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私はこう考える【自衛隊について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1985/09/09 朝日新聞朝刊
18兆円台めぐり攻防 防衛力整備の政府計画案
 
 61年度から5カ年の防衛力整備計画を、中期業務見積もりというこれまでの防衛庁の内部計画から政府計画に格上げする方針が政府・自民党内で決まったのを受け、防衛、大蔵両省庁間で防衛庁原案をもとにした政府計画案づくりの作業が本格化した。しかし「防衛計画の大綱」で示された防衛力水準の達成をにしきのみ旗に、同期間中の国民総生産(GNP)の1.09%に当たる約19兆3000億円(60年度価格換算)を要求する防衛庁と、硬直化した財政事情からGNPの1%に当たる約17兆7000億円程度(同)に抑え込みたいとする大蔵省の隔たりは大きく、調整作業の難航は必至。防衛庁は今週末ごろまでに政府案をまとめたい考えだが、最終的には竹下蔵相、加藤防衛庁長官の政治折衝に持ち込まれそうだ。
「脱1%の足場に」防衛庁 「突出いまが限界」大蔵省
 防衛庁原案は「大綱」が示している航空自衛隊の作戦用航空機約430機、海上自衛隊の水上艦艇約60隻、潜水艦16隻などの防衛力水準を5カ年で達成することを目標としている。現在、航空機、艦艇とも量的にこの水準を大きく下回っているため、F15戦闘機約65機、P3C対潜哨戒機約55機、護衛艦10隻、戦車約260両などを要求。さらに指揮・統制・通信・情報(C3I)機能の充実、正面装備に比べて遅れている基地施設や隊舎など後方の整備も盛り込んでいる。これに7兆円を超える隊員の人件費を加えると、物価上昇を加味しない60年度価格換算で約19兆3000億円になる、としている。
 同期間のGNPは「1980年代経済社会の展望と指針」(昭和58年8月閣議決定)で示された実質成長率4%で試算すると5年間合計で約1770兆円(60年度ベース)。防衛庁要求額はその1.09%となり、1%枠を突破するが、防衛庁は「1.1%以下で、1%を大きく超えるわけではないことから、国民にも理解してもらえる額だ」としている。
 これに対し大蔵省側は「1%枠問題は抜きにしても、財政面からはとても認められない額だ」と否定する。19兆3000億円という数字は60年度価格の数字であり、今後毎年2.5%程度の物価上昇があるとすれば、今後5年間に実際に予算に計上する額は合計約21兆円にもなる。これは60年度の防衛費の3兆1371億円を基準とすれば、毎年度10%近くふやしていかないと達成できない計算になる。
 国の財政は多額の借金(公債)を抱え、現状でも他省庁の予算はマイナスシーリングで厳しく抑え込まれながら、防衛費だけが4年連続の突出を続けている。大蔵省としては「他の予算とのバランスから、防衛費の伸びはここ数年と同じ6―7%が許容限度。それ以上伸ばすには公共事業など他の予算を大きく削らなければならなくなる」(主計局幹部)という。
 防衛費をGNPの1%以下にするという51年の閣議決定が今回撤廃されず、「できるだけ尊重する」ことになったこともあり、大蔵省はこの方針とある程度つじつまを合わせるためにも、できれば1%ラインの17兆7000億円、ふえても18兆円以下に抑え込みたいと考えている。
 一方の防衛庁は悲願の1%枠撤廃が実現しなかったため、なおさら政府計画では1%ラインを確実に突破させ、将来の枠撤廃への足がかりを作っておきたいところだ。同庁幹部は「航空機の導入ペースを少し遅らせたり、弾薬備蓄量を減らすなど、ある程度の妥協はするにしても5、6千億円の削減が限度だ。それ以上削られると政府目標である大綱達成ができなくなり、絶対に応じられない」と強硬だ。両省庁間の主張にはまだ7000億円近い開きがあり、今後自民党の防衛族も巻き込んだ激しい攻防が展開されそうだ。
 
 
 
 
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