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第6回 誘導・警告ブロック改善検討会 議事録(案)
 
1. 日 時 平成14年2月6日(水)14:00〜16:00
 
2. 場 所 弘済会館4F「桜」
 
3. 出席者(敬称略)
 
【委員】
末田委員長(徳島大)、加藤委員(日本ライトハウス)、笹川委員(日本盲人会連合)、田中委員(日本点字図書館)、有山委員(JR東日本)、清水委員(東武鉄道)、荒川委員(都交通局)、四ノ宮委員(鉄道総研)
【オブザーバー】
水信、野竹、村田、輪笠(以上 国土交通省)
【事務局】
鈴木、大野、藤浪、水上、佐藤(以上 鉄道総研)、岩佐、藤田(以上 交通エコモ)
 
4. 提出資料
・資料6-0 第5回 誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
・資料6-1 最終確認試験の結果について(案)
・資料6-2 混合ブロックの施工時における留意点(案)
・資料6-3 視覚障害者用誘導・警告ブロックに関する研究(最終報告書)概要(案)
・参考資料6-1 最終確認試験に関する補足資料
・参考資料6-2 ブロック形状選定試験に関する補足資料
・参考資料6-3 本研究に関する既発表文献(参考)
 
5. 議事概要
資料6-0 第5回誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
 第5回誘導・警告ブロック改善検討会の議事概要が事務局から説明された。質疑は特になかった。
 
資料6-1 最終確認試験の結果について(案)
 資料6-1について討議が行われた。主な論点は(1)実験の各課題の結果についてと、(2)今後の検討課題についてであった。
(1)案験の各課題の結果について
・第2課題の(1)「付加線を設けることについて」で、12名の被験者は、ホーム長軸方向に移動する時にこの付加線を利用し、残りの被験者はそうでないということだが、ホーム縁端を歩いていくこと自体が危険であると認識していた被験者はいたのだろうか。
→「普段からホーム中央寄りを歩いており、混合ブロックが新たに敷設されても、やはりホームの端の方を移動することはない」と回答する被験者もいた。ただ、危険であると認識してのことなのかどうかはわからない。
・第2課題の(2)「ホーム縁端の混合ブロックと構造物が干渉する場合の敷設方法について」で、「柱にクッションをつけて欲しい」という意見を述べた被験者が、ある程度の人数いたということか。
→(事務局)6人についてはそれを強く要望しており、その旨の記録が残っている。しかし、これは必須の質問項目でなかったこともあり、該当する発言の記録が全て残っているわけではない。ただ、実感としてはこのような発言をした者は半数を越えるのではないかと思われる。
→柱にクッション等をつけるという案に関しては、コンコース上では、また別の話と考えるべきなのか。
→(事務局)少なくとも実験のデータからはコンコース上には言及できない。今回はホームに限定して議論してきたこともあり、実際に被験者の方にコンコース上のことについては尋ねていない。
(2)今後の課題について
・(事務局)ガイドラインにきちんと反映させるためにも、国土交通省内、エコモ財団、鉄道総研などと打ち合わせを行い、来年度、何らかの方法で今後の課題が検討できるようにしたい。
・今後の課題に、「混合ブロックのホーム縁端からの距離の上限値」が挙がっているが、被験者が自由意見の中でこのことに言及したことはなかったか。
→(事務局)これも必須の質問項目ではなかったのだが、「ホーム縁端から80cmに統一して欲しい」、あるいは「80〜100cmの間で決めてくれれば良い」という意見を述べる被験者もいた。ただ、被験者全体ではどのような意見に集約されるかはわからない。
→数字は出せないということで、今後の課題になるだろう。ISO規格案においても、上限値を2mとするのは広過ぎるのではないかということが議論になっている。
 
