)米国を中心とする多国籍軍に対し90億ドル(約1兆2000億円)の新たな資金協力を今年度中に行う(2)自衛隊法施行令を改正して自衛隊輸送機を派遣、アンマン―カイロ間などの被災民移送に当たる(3)アジア系被災民の帰国のため26日に政府チャーターの民間機をカイロに派遣する、の3点を決めた。90億ドルの拠出は今年度予算の第2次補正で短期国債を発行、来年度以降の増税で財源を手当てする方針。紛争地域への自衛隊機派遣は初めてで、同日夕の安全保障会議、25日の閣議で政令改正を決める段取りだ。社会党などは、事実上の戦費分担となる多国籍軍への資金協力は「軍事支援だ」などと反発、自衛隊機派遣も「海外派兵へ踏み出した」と受け止めており、憲法論議が噴き出すのは必至。海部首相は増税問題の処理などと合わせ、大きな課題を背負った。
 この日の会議は、前夜の決定持ち越しを受けて午前9時から開かれ、政府側から首相、橋本蔵相、中尾通産相ら、党側から小沢氏ら党4役が出席。首相が支援策について90億ドルの追加協力など、政府部内でまとめた支援策を示して説明。とくに自衛隊機の派遣について、自衛隊法100条の5(国賓等の輸送)に基づき、施行令を改正して被災民の移送の項目を新たに設けることで派遣を実現する、との方針を示した。これに対し、党側から異論もなく、会議は10分足らずで終わった。
 政府は、同日夕、湾岸危機対策本部会議を開き、支援策を正式に決めるとともに、同日の安保会議、25日の閣議で自衛隊法施行令を改正する。自衛隊機の派遣は、国際移住機構(IOM)からの要請が具体的にあり次第、派遣できるよう準備に入る。防衛庁は、C130H輸送機を派遣する方針で、近く調査団をカイロに派遣する。
 自衛隊機の海外派遣は、これまでの政府見解では「自衛隊法に任務規定がない」としてきたが、今回、政府は、「人道的理由」をあげて、法改正ではなく閣議決定でできる政令改正の形で派遣に踏み切った。施行令改正は、対象を今回の湾岸戦争の戦火に追われた被災民に限る時限的措置とすることで一定の歯止めをかける、としている。
 民間機による被災民輸送は、日航、全日空が基本的に了承、26日に第1便をカイロに派遣、同地とホーチミン市(ベトナム)間の被災民移送を行う予定。現在、湾岸戦争でベトナム人労働者らがヨルダンに流入、カイロに避難している。運航はサウジアラビアを避け、カイロから欧州、日本を経由し、日航、全日空が分担して受け持つ案などが検討されている。
 資金協力については、23日夜の政府・自民党首脳会議で、湾岸周辺国に10億ドルの経済援助を上積みする案なども出ていたが、周辺国援助では昨秋に拠出した20億ドルのうち約10億ドルが未消化なこともあり、今回は上積みは見合わせた。多国籍軍への90億ドルの積算根拠については23日の会議で、政府側が「多国籍軍の戦費が1日5億ドルかかり、その3カ月分(450億ドル)の2割を日本が負担することになった」と説明した。
 財源は、増税でまかなうこととし、政府で今後、税目、増税期間などを詰める。増税収入が入るまで2、3年の短期国債を発行するが、そのための第2次補正予算案は、できる限り早期に国会に提出する予定。
 90億ドルの拠出金は、湾岸協力会議(GCC)に設けた湾岸平和基金に拠出する。資金の使途について、党側は「戦争も始まっており、制限をつけても意味はない」との意向だが、政府はこれまで「武器・弾薬の調達には絶対使わせない」と国会で答弁しており、この日の会議では結論を持ち越した。
○自衛隊法100条の5(国賓等の輸送)
 (1)長官は、国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる(2)自衛隊は、国賓等の輸送の用に主として供するための航空機を保有することができる。
○自衛隊法施行令126条の16
 法100条の5(1)に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
 1 天皇及び皇族
 2 国賓に準ずる賓客
 3 衆議院議長及び参議院議長
 4 最高裁判所長官
 5 内閣総理大臣又は前2号に掲げる者に準ずる者
 
 
 
 
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