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私はこう考える【憲法改正について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1948/05/03 読売新聞朝刊
きょう憲法施行一周年
 
 きょう三日は新憲法施行一周年記念日―マ元帥から寄せられたメッセージはじめ芦田首相の談話は民主日本の成長を讃えている。まことこの一年、破壊と混乱の中から起ち上った日本は新しい憲法の装いを身につけてたくましい成長をとげようとしている。封建のカラは敗戦という現実によってみじんにうち破られ文化国日本への出発となった、新憲法は実にこれが行手を示す不滅の金字塔である、日本の四つの島々はとうとうたる民主化の波に洗い清められていまや美しい全姿を世界二十億の目前に現している、ひところ行過ぎた民主化運動もこの一年でようやく軌道にのってきている、しかし目をひとたび国外に向ける時われらは目まぐるしくも変貌する二つの世界をみる、その力関係は身近くも南北両鮮の三十八度線をめぐって、“冷い戦争”の恐怖をさえ感じさせているこれらに対し戦争放棄を憲法で明文化した日本民族のみにこそ理想とする平和世界の建設を力強く推進し得る権利と義務が新日本に課せられていることを銘記しなければならぬ、新憲法施行一周年、だが、われらが目指す最高の目標にはなお道遠い、われらは胸底ふかく刻まれた理想と、この一年の成果をまた祖国の一里塚にも刻もう、そして平和世界の建設、世界国家参加への道しるべともしよう―
 
最高目標を現実生活に 芦田首相談
 今日新憲法施行の一周年を迎えて過去一年間に吾々の辿った足跡を顧み誠に感慨の深いものがある吾々の憲法は未曾有の大戦の後に窮乏と廃墟との裏から生れ出た新しい燈明台であり日本国民の行手を示す希望峰である。新生日本はこれを羅針盤として既に勇ましく●を解いた。新憲法に調子を合せて多くの法令が実施せられ国会の組織も政治の運用も、裁判所の機構も、全く新しい姿で吾々の眼の前に聳えている。戦いに敗れ生活に悩む一国民の手によって、これだけの事業が築き上げられたことは、日本国民として自ら慰めるに足る業績であると思う。
 しかしながら新憲法が目指す最高の目標はまだ達成せられたとは言えない。日本国の民主化、文化的日本の建設、平和世界の理想は今後の努力によって初めて実現せられるのである。
 憲法は紙に書いた文字であり、実生活を盛る枠に過ぎない。これを現実の生活に移さなければ、どんなに高尚な考えでも価値のないことは言うまでもない。
 吾々は自らの手で人格の尊厳を守らなければならない。自らの努力で平和をかちとらねばならぬ。平和のための闘いは人間のあらゆる闘いのうちで最も尊いものであるが、同時にまた最も苦しい闘いでもある。
 吾等の行手にはなお多くの困難が横たわっている。しかし新しい憲法を作った吾々日本国民はこの精神を身につけて、難関克服のためにあらゆる努力をつくさなければならぬ。だが正しき道を歩み、自ら起上って、平和な世界を築き上げんとする努力に対して、協力の手をさし伸べんとする有力な支援者は海の外にも少くない。
 吾等は祖先と子孫とに対する責任を痛感し、誓って日本再建の大業に邁進する決意を新たにしたいと思う。

(日本財団注:●は新聞紙面のマイクロフィルムの判読が不可能な文字、あるいは文章)

 
 
 
 
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