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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1985/02/20 朝日新聞夕刊
日教組の田中委員長、教育自由化を批判 臨教審で意見陳述
 
 臨時教育審議会(首相の諮問機関、岡本道雄会長)は二十日総理府で、教育改革について関係団体から提言を聞く意見聴取(ヒアリング)を行った。このなかで、臨教審に反対の立場ながらもこの日のヒアリングに参加した日教組の田中一郎委員長は、教育改革での「国民合意」や現場教師の意見尊重の必要性を強調するとともに、今後の改革の方向として「公教育の拡充」を主張。具体的には(1)三十五人学級の実現(2)一九九〇年からの高校の義務教育化のスタート、などを提言した。また、いわゆる「学校教育の自由化」については、「教育の民営化、商品化であり、全面的な受益者負担化」として改めて厳しく批判した。
 臨教審のヒアリングは、小学校長会などから意見を聞いた六日に次いで二回目。この日は、日教組のほか教職員団体(日高教左派は参加拒否)、PTA組織、経済同友会など財界、全国知事会など地方自治体関係の計十三団体が意見陳述。臨教審委員らと質疑を行った。
 日教組の田中委員長は、まず「教育改革は政権政党の恣意(しい)や上からの押しつけによるものであってはならない」として、臨教審審議に反対する立場から注文をつけた。そして教育荒廃の要因は「教育行政の中央集権化」「国家の統制強化」「管理強化」にあったとして、学校、子ども、教職員の「教育の自由」の回復を要求。教科書作成の自由、教師による教科書採択、教育委員公選制の復活などを主張した。
 また、改革の具体的方向としては「公費による無償の教育の普及・拡大」を重視する考えを表明。行政改革路線の「教育の切り捨て」が父母負担の増加、教職員の労働条件の悪化を生んでいると指摘し、改革の前提として教育財政の裏づけを強く求めた。そして公教育充実の具体策として、「一学級規模を三十五人以下とする」新たな要求を打ち出したほか、中学卒業時(十五歳)ではなく高校卒業時(十八歳)に進路選択が出来るような中高一貫教育の地域総合中等学校や高校増設、高校入試全廃を掲げ、さらに中卒者が急減する一九九〇年を目標に高校の義務教育化を求めた。
 公教育重視に関連して、臨教審第一部会(天谷直弘部会長)に根強い通学区の緩和などの「自由化」論には「公的負担を削減して、私企業にゆだね利潤追求の場に転換させる」などと反論。「自由化」論は能力格差主義や競争激化を招き、日教組が主張する「教育の自由」とは本質的に異なると反発した。
 一方、臨教審に賛成の立場の全日教連(川崎哲夫委員長)は、教えることが多すぎる教育内容やペーパーテスト重視の改革を訴えるとともに、とくに教職員の資質向上のため(1)試補制度の導入を含む研修制度の拡充(2)民間からの採用の拡大などを提言した。
 また、小、中校の校長、教頭でつくる全国教育管理職員団体協議会(菊池達也会長)は、教員の組合活動について「誤った教育者意識とサボタージュ」と批判、校長らの人事、給与面での管理職権限の確立・強化を求めたほか、愛国心教育の必要性を訴えた。


 
 
 
 
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