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私はこう考える【憲法改正について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2002/01/31 朝日新聞朝刊
発足から2年、憲法論議の行方は(国会調査会から 憲法を考える)
 
 衆参両院で憲法調査会がスタートして2年が経過した。首相公選制を主張する小泉純一郎首相が登場。昨年9月の米国同時多発テロを機に自衛隊の海外派遣が再び議論になるなど、憲法を取り巻く環境にも動きがみられる。しかし、5年めどの調査期間の前半を費やしながら、議論は平行線をたどったまま深まりは見られない。調査会の出席率も低く、審議の空洞化を危ぶむ声もある。(伊藤厚史)
 
■やっぱり9条
 衆院調査会は31回(計約129時間)、参院側は25回(計約41時間)の議論を重ねてきた。多くの時間をさいたテーマは憲法9条だった。参考人として、評論家や作家として名高い西部邁、佐高信、加藤周一、内田健三、桜井よしこの各氏のほか、石原慎太郎・東京都知事も招かれた。
 「9条を礼賛しても、どこの国が日本に続いて自国の戦力を放棄しますか。そんなものはあり得ない」(石原氏)、「徹底した平和主義は世界を先取りしているだけでなく、日本の将来にとって有効な施策を憲法が先取りしている」(加藤氏)
 論客の発言に議論は白熱したが、改憲、護憲派双方の委員が有識者の言葉を借りて、「だからこちらが正しい」と応酬を繰り返した2年間だったともいえる。
 一昨年9月、衆院側に参考人招致された作家の小田実氏と高市早苗氏(自民)との論戦も、かみ合わない双方の主張を象徴するものだった。
 「9条を足がかりに良心的軍事拒否国家を目指せ」と主張する小田氏に対し、高市氏は憲法前文を「まっ先に変えたい、おめでたい一文」と反論。さらに高市氏は小田氏の雑誌論文の内容を質問しようとしたが、「憲法にかかわることではない」と小田氏にはねつけられ、質問を時間前に切り上げる後味の悪い議論になった。
 一方で、昨年3月の衆院調査会にはソフトバンク社長の孫正義氏が招かれ、新しい人権として、インターネット上の情報をすべての人が平等に得られる「ネットアクセス権」を憲法に盛り込むことを提案した。こうした9条以外の論点にまで論議の幅をどう広げていくかが今後の課題だ。
 
■「権威」はどこに
 「論憲は3年にして、4年目は各党が要綱を出して討論する。5年目から憲法改正への準備運動に入るべきだ」
 昨年末の衆院調査会。各議員による自由討論の場で、中曽根康弘元首相は審議のステージを「論憲」から「改憲」に進めるよう求めた。護憲・改憲をめぐって平行線の議論を繰り返しても仕方があるまい・・・、そんな調子で調査会の低調ぶりをたしなめる言葉とも取れた。
 次いで発言した原陽子氏(社民)は、各議員の出席率の低さを批判して調査会の「権威」に疑問を投げかけた。「この出席率で調査会が出す報告は、決して国民の代表が集まって出したものとは言えない」
 衆参調査会とも全委員が出席することはほとんどなく、半分以下の時も多い。昨年末の自由討論でも、自分の陳述を終えると退席する人が大半だった。ほぼ毎回出席している中曽根氏らはいら立ち、「スピードアップ」を求めている。
 
■総論から各論へ?
 衆院調査会は「憲法論議を国民に近づける」(中山太郎会長)として、昨年4月から仙台市や名古屋市などで計3回の地方公聴会を実施した。
 しかし3回のうち2回は各会派推薦の公述人が中心。会場の狭さや傍聴者の質問がほとんど受け付けられなかったため、会場に詰めかけた護憲派市民らから「改憲への地ならし」などと批判される場面もあった。
 衆参とも、現憲法の制定経緯を調査した後、衆院側は「21世紀の日本のあるべき姿」、参院側は「国民主権と国の機構」とそれぞれ総論的なテーマで議論を進めてきた。
 参院は2月20日に二院制や地方自治をテーマに中央公聴会を開催。衆院は2月初旬までに今後の日程を決める方針だ。しかし、保守系議員を中心に「そろそろ各論に踏み込むべきだ」との声が上がっており、日程や議題設定をめぐって与野党が対立する可能性もある。


 
 
 
 
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