資料6-2 混合ブロックの施工時における留意点(案)
 資料6-2について議論が交わされた。
・(事務局)前回の委員会で、「混合ブロック」の名称を委員に募ったが、2件しか出てこなかった。今後、一般に公募などして、それと合わせて検討し、名称を決定したいと考えている。ただ、それには時間がかかるので、今日の委員会、ならびに最終報告書では混合ブロックの名称を用いる。
・施工時における留意点の中で、「色彩」における2つ目の項目の意味が読み取り難い。また、「努める」とは塗らなくても良いということなのか。
→(事務局)あいまいさをなくすためには「何cmまで塗る」などと規定すれば簡単であるが、現実のブロック敷設を考慮すると、様々なタイプのブロックが考えられる。意味的には、何れのタイプにしても、少なくとも線状突起部分までは全部塗って欲しいということである。晴眼者に対して、線状突起部分もブロックの一部であると知らせることや、ハイヒールを履いている人が、段差があることに視覚的に気付き易いようにと考えてのことでもある。記述の仕方については分かり易いように変更する。
・「色彩」の箇所の1つ目の項目で、「黄色以外とする」というのは書き過ぎではないか。現状よりさらに黄色以外のブロックが増える可能性がある。個人的には、点字ブロックと同色系統の床であっても、ブロックの両側に、例えば黒色などの明度差、輝度差のあるものを敷くことを推薦している。弱視の人にとっては色の一貫性も重要である。このことも考慮して文言を決める必要がある。
→(事務局)「黄色以外としても良い」という程度になるか。このようなガイドライン的なものを作ろうとすると色にも触れないわけにはいかないが、本検討会では、色については検討対象としておらず、これまでわかっている最低限のことにのみ言及した。本検討会では、色に関する新たな方策について記述するのは難しい。また、色の問題については、別の委員会でも検討されているので、調整をはかって文言を決めることにする。
・適用の範囲、形状、材質はこれで良いか。色彩についても、線状突起から点状突起部分までは少なくとも塗るということで良いか。
→(委員からの異議なし)
・「新設駅および大規模改良駅の場合」、「点状ブロックが既設の場合」の箇所の記述はこれで良いか。
→「基盤面の高低差が生じないように」という箇所に数値はいらないか。
→できるだけ平らにするのは当然のことであり、施工時にできるだけ揃えるように努力するという範疇に留めて欲しい。
→図4の場合はゴム製のものを貼ることを想定していると思われるが、この厚みがどれ位であるかにより経費が変わってくる。
→混合ブロックを敷設するなら一体型のブロックとして欲しい。貼っただけで体裁を整えるというのはやめて貰いたい。
→様々な材質があると踏んだ感触が違うので統一した方が良い。
・合流部の敷設は、40cm角ブロックでも30cm角ブロックと同様の敷設方法しかないと考えている。40cm角ブロックが、合流部で6枚続くと、線路と平行に歩いている時に分かり難くなるのか。
→(事務局)それはないと思われる。
・構造物と干渉する場合の敷設は「ブロックの当該部分を切り取り、直線的に敷設する」、また、「クッションなどを設けることが望ましい」ということを書き込むことについて異論はないか。
→(委員からの異議無し)
・混合ブロックの設置単位の部分は、同一駅内で鉄道事業者が違う場合等もあり、「原則として駅単位が望ましい、やむを得ない場合でも、最低限プラットフォーム単位の設置に努める」という表現で良いか。
→(委員からの異議無し)
・注2にあるプラットフォーム始終端部についての記述であるが、これまではガイドラインに従って、1枚のブロックを敷設していたのだが。
→(事務局)その部分は安全側に考えて、点状ブロックを60cm〜80cm力敷設するという表現とした。ただ、今あるガイドラインを変えるほどの強い根拠は持ち合わせていない。幅については記述しない方が良いということであれば、記述しないことになるが。
→注2の点状ブロックの寸法を削除することになるか。始終端部に階段がある場合は除くなどの注釈を付け加えて欲しい。
 
資料6-3 視覚障害者用誘導・警告ブロックに関する研究(最終報告書)概要(案)
 最終報告書の骨組みとなる資料6-3の概要案が事務局から示された。内容に関する質疑は特になかった。その後、最終報告書提出までのスケジュールや成果の発表の仕方などが話し合われた。
・(事務局)2月20日頃を目処に、最終的な報告書案を各委員に送るので、一週間程度の間に、文言も含めて意見を頂きたい。
→その修正については事務局と委員長とでとりまとめ、最終的な報告書とすることで良いか。
→(委員からの異議無し)
・(事務局)参考資料6-3は、日本人間工学会の関東支部大会に混合ブロックの仕様について発表した際の原稿の写しである。その経緯について説明する。まず、昨年秋頃にこの混合ブロックの知的所有権の扱いをどうするかについて事務局内で議論があった。メーカーなどが類似の特許を取得してしまうと、広く普及させる際の妨げになることを懸念し、防衛的な意味での特許出願を検討した。事務局(鉄道総研)で出願することも考えたが、特許の出願・維持には相応の費用がかかることから、鉄道事業者への無償供与を前提とした出願は難しいと判断した。このため、ブロック形状を学会等の場で可能な限り早期に発表して公知化し、他の出願を防ぐのが有効と結論した。その上で、事務局、委員長間で協議した結果、交通エコモ財団からの委託研究であることとブロック改善検討会の皆様への謝辞を掲載した上で、昨年11月に開催された日本人間工学会の大会席上で発表することになった次第である。この点について事後報告となったことをご了承いただきたい。また、今後も本研究の成果について発表することが考えられるが、事務局と委員長で協議して対応したいと考えているので、あわせてご了解いただきたい。
・マスコミヘの公表は決まっているのか。
→(事務局)今回の結果についてはマスコミにも公表したいと考えている。交通エコモ財団のホームページに載せることもすぐに検討したい。
→視覚障害者にとっては非常に重要な情報であるので、いつ発表するかをなるべく早く決めて欲しい。
→マスコミに公表する前には、鉄道事業者にも知らせて欲しい。
・本研究の結果をもとに、即実用化してよいのかという議論も必要である。広く周知徹底することも重要であり、できれば早期にいくつかの駅で試験的な運用を行い、ユーザーの評価を確かめることが効果をあげることの一つにもなろうかと思う。
・(事務局)今後の検討課題もあるので、その際には協力を宜しくお願いしたい。
以上







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