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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/02/07 朝日新聞朝刊
子や親に開いた学校に 教研集会(社説)
 
 4月から学校は毎週土、日曜日が休みになり、新しい学習指導要領が始まる。
 どんな授業や行事をし、どんな時間割りにするのか。それらの計画である教育課程を、子どもや保護者の声も集めて決める学校が増えている。
 追い風は新要領が学校の裁量を広げたことと、学校評議員制度の導入などで学校を開こうとする機運が出てきたことだ。
 51年改定の指導要領が、教育課程について「両親や地域社会の人々に直接間接に援助されて、児童・生徒とともにつくらなければならない」と述べて半世紀。「子どもや親とともに学校をつくる」というかけ声はようやく具体化しつつある。
 先ごろの日教組と金教の二つの教研集会でも、いくつかの試みの報告があった。
 北海道のある小学校は、教員側の方針案を示したうえで保護者にアンケートをとった。「教科書を全部教えて」と答えたのは4%だが、「基礎を時間をかけて」は30%を占めた。わが校の基礎とは何か。教師たちは教科ごとに検討し、重点を決めた。
 そうした報告に、会場からは「親の意見を聞くのは怖い」という発言が出た。教師たちの側には、学校の権威を傷つけたくないという気持ちが強いようだ。
 ある高校では、教師のつくったアンケー卜内容に校長が「学校を親の批判から守らなければならない」と反対したという。
 親の中には、わがま5まな主張や理不尽な意見もあるだろう。だが、だからといって保護者の声を避けてよいだろうか。
 父母の側にも「学校に子どもを人質にとられている」という意識があるという。懇談会やPTAで本音を出せない人が少なくないとも聞く。
 教師と保護者が互いにすくんでいる構図は望ましくない。子どものために願いを出し合うのが改革の早道だ。問題を乗り越えた学校ほど親の声を聞こうとするのは、そのことがわかったからだろう。
 滋賀県の小学校は、学校で一番嫌なことや、一番心に残る授業などを問う「学校通信簿」を子どもにつけてもらう取り組みを報告した。保護者アンケートと比べると、学年を超えた班で遊ぶ活動を子どもは嫌がり、親は続けてほしがっていた。
 教師は説明会を開き、保護者に活動の廃止を提案した。高学年の子も全員同席して話し合い、なくすことに決めた。
 子どもや親の声を生かすには、方針を説明しアンケートをとるだけでは足りない。結果を公表し、多様な価値観をぶつけ合う場をつくって初めて「自分たちの学校」という意識が生まれるのではないか。
 そうした試みが、教育課程をつくれば終わり、となるなら残念だ。土、日曜日をどう過ごすか。学力の実態はどうか。議論しなければならないことは一層増えそうだ。子ども・親・学校の常設の協議会など、話し合いの場づくりにつなげてほしい。


 
 
 
 
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