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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1986/03/31 朝日新聞朝刊
臨教審第2次答申原案(要旨)
 
 臨時教育審議会が30日まとめた第2次答申原案の要旨次の通り。
 ☆前文(略)
 
☆第1部 21世紀に向けての教育の基本的なあり方
 第1節 歴史の教訓(略)
 
 第2節 学校教育の荒廃
 (1)危機に立つ学校教育
 現在、わが国の学校教育、とりわけ初等中等教育は深刻な危機のなかにある。陰湿ないじめ、子供の自殺、登校拒否、青少年非行、校内暴力、家庭内暴力、学業遅進、偏差値偏重の受験競争の過熱、学歴偏重、問題教師、体罰、極端な管理教育、組合の職場闘争の行き過ぎ等にあらわれている教育荒廃の諸症状は、現在の学校社会の内部及び外部に摘出手術すべき病理メカニズムが形成されてしまっていることを示している。教育荒廃の諸症状の総合診断を通して、この複雑で根深い病理メカニズムの本質を解明することができない限り、学校改革、教育改革の正しい処方せんを見いだすことはできないだろう。
 
 (2)教育荒廃の諸要因
 現在、「教育荒廃」と総称されている社会病理現象の諸要因は、複雑な相互連関構造をなしているものと考えられるが、これらの諸要因は、
 (a)近代工業文明の特質、限界と関連する問題群
 (b)日本社会・文化の特質、変動と関連する問題群
 (c)わが国学校教育の特質、変動と関連する問題群の3つの主要な問題群に大別して分析することができる。
 
 (3)学校教育の「負の副作用」
 教育荒廃の現状分析に関して重要な視点は、わが国学校教育の硬直的、画一的、閉鎖的な体質、学歴偏重、偏差値偏重、極端な管理教育などの「負の副作用」が、豊かな人間形成を妨げ、子供の心理的重圧感と欲求不満感を非常に高めているという点である。
 また戦後教育界に持ち込まれた不幸なイデオロギー的、政治的対立、不信が硬直化、画一化の原因ともなり、また教育現場の人間関係の崩壊にもつらなり、教育荒廃の根深い原因となっていることにも注意し、この不信の一掃と相互信頼の確立、政治的対立を越えるものとしての教育の復権、教育の主体性の確立のために必要な方策を講ずることが極めて重要である。
 
 第3節 未来からの挑戦(略)
 
 第4節 21世紀のための教育目標
 (1)教育基本法の精神
 今次教育改革は幅広い国民的合意を基礎に、教育基本法の精神をわが国の教育土壌にさらに深く根づかせ、21世紀に向けてこの精神をさらに創造的に発展させ、実践的に具体化していくことでなければならない。
 
 (2)21世紀のための教育の目標
 これらの諸点を踏まえ、歴史の教訓、教育荒廃の諸要因、教育の未来展望および教育基本法の精神を基礎として、21世紀のための教育の目標を現段階でまとめてみると、次のようなものが特に重要なものと考えられる。
 一、ひろい心とゆたかな創造力
 二、自由・自律・連帯の精神
 三、世界の中の日本人
 
 第5節 21世紀のための教育体系の再編成
 (1)教育体系再編成の必要性
 教育体系の再編成に関する諸提言の歴史的経緯を踏まえて、臨時教育審議会は生涯学習体系への移行を主軸として、21世紀のための教育体系の総合的な再編成を提案するものである。
 来るべき21世紀に向かって、このような教育体系の再編成を要請している時代的背景としては、特に次の諸点が重要であると考えられる。(a)学歴社会の弊害(b)偏差値偏重の受験体制の弊害(c)義務教育、公教育の学校の荒廃(d)教員の資質低下(e)家庭の教育力、地域社会の教育力の衰弱(f)学校教育体系と学校外の諸教育体系との摩擦の増大など、学校教育体系の肥大化(量的拡大と学校教育期間の長期化など)に伴う負の副作用の増大である。
 
