日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

私はこう考える【憲法改正について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/06/30 朝日新聞朝刊
「9条堅持」多数が主張(国会調査会から 憲法を考える)
 
 5月末から6月にかけて、参院は基本的人権をめぐって2回の本委員会を、衆院は国際社会と地方自治をテーマにした二つの小委員会をそれぞれ開き、計6人の参考人から意見を聴いた。24日には衆院が札幌市で5回目の地方公聴会を開催。9条改正をめぐり、委員と陳述人との間で激しい応酬があった。
(本田雅和、長谷川玲)
 
◇衆院・札幌公聴会
 井上喜一委員(保守):(戦争への)歯止めがあれば、憲法9条改正に賛成するか?
 田中宏陳述人:9条の存在自体が歯止めだ。
 井上委員:9条の規定は理念としては分かるが、現実にはそれでは日本の安全を保てない。
 結城洋一郎陳述人:コスタリカは軍隊を持たないが、だからといって「現実」に合わなくて消滅するわけではない。世界最大の軍事力を持つというなら別だが、どの程度の規模であれば国を守れるか、など示すことはできない。武力に頼らずに平和を維持する策を探る方が現実的だ。
 札幌公聴会では陳述人の多くが国会に提出された有事関連法案を批判し、「9条堅持」を主張した。井上氏ら与党委員は、弁護士の田中氏や小樽商科大教授の結城氏に論戦を挑んだが、最後まで平行線をたどった。
 憲法学者の結城氏は、9条を除く条項については「憲法裁判所の設置」や「抵抗権の明記」など明確な改憲案を示した。しかし、「理論と政治は別」「現状での改憲はろくなものにならない」とし、「現行憲法の枠の中でやるべきことがたくさんある」と述べた。
 農業を営む石塚修氏も「もし平和主義を守れる政府ができたら、憲法に書き加えたいことがある」と述べたが、「米国の軍事戦略と一体化した政府、少なくとも今の小泉政権下では改めるべきではない」と、政治への不信の深さを語った。
 6人の陳述人のうち、明確に9条の見直しを訴えたのは、会社経営の稲津定俊氏ひとり。憲法の平和主義を「誤った認識に基づく」として「廃棄」を訴えた。
 
 「(陳述人は)憲法をわかっていない」
 公聴会終了後の記者会見では、与党委員や改憲派の委員から不満の声が相次いだ。
 中山太郎会長(自民)は「9条で頭の中がいっぱいの人が多かった。新しい世紀に変わっていくことへの意識がない。もっと広い角度で憲法を見るような国民になってほしい」と“説教”。
 規則で禁じられている傍聴人の拍手が9条支持の意見にばかり送られ、「調査会は改憲への布石だ」と非難するヤジが続いたことに、いら立ちを隠せない様子だった。
 地元選出の中川昭一氏(自民)も公聴会の席上、「ルールを守れない人に憲法を守れという資格はない」と非難。記者会見でも「北海道の人間として非常に恥ずかしかった。北海道の遅れた面が出た」と不快感をあらわにした。
 赤松正雄氏(公明)は「有事法制が(9条改正と絡んで)誤解されている。ステレオタイプな決めつけで非常に残念」と批判した。
 「憲法改正の意見が少ないようだが、新しい時代に合わせて改めなくてもいいのか」
 公聴会で問いかけていた武山百合子氏(自由)は、「私は埼玉県内で様々なメディアを毎日見て育った」と前置きしたうえで、こう続けた。
 「北海道はメディアが少なくて、多様な考え方に接する機会が違うのか・・・。びっくりした」
 
<国会調査会・語録>
○老と男の地方議会
 世の中では老若男女がそれぞれ課題を抱えているのに、地方議会には「老」と「男」の代表が多い。その結果、教育、子育て、環境といった課題が捨象され、農業、土木が色濃く出てしまう。職業政治家ではない、生活者の代表が議員になれる仕組みにしてほしい。(衆院6月6日、片山善博参考人=鳥取県知事)
 
○サバイバルのための核
 今は国家がぎりぎりの状態にないが、死ぬか生きるか、サバイバルのために、場合によっては核兵器を持つこともあり得ると、責任ある立場の人には常に念頭に置いてもらわなければならない。それは、広島における反核の感情とは全く別の次元の話だ。(衆院6月6日、田久保忠衛参考人=杏林大教授)
 
○国籍は人権になじまない
 国際的な人権文書に「国民」という規定はない。人間の尊厳が人権の出発点ということになっている。国籍で人を区別するという考え方自体が、人権の基本的な考え方になじまない。従って「人は」「何人も」という規定の仕方になっている。(参院6月12日、横田洋三参考人=中央大教授)


 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。





サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
25位
(28,694成果物中)

成果物アクセス数
271,619

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2017年4月22日

関連する他の成果物

1.私はこう考える【北朝鮮について】
2.私はこう考える【中国について】
3.私はこう考える【ダム建設について】
4.私はこう考える【死刑廃止について】
5.私はこう考える【公営競技・ギャンブル】
6.私はこう考える【天皇制について】
7.私はこう考える【国連について】
8.私はこう考える【自衛隊について】
9.私はこう考える【教育問題について】
10.私はこう考える【イラク戦争について】
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から