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私はこう考える【憲法改正について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1991/11/15 朝日新聞朝刊
(日本の選択・PKO:1)平和のコスト、当然
小沢一郎(自民党)
 
 国会の焦点である国連平和維持活動(PKO)協力法案の審議が再び本格化する。この問題をどう考えるのか、各界の人にインタビューした。
 ――小沢さんはPKO法案の生みの親といえます。が、なぜすぐに自衛隊派遣なのですか。
 「効果的に機能できるのはそれしかないからですよ。役に立つのは訓練を受けた人だ」
 ――小沢さんの剛腕イメージも重なってか、いったいこの国がどこに引っ張っていかれるのか、不安感を持つ人も多い。
 「そういう方は何を望んでいるのか。4つの島で家族楽しく暮らすのも1つの生き方で、国民の多数が望めばそれもいい。この平和と豊かさを今後も享受するのを願うなら、それなりのコストを払うのは当たり前だ。それは今求められたんじゃない。世界との協調を絶った途端に孤立し、『いつか来た道』ですよ、と言ってるんです」
 ――賛否はともあれ、憲法が日本の基本です。それをあいまいにして他国から尊敬されるのか。あなたはかつて法律家を志した。論理的な人とききます。しかし、PKO法案をめぐって先の国会で政府は「平和維持軍隊員の武器使用の権限を上官が組織的に束ねる」のは憲法違反でないと答弁し、問題になりました。あいまいで無理があるのではないか。海部前内閣の高官は「解釈改憲は限界にきている」とか「ふくらまし憲法」と言っています。なぜ「憲法改正」とはっきり言わないのですか。
 「今まで外に向かって言ってきたことは一気に変えるわけにはいかない。だけど、憲法を盾に使ってきただけじゃないか。勝手なことを言って、たらふく食って、いやなことはやらんと憲法を使うのは話にならん」
 ――自民党の後藤田正晴氏は、あいまいのままだと「アリの一穴」で、ズルズル行ってしまうと懸念しています。
 「それは情緒論だ。もし大東亜戦争の直前に世論調査したら、みんな米英やっつけるべし、という世論だったと思うよ。ワイワイ騒いで『やれ、やれ』といった調子で政治をやってはいけない」
 ――小沢さんが会長の「国際社会における日本の役割に関する特別調査会」では自衛隊の多国籍軍参加まで視野に入れているようですが、憲法問題をあいまいにしていないのですか。
 「全然ない。僕はPKO法案だって憲法判断については国内外にきちっと鮮明にすべきだ、と言っている」
 ――では「束ねる」はあのままでいいのですか。
 「それは『指揮する』んですよ。当たり前です。僕はキチンとすべきだと思う」
 ――小沢さんは戦後日本は「一丁前の国家」でなかったという考えですか。
 「それはそうです。(戦争に)負けて占領された。安全保障も、政治的な役割も何もしていないでしょう。一丁前じゃないですよ」
 ――では「一丁前の国家」とは何ですか。経済力プラス軍事力ですか。
 「警察力、秩序維持です。当たり前のことをすることです。危険な話になるとやらないという常識で通りますか、ということだ。ただ、得手、不得手がある。得手のところで一生懸命やればいい」
 ――小沢さんは「政治大国」を目指しているのでは。
 「日本は覇権を握る必要はない。たとえ可能性があっても求めるべきではない。政治的にも経済的にも、それにふさわしくよくやっているなあ、と思われるような仕事をすればいい」
 ――アジア諸国の懸念は考えませんか。
 「もし懸念があるとすれば、日本人が何を考えているかわからないからだ。『顔のない日本』に対し極度に神経質なのは身近な経験のあるアジアなんです。自衛隊の国連への共同作業参加が心配なのではない」
 ――憲法が、「こういうことはしません」という、日本の顔だったのではないですか。
 「いやあ、違うなあ・・・。はっきりそう言ってきたなら別だ。日本人はこう生きる、ということをきちんと言わなくてはいけない」
 
◇小沢一郎(おざわ いちろう)
1942年生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業。
衆議院議運委員長、自治大臣、自民党幹事長など歴任。現在衆議院議員。


 
 
 
 
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