 (2)教育体系の再編成の目標
 臨時教育審議会は、これからの学習が、各人の自発的意思に基づき、必要に応じて、自己に適した手段・方法を、自らの責任において自由に選択し、生涯を通じて行われるべきものであるという基本的な考え方に立ち、個性重視の原則すなわち自由、自律、自己責任の原則並びに選択の機会の拡大の原則等に基づき、以上に述べたような教育体系再編成の必要性をしっかりと認識して、生涯学習体系への移行をめざして必要な改革措置が長期的、総合的に取られるよう提案するものである。
 この改革は、長期にわたるものとなろうし、また文部省をはじめ各省庁、各地方自治体等がそれぞれに分担してきた広い意味での教育関連行政の大胆な見直し、分割・再編・協力による新しい多元的・重層的構造の形成、教育分野における民間活力の再評価、官民の役割分担の見直しなど広範囲に及ぶものとなろう。
 
 (3)教育体系の再編成の基本方向――新しい柔軟な教育ネットワークの形成――
 明治以来の教育体系の整備・拡充の歴史を経て、現在、わが国は世界でも最も教育の普及した、教育文化水準の高い国家のひとつとなっている。こうした教育の普及、教育文化水準の飛躍的な上昇と成熟を背景に、国民の自発的意思に基づく学習意欲の新たな高まりが見られるとともに、多様な新しい学習需要が急速に増大しており、これに対応して、従来の学校教育体系の枠を越える、多様で独創的な新しい教育サービス供給体系が登場してきている。他方、これも既に指摘したように、このような教育の普及、量的拡大、とりわけ実生活と分離し、人生初期に集中し過ぎた学校教育の肥大化に伴う様々な負の副作用が、陰湿ないじめ、校内暴力、青少年非行などの学校教育の荒廃に見られる病理現象をもたらし、教育体系の抜本的な見直しと総合的な再編成を強く要請している。
 
☆第2部 教育の活性化とその信頼を高めるための改革
 第1章 生涯学習体系への移行
 (1)生涯にわたる学習機会の総合的整備
 (2)生涯学習のための家庭・学校・社会の連携
 
 第2章 家庭教育の改革
 (1)親となるために必要な学習の重視、家庭科等の見直し
 (2)家庭基盤整備
 ▽子どもの心をめぐるカウンセラー等の養成、研修、職域の拡大等の検討▽育児休業、女子再雇用制度の推進等▽新しい井戸端会議の提唱――など
 (3)自然体験学習、農山漁村との交流の推進等
 (4)家庭、学校、地域の連携の推進
 ▽学校給食の見直し▽基本的生活習慣のしつけ――など
 
 第3章 初等中等教育の改革
 1.徳育の充実
 (1)生活習慣のしつけや基本的行動様式の形成・定着、「生き方」の指導の充実
 (2)自然の中での体験学習、集団生活の機会、ボランティア活動への参加促進
 (3)特設道徳の内容の見直し等
 (4)道徳教育の充実のため補助教材の使用の奨励
 (5)教員の指導力を高めるため、教員養成、現職教育の充実・改善
 
 2.初等中等教育の教育内容の改善
 (1)教育内容の改善の基本方向
 ア.基礎・基本の徹底、主体的に学ぶ意志、態度、能力の育成を図る観点からの学校段階ごとの教育内容の重点化、教育内容の量や程度の見直し、精選等
 イ.個性の伸長を重視する観点からの教育内容・指導方法の多様化
 ウ.特に後期中等教育段階において学校教育活動を社会に開かれたものとするため、社会参加、ボランティア活動の積極的導入等
 (2)教科の内容・構成
 ア.小学校低学年における教科の総合化
 イ.中等教育段階における「社会科」の教科構成の在り方、家庭科の内容と取り扱いの検討、言語教育の重視
 ウ.健康教育の充実
 (3)教育内容にかかわる制度の運用上の改善
 ア.学習指導要領の大綱化等
 イ.高等学校の修業年限を3年以上とする方向で弾力化等
 ウ.学校等間の接続・連携の円滑化、高校職業科卒業生の大学入学に配慮等
 
 3.教員の資質向上
 (1)初任者研修制度の創設
 ア.初任者研修制度の導入
 イ.特別の指導教員の配置、研修担当主事の配置を含む研修体制の整備
 ウ.教員の条件付き採用期間を1年に延長
 (2)現職研修の体系化
 ア.研修体系の整備
 イ.教職生活の一定年限ごとの長期研修制度の整備
 ウ.代替教員の配置
 (3)教員養成・採用の改善
 ア.教育実習の役割、方法等の検討等
 イ.教員採用について選考方法の多様化、採用スケジュールの早期化
 ウ.特別の免許状制度の創設等
 (4)教職適性審議会
 
