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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/07/26 朝日新聞朝刊
「点取り競争」振り返れば(ニッポンの学力 転機の教育:6)
 
 高松市の瀬戸内海を見下ろす「少年自然の家」の敷地に、古いブロンズ像が立っている。
 「希望の像」。手ぬぐいを背中に回した少年がすっくと立つ。注意を払う人はほとんどいない。自然の家職員も「由来は聞いたことがない」。
 37年前、香川県が「学力日本一」に輝いたことを祝って立てられた。
 旧文部省の小中学生の全国学力テストで、香川県は61年度から4年連続で最多科目日本一を達成した。
 それを祝って、「日本一」と染め抜いた手ぬぐいと紅白まんじゅうが校長らに配られた。ブロンズ像もその記念だった。
 そのころ高松市内の中学教師だった山本繁さん(69)は学力テスト前の独特の雰囲気を忘れられない。平均点の底上げのために、本番2カ月前から連日、模擬テストを繰り返し、朝夕の補習も続けた。「先生の顔、テストの時は鬼みたい」と女子生徒から言われた教師もいたという。
 学力テストは「自治体間の競争をあおる」などと批判され、66年度を最後に中止された。
 「子どもの立場を無視して、学力調査に突進した」。退職後の今も山本さんは納得がいかない。
 だが点取り競争を強いられた当時の子供たちの誰もが、その経験を後悔しているわけではない。中学時代、テストに追われた高松市の森田紘一さん(58)はその後、東京の有名私大に進み、今は従業員180人の工務店を経営する。
 社会に出れば厳しい競争が日常だ。「子供時代に競争を経験させない方がむしろかわいそう」と話す。「学歴や偏差値で人の優劣を見る日本の価値観は当時も今も変わっていない」と感じる。
 「一流大学合格のための独自カリキュラム」を売り物にしている私立の新設校、香川誠陵中の教頭、小池仁さん(48)も理解を示す。「香川は全国一小さな県。大きな産業もない。人材育成のために教育に力を入れたのは自然な発想」と思う。
 今年秋から、香川県教委は独自に小3から中3まで全県一斉の学力調査を始める。小学生に漢字や計算を競わせる独自の「学力コンテスト」を計画する町も出てきた。
     *
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