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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1986/02/09 朝日新聞朝刊
「いじめ」と親の責任(天声人語)
 
 勝海舟の父親、小吉は自ら「よくよくの不法もの」と名乗る無頼派だった。5歳の時、年上の少年とけんかをし、石で殴りつけて相手の唇を割った。それを見ていた小吉の父親は息子を縛り「人の子に傷をつけてすむかすまぬか、おのれのようなやつは捨ておかれず」といって庭げたで頭をぶち破った、というからすごい。傷はのちのちまで、残った▼こういう荒業は、そのまままねるべくもないが、血相変えて子を戒めた気迫には学びたいと思う。小吉は7歳のころには2、30人を相手に小刀を抜いてけんかをするほどの乱暴者だったが、自伝を読む限りでは、弱いものいじめは断じてしていない。まして集団でいじめるという人間として最も恥ずかしい、卑しいことはしていない▼いじめられ、ついに死を選んだ少年をめぐって、先生が悪い、学校が悪いという意見がしきりだ。たしかに葬式ごっこに加担したりした行為は、責められねばならぬ。だが、先生や学校を責めれば、ことがすむのか▼13歳といえば、自分のいじめ行為の卑しさに気づかないはずはない。罰を受くべきはまず、いじめに加わった「わが子」であろう▼自分の子がいじめる側にあるのかないのか、そのことを察することができなければ、私たちは親として失格だろう。いじめる側にあることを知ってなお、どうすることもできなかったとすれば、それはなぜか。育て方のどこに問題があったのか▼いや、今はもはや、世の中にいじめが大はやりで、親はその卑しさから子を守ることができないほど無力なのか。必要なのは、そういったことの追究に、親が謙虚に身を砕くことではないか▼学校批判もいい。学級規模を半減し、学校カウンセラーを充実する、といった教育改革を要求するのも大切だ。だが、いじめの全責任が教師にあるかのような声をきくと、息子の頭をぶちわって責任をとらせた小吉の父親のことが頭に浮かぶ。


 
 
 
 
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