 4.教育条件の整備
 ア.過大規模校の解消、学校規模の適正化
 イ.40人学級の実施を含む現行の教職員定数改善計画の円滑な実施等
 ウ.施設・設備の充実
 エ.高等学校について、小・中学校に準じた改善
 
 第4章 高等教育の改革
 1.高等教育の基本方向
 
 2.大学教育の充実及び個性化
 ア.大学設置基準等の大綱化・簡素化
 イ.一般教育・専門教育の内容・在り方等の検討
 ウ.教育方法の多様化、教育組織の弾力化
 エ.単位制の再検討、2学期制の採用、編入学の推進、大学入学資格の年齢制限の緩和の検討
 オ.パートタイム・スチューデント等社会への開放
 
 3.大学院の飛躍的充実
 ア.修士課程の在り方、社会への開放、修業年限の検討
 イ.博士課程の在り方、社会への開放等、修業年限の在り方、若手研究者の育成
 ウ.新しい形態の大学院の推進、大学院固有の組織等充実
 エ.学位制度の在り方の再検討
 
 4.高等教育機関の多様化と連携
 ア.大学等の個性確立を助長する施策
 イ.短大の在り方
 ウ.高等専門学校の分野拡大等の検討
 エ.放送大学、通信教育
 オ.芸術系大学の振興
 カ.単位累積加算制度の導入の検討
 
 5.学術研究の積極的振興
 (1)大学における基礎的研究の推進
 ア.研究組織の活性化
 イ.大学付置研究所等の改善・充実
 ウ.助手の在り方の検討、研究者の流動化、研究支援体制の見直し
 エ.学術情報システムの整備
 オ.研究助成の拡大と研究施設、設備の整備
 カ.人文・社会科学の振興
 (2)学術研究上での大学と社会の連携の強化
 ア.情報と人材の交流の推進
 イ.民間研究者等の継続教育、教育訓練
 ウ.地域社会との連携
 エ.共同研究の推進
 オ.民間資金、寄付講座の導入
 (3)学術の国際交流の促進
 ア.研究者の国際交流
 イ.大学間協定の活性化と国際的な学術の共同研究の積極化
 ウ.国際学会の援助と学術情報体制の国際化
 エ.国際学術交流事業推進組織の強化
 
 6.大学の自己評価と大学情報の公開
 
 7.ユニバーシティ・カウンシル(大学審議会―仮称)の創設
 
 第5章 社会の教育の改革
 1.自主的な学習活動の促進
 (1)学習情報のネットワーク化、情報提供、相談体制の整備などの行政体制の整備
 (2)民間における教育・スポーツ・文化事業の支援
 (3)学習活動等による地域社会への参加の促進、地域連帯の育成
 (4)ボランティア等社会参加の機会の拡大
 (5)社会教育指導者の確保と資質の向上
 (6)放送大学の対象地域の拡大等
 
 2.生涯職業能力開発の総合的推進
 (1)企業内教育訓練体制の整備
 (2)自己啓発意欲の向上
 (3)生涯職業能力開発のための施設の整備
 (4)職業能力評価制度の改革
 
 3.生涯学習の基盤整備のための学校教育の改革等
 (1)リカレント教育の推進
 (2)学校開放の推進
 (3)地域と大学等との連携
 (4)職業教育の振興
 (5)学習の奨励措置、生涯学習に関する各種施策等の連携等
 
☆第3部 時代の変化に対応するための改革
 第1章 国際化への対応のための諸改革
 1.帰国子女・海外子女教育への対応
 (1)帰国子女の経験等に対する日本の学校での正当な評価
 (2)日本語のできない外国人の子どもが進んで入学する学校づくり
 (3)海外子女に現地でのみ得られる経験を積極的に積ませるという長期的方向と当面の措置としての日本人学校等の整備
 
 2.留学生受け入れ体制の整備・充実
 (1)大学等における教育指導体制の充実、宿舎の確保、学位取得等受け入れ体制全般の抜本的整備
 (2)大学情報の提供、入国・滞在等に当たっての諸規制の弾力化、高校留学生の受け入れの促進等
 (3)官民一体となった体制づくり
 
 3.外国語教育・日本語教育の充実
 (1)各学校段階における英語教育の目的の明確化、教育内容の見直し等
 (2)大学入試における英語についての検討
 (3)日本人の外国語教員の養成や研修の見直し等
 (4)外国人を含めた日本語教員及び研究者の養成、日本語の教授法や教材の研究・開発等の検討
 (5)日本語教員検定制度の導入
 
