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私はこう考える【憲法改正について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1993/03/03 朝日新聞朝刊
百家争鳴 憲法論議の背景:2 (なんでもQ&A)
 
Q:今後、小沢一郎氏に代わる憲法論議の旗振り役は出てくるのでしょうか。
A:しいてあげれば自民党の憲法調査会(栗原祐幸会長)でしょう。今の国会中に「中間報告」をまとめようと論議を進めていますが、百家争鳴、一寸先はヤミでもあります。栗原氏自身も「改憲を前提にしない」立場で臨んでいます。
 
Q:でも、自民党は一九五五年の結党以来、自主憲法制定を目指してきたのでは。
A:その通りですが、今回は政治改革や政界再編などが絡んでいて、「まだら模様」になっています。だから、やりようによっては内閣の一つや二つ、いや、三十八年間もの自民党単独政権が崩壊しかねないのです。
 
Q:自民党にとって「単独運転」は危険なかけでもあるわけですね。
A:だから、改憲論も交代で出てくる格好になるわけです。例えば、九二年十二月、民社党と語る会(会長=関嘉彦・都立大名誉教授)が「憲法問題に関する民社党への提言」を出しています。中身は、集団的自衛権は憲法解釈上可能であり、正規の国連軍はむろんのこと、朝鮮戦争型国連軍への自衛隊参加は憲法の平和主義と一致する。解釈上、異論の余地がでることのないよう憲法九条を改正すべきだ、としています。
 
Q:小沢調査会答申の線を一歩も、二歩も踏み越えているわけですね。ほかにも・・・。
A:その直前に、読売新聞社の憲法問題調査会(会長・猪木正道元防衛大学校長)が提言しています。自衛隊の存在と意義を明確化するため「安全保障法」を提案、憲法九条二項についても国連の集団的安全保障措置に参加するため改正が望ましいとしています。また、九六年を目標に対案を出し、今世紀中での改正を提言しています。小沢調査会と視点は同じでしょう。
 同時に、日本新党(細川護煕代表)も政策大綱で「新しい改憲論」の立場から提唱していますが、冷戦後の国際環境に対応するため「国連平和警察隊」(仮称)を創設し、参画することにしています。前二者とは、目指す最終ゴールが明らかに違っているようです。
 
Q:これまでの説明では、「まだら模様」が浮かんできませんね。
A:見過ごしてならないのは昨年九月の鉄鋼労連大会での鷲尾悦也委員長の発言です。「世界と日本の現状に合った憲法改正論議が当然あってよい」と述べ、同時に、政界再編との絡みで「既成政党に期待ができないとすれば、最も可能性のあるのは“この指とまれ”の新党方式だ。次の総選挙では新しい体制で臨めるように努力すべきだ」との立場を明らかにしました。
 山岸章・連合会長も「憲法をポスト冷戦の社会状況に対応した方向に改善するという議論は大いにやるべきだ」と呼吸を合わせました。
 
Q:つまり、労働界中枢が政界再編にからめて、先導役として顔を出しているわけですね。
A:そう。次の総選挙では、こうした路線に合った候補者を「選別」しようともしています。関係者は「山岸氏を頂点とする改正論議は、社会党の“憲法改正アレルギー”を検査するリトマス試験紙として意識的に言っているのではないか」と見ています。
 
Q:社会党も、だんまりを決め込んではおれなくなったわけですか。それにしても、山花貞夫委員長が一月の委員長選挙の立候補に際して突如、出してきた「創憲」論、あれはなんですか。
A:言葉だけが先行していて消化しきれていません。肉付けはこれからです。しかし、この党は、かつて自衛隊について「違憲合法」論を打ち出すなど、今ひとつわかりにくい党ですね。
 
Q:結党以来、護憲を「党是」としてきた公明党までもが憲法論議の必要性を前面に出してきましたね。
A:公明党の場合は改憲より、むしろ政界再編を頭においた論議だと思います。率直に言えば自民党の羽田孜・小沢グループとの将来の提携です。両者の接触を見続けてきたある国会議員は「憲法を改正するために再編して一緒になろうというのではない。しかし、憲法論では次元を同じくする空間にはいない。それが政界再編を見通したものである、ということなら、その通りだ」と説明しています。
(編集委員・国正武重)


 
 
 
 
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