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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1985/05/06 朝日新聞朝刊
公立小中高を対象に文部省がいじめ・性の指導調査 国旗・国歌問題も
 
 全国の公立小、中、高校約4万校すべてを対象に、特別活動がどのように実施されているかをつかむため、文部省は5日までに、各都道府県教委などに25項目にわたる初の総合調査を指示した。いじめ問題の指導、喫煙防止、性に関する指導、避難訓練の実施状況などを初めて調べるほか、入学・卒業式での「国旗掲揚、国歌斉唱の取り扱い」についても詳しく聞いている。日の丸、君が代問題については55年にも約3000校の抽出調査をしているが、公立全校に及ぶ調査は初めて。同省は7月半ばごろまでに結果をまとめ、不十分な点については改善を求める指導通知などを出したいとしている。
 特別活動についてはこれまでも5年おきに、クラブ活動や学校行事など一部を調査したことがある。今回は各都道府県教委と指定都市教委を通じ、全国の公立小学校約2万5000校、同中学約1万500校、同高校(全日制のみ)4000校すべてに25項目の調査事項の回答を求め、校種別の合計数を文部省に報告するよう指示している。
 調査項目は、活動の計画3、クラブ・部活動各3、学校行事10、集団宿泊指導2など。このほか、小学校の学級指導では「いじめや仲間はずれの防止などを重点的に指導したか」、また小、中、高校を通じて(1)喫煙の防止(2)シンナー、覚せい剤、麻薬等の乱用防止(3)性に関する指導などをしたか、など新しい項目も計11加えている。
 「国旗、国歌の取り扱い」については、この春の各校の卒業式と入学式で、それぞれ国旗を(ア)掲揚した(イ)掲揚しなかった、国歌を(ア)斉唱した(イ)メロディーだけ流した(ウ)斉唱もせず、メロディーも流さなかった、など具体的な回答を求め、併せて校旗、校歌についても同じようにきいている。
 日の丸、君が代を「国旗、国歌」と定める法律上の直接規定はないが、文部省は36年度実施の学習指導要領から、学校行事等の項で「国民の祝日などにおいて儀式などを行う場合には、……国旗を掲揚し、君が代を斉唱させることが望ましい」と明記し、55年度実施の学習指導要領からは「君が代」を「国歌」と変えている。その際、学校行事の実施状況について一部公立小、中、高校の抽出調査(約3000校)を行い、今回と全く同じ質問を実施。国旗については、入学・卒業式とも「掲揚した」が86―93%、国歌については「斉唱した」が卒業式で56―74%、入学式で47―67%、「メロディーだけを流した」が各2―4%という結果を得ている。
 今回同じ調査を全公立校に実施することについて文部省は「国旗掲揚と国歌斉唱はこれまでも各県の担当者会議などで指導を続けており、入学式で新入生が(君が代を)歌えないなどの事情もあろうが、100%の掲揚、斉唱が望ましいと考えている」とし、調査自体がひとつの指導にもなると見ている。
 
国際化の中で重要
 高石邦男・文部省初中局長の話 最近、地方議会などで、学校や公的施設での国旗掲揚を求める決議などが相次ぎ、国会などで質問を受けることが多い。その際いつも5年前の数字ではとの声もかなりあり、今回の総合調査の一環に加えた。国際化時代の中で、国旗、国歌を大切にする教育は重要。結果が悪ければ指導しなければいけない。
 
民主的教育を否定
 田中一郎・日教組委員長の話 君が代は歌詞の内容や、果たしてきた歴史的役割からみて、主権在民の憲法原則に反し、教育基本法の民主的教育理念を否定している。日の丸が国の標識として国内外で扱われてきたことは事実で、これは否定しないが、戦争中の暗い思い出がつきまとい、掲揚に積極的には賛成できない。今回の文部省調査は、地方議会などによる日の丸・君が代の学校行事への持ち込み決議などの傾向に迎合したものと考えざるを得ない。もし文部省が調査結果をもとに行政権によって各学校への日の丸・君が代の強制を指導するような場合には、反対運動を強化することになるだろう。


 
 
 
 
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