首相はさまざまな憲法見直し発言について「見直しへの立場はそれぞれ違い、足並みがそろったわけではない」(側近)と見ており、憲法論議そのものが本格化するとは考えていない。しかし、政界再編論と絡んで改憲論議が盛んになることは、ただでさえ不透明な政治状況に混乱要因を増し、政局流動化へはずみをつけかねない、と判断。早めに水をさしておこうという対応に出たと言えそうだ。
しかし、自民党側は梶山静六幹事長をはじめ憲法見直し論に積極的。十三日の役員会では、与野党による憲法協議機関設置という提案を通常国会での代表質問に盛り込むという三塚博政調会長の考えを了承した。首相の「待った」に党側がどう反応するのか、発案者の三塚氏の反発も予想される。
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