 第2章 情報化への対応のための諸改革
 1.初等中等教育や社会教育への情報手段の活用と情報活用能力の育成(1)良質の教育用ソフトウエアの開発、蓄積、設置の促進のための施策
 (2)情報化に関する教員の資質の育成、情報手段の教育活動に関する実践的な応用研究の促進
 
 2.高等教育や学術研究への情報手段の活用と人材の育成
 大学における情報教育の拡充、学術情報システムの整備、図書館の情報化等の推進等
 
☆第4部 教育行財政改革の基本方向
 1.教育行財政の規制緩和の推進
 21世紀を展望した教育行財政改革の推進に当たっては、第1次答申に示された「改革の基本的考え方」、特に(1)個性重視の原則(2)選択の機会の拡大(3)生涯学習体系への移行を重視し、次の3つの原則を基本として教育行財政の抜本的改革を進める。
 (1)従来の教育行財政全般にともすると見られがちであった過度の画一主義、瑣末(さまつ)主義、閉鎖性等を打破して、教育の実際の場での創意工夫による教育の活性化と個性重視の教育が実現できるよう、許認可、基準、助成、指導・助言の在り方の見直しなど、大胆かつ細心な規制緩和を進める。
 (2)教育を行う側としての国・公・私立の各学校、都道府県・市区町村の各教育委員会、地方自治体等の自主性、主体性、責任体制を強化する方向で改革を進め、教育における自由、自律、自己責任の原則の確立を目指す。
 (3)教育を受ける側としての児童、生徒、学生、両親等の権利と意見を十分に尊重し、能力に応ずる機会均等と個別的な教育需要に弾力的に対応し得るよう、学校体系の多様化、学校、家庭、社会の諸教育機能のネットワーク化、年齢制限・資格制限等の緩和、例外の承認など、多様な選択の機会を拡大する。
 
 2.教育における地方分権の推進
 (1)教育における国・地方の役割分担の見直し
 教育における地方分権を推進し、各地域、各学校の多様な個性、自主性、創造性がのびのびと発揮できるようにするため、また自律性と自己責任、当事者能力の強化を図るために、国の定める最低限度の教育上の基準を満たすことを前提に、各都道府県、市区町村等の各地方公共団体が、それぞれの地域の実情に応じて、それぞれの自主的判断と責任において新しい、多様な制度や仕組みを作ることを許容し、様々な自由な先導的試行を積極的に奨励する姿勢が重要である。
 このように各都道府県、市区町村等の各地方公共団体の自主的判断と責任にゆだねる範囲を拡大する方向で、当面、例えば、社会人教員の登用のための教員免許状の発行、教育課程編成に関する先導的試行の実施等について、各都道府県、市区町村の裁量の範囲を拡大し、先導的試行を積極的に許容するよう提案する。
 また、各都道府県と市区町村との間においても、市区町村の自主性、多様性、創造性が一層発揮され、責任体制が確立する方向で、両者の権限の配分について再検討する必要がある。
 (2)都道府県、市区町村教育委員会の活性化
 各都道府県、市区町村等に設置されている各教育委員会は、それぞれの地域の教育行政全般に最も重い責任を直接に負う「合議制の執行機関」であり、各教育委員会が、第1に、それぞれの地域の教育行政の直面している具体的、日常的課題、学校、図書館等の実情や児童・生徒・父母等をはじめとする地域住民の教育上の意見、批判、要望等に精通していなければならず、第2に、それぞれの地域の教育行政に関する意思決定、管理、執行につき実質的な当事者能力と機敏な行動力、明確な責任感を持っていなければならず、第3に、それぞれの地域の特性を考慮して、個性豊かな、各地域住民に密着した教育行政を推進するだけの自主性、主体性を持っていなければならない。
 だが、近年の校内暴力、陰湿ないじめ、問題教師など、一連の教育荒廃への各教育委員会の対応を見ると、各地域の教育行政に直接責任を持つ「合議制の執行機関」という自覚と責任感、使命感、教育の地方分権の精神についての理解、自主性、主体性、当事者能力に著しく欠け、21世紀への展望と改革への意欲に不足していると言わざるを得ないような状態の教育委員会が少なくない。
 教育委員会制度の本来の目的、精神に立ち返り、この制度に期待されている本来の役割と機能を正しく発揮するためには、教育委員会本来の権限と重い責任を明確に再確認し、生き生きとした活動を続けている教育委員会の優れた経験を交流し合い、一部の非活性化し老朽化してしまっている体質を根本的に改善し、若返らせることが不可欠である。
 このような観点に立ち、(ア)教育委員の人選、研修、(イ)教育長の人選及び任期制、専任制(市町村)の導入、(ウ)苦情処理の責任体制の確立、(エ)小規模市町村の事務処理体制の広域化、(オ)知事部局との連携等につき具体的な改革を進めることを通じて教育委員会の活性化を図るものとする。
 
