日教組は財政上の安定、税制上の得を選んだ。大会では、ためらいなく、圧倒的多数で規約改正が決まった。来月にも法人化の申請を出す。社団法人日本教職員組合の誕生である。
「そうはいっても、組織の浮沈にかかわる問題のときには、ストを打つ」と幹部はいう。いうそばから「ストは当分考えられない。ま、ないナ」と付け加える。実際、85年以来ストをしていないし、その最後のストも処分の対象とならぬ「29分スト」だった。
いまの執行部は「参加・提言・改革」路線を歩む。大場昭寿委員長は「臨教審の答申を全部ナタでたたき割ることはできない。まずい点もあるが、いい点もある」と、一般常識ではその通りだが、かつての委員長たちが聞けば「モンダイッ」と叫びそうな言葉を吐く。
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