政府は去る三月六日憲法改正草案要綱を発表し、主権在民と戦争放棄を主眼とする画期的な改正案を明示したが、その後法制局でこれが条文化を急ぎ漸く成文を得たので十六日の定例閣議に附議、入江法制局長官より説明してこれを決定、幣原首相は直ちに参内、上奏し、さらに十七日枢密院に御諮詢の手続をとるとともに十七日午後一時内閣よりその全文を発表した
憲法改正草案は前文と本文十一章百条から成り、その内容は大体草案要綱と変りはないが、条文の体裁、用語等若干変更された点もある、政府は枢密院の御諮詢を経てこれを特別議会に提出する方針で進み、さらに検討を重ねて必要があれば枝葉の点についても修正する態度で臨んでをり、議会提出までの間に国民の充分な論議が行われることを望んでいる
憲法改正草案のとくに注目されることは前文を口語体でしかも平仮名で表現していることで、これは、憲法が国家の基本法であり、民主主義日本の性格を現わす根本法規であるので、国民のすべてが理解できることを建前とし、とくに平易な表現を用いたものである
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