 3.教育における基準・認可制度の改革
 (1)大学設置基準及び学習指導要領等国の基準の見直し
 (ア)個性重視の原則に基づき、高等教育機関の個性化、多様化を推進し、高等教育機関の柔軟性、開放性の確立を促進するために、またそれにより、科学技術の進展、知識体系、技術体系の再編成、学際化、情報化、国際化等の進展に積極的、創造的に対応し得るよう、大学設置基準等を大綱化、簡素化し、学校教育に対する教育行政上の規制緩和を具体的に進める必要がある。
 (イ)学習指導要領については、各学校、各地域における教育課程の編成に多様な創意工夫が発揮できるよう、内容の大綱化、重点の明確化を図るとともに、選択の幅の拡大、例外の許容を進めることが必要である。内容については記憶偏重を避け、思考力、創造力、表現力の育成を重視して一層の精選を図ることが必要である。また、各教科別の縦割りの弊害を是正して、人格形成、ひろい心とゆたかな創造力、自由、自律、連帯の精神、世界のなかの日本人という総合的な観点に立って、各教科のそれぞれの役割を位置づけつつ、教科の再編・分割・統合を検討する必要がある。
 (2)私立小・中学校設置の促進
 それぞれの建学の精神に基づいて設置される私立学校の役割は、今後一層重視される必要がある。
 この観点から、その設置が促進されるよう、設立の基準の制定を検討する必要がある。
 
 4.学校の管理・運営の改善等
 (1)学校の管理・運営の改善
 (a)のびのびとした自由な雰囲気とけじめある規律、思いやりのある温かい相互信頼のなかに、学校がいきいきとした活力と健康に満ちあふれているためには、個性重視の原則、すなわち自由、自律、自己責任の原則が学校教育のなかに確立されていなければならない。学校の管理・運営にあたっては、各学校の個性を大切にするとともに、学校を構成する教師集団のなかに個性尊重、人格尊重の考え方が確立していなければならない。
 学校が活力と規律を維持していくためには、このような学校関係者の相互信頼の基盤の上に、各学校に責任体制と校長の指導力が確立されていることが重要であり、この観点から、校長の在職期間の長期化と若手の管理職登用の促進を図るとともに、校長を中心とする責任体制の確立と校長の教員人事に対する意見具申の一層の活用等が図られるようにする必要がある。
 (b)一部に見られる過度に瑣末・形式主義的な管理教育や体罰等を見直し、学校に自由と規律の毅然(きぜん)とした気風を回復する努力が必要である。
 (2)学校5日制、秋季(9月)入学制への移行について検討開始
 今後における生涯学習社会建設の方向の中で、学校・家庭・地域の役割を見直し、学校5日制への移行について検討する必要がある。また、秋季(9月)入学制への移行の可能性についても同様に、国際化の視点も含め検討する必要がある。
 
 5.教育財政の展望
 教育財政については、厳しい国家財政の制約がある中で、今後の教育改革の方向を踏まえ、その基本的な在り方をどう考えるか、幅広い角度から検討を行う必要がある。
 本格的な審議は、基本的に今後の課題とせざるを得ないが、教育財政の見直しに当たっては、スクラップ・アンド・ビルドの考え方に立って、既存の制度・施策全般にわたり、合理化、効率化に努め、地方分権化と補助金の在り方、民間活力の導入の方法、受益者負担の適正化等の諸問題を検討する必要がある。
 今後の教育改革の推進に当たっては、限られた財源の中でできる限り工夫を行い、教育改革の方向に即し、資金の重点的・効率的配分に努めつつ、国家財政全般との関連において、適切な財政措置を講じていく必要があろう。
 ☆おわりに(略)


 
 
 
 
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